アサヒ障害続く 週末の飲食店混乱
サイバー攻撃によるアサヒグループホールディングスのシステム障害は、いまだ復旧のめどが立っていません。ビールなどを取り扱う週末の飲食店では混乱が続いています。
アサヒのシステム障害、混乱拡大「週明けにもスーパードライが消える」
影響は同業他社にも波及し、キリンビール、サッポロも一部商品に配送の遅れが出ているという。都内の業務用酒卸売店「佐々木酒店」によると、アサヒを含めたこの3社は都内などで工場や倉庫から問屋に運ぶ際、同じトラックに載せる共同配送を行っており、アサヒの出荷遅延が影響している模様だ。佐々木実社長(70)は「このままでは週明けにもスーパードライの生ビールが消える店が出る」と話す。
アサヒは、23年に打ち出したDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の中で、事業ごとに分かれていたシステムを機能ごとに統合する方針を掲げた。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん「こちらスドージャムという商品。アサヒと物流の拠点が一緒なので、(出荷が)止まっていますという連絡があった」
ビール業界は長年、サントリーを含めた大手4社が激しいシェア(市場占有率)争いを繰り広げてきた。飲食店の取り扱い銘柄や小売店の陳列スペースに置いてもらっていた自社商品をいったん他社に譲れば、取り戻すのは簡単ではない。アサヒが早期に出荷停止や欠品を解消できなければ、中長期的に売上高や業績面で影響を受け続ける可能性がある。
「アサヒグループホールディングス」は、サイバー攻撃によるシステム障害のため、9月29日からビールを含む飲料などの生産・出荷を停止しています。復旧のメドが立たないことから、手作業で受注対応を行っているといいます。出荷の準備も進めていますが、通常の販売量と比べて大幅に少なくなるとしています。
福岡市の酒店も、先行きを懸念しています。現在、およそ20の飲食店向けに「アサヒ」の生ビールや瓶ビールを届けています。1週間ほどは問題なく配送できる在庫があるほか、卸売会社からはさらなる仕入れも可能と伝えられていることから、現段階で大きな影響は出ていないといいます。
アサヒはサイバー攻撃を受けた9月29日午前7時頃以降、グループ内で使用するシステムが起動しないなどの不具合が生じた。これによりグループ各社の商品の受注や出荷に加え、コールセンターの顧客対応や、社外からのメール受信もできない状況が続いている。
■東まどか記者「福岡の名物、鶏皮と生ビール。相性抜群で店でも人気の組み合わせですが、いつまで安定的に提供できるかは不透明な状況です。」「アサヒ」の生ビールを提供している、福岡市博多区の居酒屋です。生ビールは1日平均で30から40リットル、多い時は1日90リットルもの注文が入る人気商品です。■竹乃屋 博多バスターミナル店・八坂一徳さん「鶏皮串とビール、焼き鳥とビールなどで注文されて飲んでもらっています。ずっと止まるとなれば、影響は出てくるとは思います。」
忙しくなる週末を前に、アサヒのビールを扱う飲食店からはこんな声が…。
障害発生から5日目となる今月3日、東京・日本橋のビアバー「ブルヴァールトーキョー」は、サッポロビールの黒ラベルなど他社銘柄での代替を検討し始めた。2019年の開業時から取り扱うビールはほぼ「アサヒ一筋」だったが、店舗売上高の15%を占める主力の「アサヒスーパードライ」の在庫が来週にも尽きる見通しとなった。運営会社の代表取締役、佐藤裕介さん(46)は「この状況が続けば商売にならず、売り上げにも影響しかねない」と肩を落とす。
この居酒屋には、生ビールが納品された一方で。■お客さん「相性最高です。飲めないと困ります。」ハイボールに使う「アサヒ」のウイスキーは、在庫量の関係で今後、入荷が難しくなる恐れもあるということです。



コメント