
今週のNY市場は底堅い展開か。先週はダウ平均が510.99ドル高(+1.10%)、S&P500が1.09%高、ナスダック総合が1.32%高と主要3指数がそろって反発した。1日から政府機関が一部閉鎖され、利下げを巡り注目された9月雇用統計などの発表が延期されたものの、水曜日に発表された9月ADP民間部門雇用者数が増加予想に反して減少したことで、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が高まったほか、政府機関閉鎖が短期間で済むとの期待や、野党民主党が要求する医療保険税額控除の延長期待を背景に薬品株が軒並み大幅高となったこと、AI関連株の上昇期待が続いたことが相場を押し上げた。ダウ平均は火曜日から4連続で終値の最高値を更新し、金曜日は8営業日ぶりに取引時間中の史上最高値も更新した。S&P500は金曜日まで3日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新。ナスダック総合は金曜日に6営業日ぶりに反落したものの、取引時間中の史上最高値を更新した。
今週は政府機関の一部閉鎖による経済指標の発表延期が引き続き懸念材料となるものの、10月28-29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待や、AIラリーの継続期待、10月中旬からスタートする第3四半期決算発表への期待などを背景に底堅い展開か。利下げ見通しを巡っては、先週末の米9月雇用統計の発表が延期され、今週の新規失業保険申請件数などの発表も未定だが、水曜日に9月16-17日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁などの講演なども多数予定されており、FOMC議事要旨やFRB高官の発言などから利下げのヒントを探る展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは9月雇用傾向指数など。企業決算は引け後にコンステレーション・ブランズが発表予定。(執筆:10月6日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通しー今週はFOMC議事要旨や要人発言に注目
一方で、何人か(some)の参加者が、関税政策が物価に与える影響を見極める前に利下げを始める考えを示していたことが判明した。市場には過去のデータとの認識が強いものの、(主にトランプ政権が主張する)9月の積極利下げは元より利下げ観測自体がやや後退したこともNY金の値動きを重くした。
主要な経済指標の発表は限られたものの、総じて米経済が堅調に推移していることを示し、米ドルや米長期金利(10年債利回り)が強含みに推移する中で、NY金は連日売りが先行する流れが続いた。終値は週初から4日連続で節目の3,400ドル割れが続いた。
先週(8月18日週)のニューヨーク金先物価格(NY金)は週足ベースで反発し3,400ドル台を回復して終了した。8月21~23日開催の米ワイオミング州ジャクソンホールでの経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(カンザスシティー地区連銀主催)にて、8月22日に予定されていた、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を前に、週を通して様子見モードで相場は進行した。
講演開始前にやや動意付いていたNY金は、3,380ドル前後から40ドルほど急騰し3,420ドル超に達し、売り買い交錯状態に。そのまま終盤まで水準を維持し、通常取引は3,418.50ドルで終了した。8月8日に付けた終値ベースでの過去最高値(3,491.30ドル)以来2週間ぶりの高値水準となる。週足では前週末比35.90ドル(1.06%)高の反発となった。レンジは3,353.40~3,423.40ドルで値幅は70ドル。前回指摘した想定通りとなった。
こうした中で今週(8月25日週)のNY金は3,380~3,450ドル、JPX金は1万5950~1万6250円を想定している。
一方、国内金価格は8月22日のパウエルFRB議長発言を受けたNY金の反発までは、弱含みに推移した。大阪取引所の金先物価格(JPX金)は、8月20日一時約1ヶ月ぶりの安値となる1万5855円まで付けた。それでも米ドル/円相場が148円台中盤まで進んだ円安にサポートされたこともあり、NY金に比較して下値は浅かった。
一方、経済指標以外では8月22日のパウエル発言を受け9月FOMCを見通す上で、FRB高官の講演などでの発言にも注意を怠れない。


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