
本日のロンドン為替市場では、ポンドは英経済指標や要人発言を確認しながらの推移が見込まれる。また、仏ではルコルニュ首相の不信任投票が予定されている。
まず、ポンドは序盤に予定されている英経済指標に注目したい。8月の月次GDPは前月比+0.1%と7月の横ばいからわずかに改善する見通し。ただ、14日に発表された英6-8月失業率は市場予想通りであったとはいえ4.8%と2021年以来の水準に上昇しており、予想外に弱い結果となった場合は、市場では来年2月と目されている英中銀(BOE)の利下げ観測が前倒しされてポンド売りに傾く恐れがある。なお、同時刻に発表される8月鉱工業生産は前月比+0.2%/前年比-0.8%(7月は-0.9%/+0.1%)とまちまちの予想となっている。
ポンド関連では、NY序盤になるが、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演も気になるところ。先月のBOE理事会以降、金利据え置きに票を投じたテイラー委員やグリーン委員からハト派的発言が相次いでいる。マンMPC委員も先月の理事会で金利据え置きに賛成しており、発言内容が注目される。金融政策に言及しない可能性もあるが、念のため確認しておきたい。
ユーロについては、本日仏で予定されている内閣不信任投票に注目したい。14日にルコルニュ仏首相が「マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止する」と発言したことがきっかけとなり、内閣存続の可能性が急浮上している。直近では仏政局不安でユーロが売られてきた面もあるため、信任されればユーロにとって追い風となるかもしれない。投票結果に注目といえる。
そのほか対円の視点では、本邦の政局以外にも、本邦要人発言に対する欧州勢の反応も気になるところ。加藤財務相は「円安方向で急激な動きがみられる」などと発言したほか、田村日銀審議委員からは「9月会合では0.75%程度への引き上げを提案」などの発言が伝わっており、ドル円は東京午前で150.51円まで下押している。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1731ドル
・ポンドドル:日足・一目均衡表の基準線1.3488ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1601(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:ピボット・サポート1、1.3344ドル
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
以上から 2025年一定時期に利下げが継続される見通しです
ただ、ゴールデン・ウィークを前に、円安に懸念を強める財務省が、4月29日と5月1日の2日間で、9兆8千億円相当の強力な円買い介入を実施したこともあって、5月3日には、ドル円が151.86まで下落、ポンド円も191.37まで急落しました。しかしながら、このレベルでは、本邦輸入勢や投機筋からの値ごろ感の円売りも強く、米財務省が半期為替報告書で、日本を再び「監視国」に認定。市場介入に踏み切り難くなるとの見方もともない、6月のFOMCでは政策金利が据え置かれる。FOMCメンバーのFF金利見通しが、前回の年内2回利下げ見通しから1回に後退。ドル円は7月3日の高値を超えて161.95の2024年の高値まで上昇し、ポンド円も英中銀が政策金利の据え置き姿勢を維持。14年ぶりに英総選挙で、労働党が勝利したことなどから、2007年7月の高値に迫る208.11まで上昇しました。
このためポンド円相場でさらにポンド高が進むには、高市氏の利下げへの慎重姿勢が植田氏よりも強くなるか、日銀からの情報発信が米国経済の見通しや日本経済への悪影響への警戒感を強めることが必要だとみることもできる。高市氏は15日にも召集される見通しの特別国会で首相に指名される公算が高いとみられており、発言への注目度の高さが、FX市場に及ぼす影響を大きくすることも考えられそうだ。
また、スロー・ストキャスティクスが変われ過ぎから反転下落を示現していて、今後下値トライのリスクが高まっています。下値は、1.2300や1.2037が維持出来ると良いですが、割れると1.1804、1.1141の戻り安値を再度目指す可能性となります。流石に歴史的な安値を前に、こういった位置は支えられる見通しです。ただ維持出来ない場合、下ヒゲの節目となる1.0924や1.0350の最安値までターゲットとなりますが、もしこういった位置まで割れると、パリティが視野となります。
ただ、下値は「D」と「F」のネックラインが逆サポートして、更に反転がこの「G」の高値を超えて、161.95まで上昇する形からは、このリバースH&Sが崩れた形となっています。2024年の相場見通しもこれを前提に見通しを述べていますが、これが全く誤った形で、そうなると140円前後が今後も維持されると、更なる上昇と見るしかない形となります。その場合161.95を越えると次のターゲットは、1978年の安値177.06、更には1981年の安値199.06となります。
以上を踏まえてポンド円相場の2025年の見通しと戦略についてお話します。
こうした中、ポンド円相場の今後の見通しをめぐっては、高市トレードによる円安の持続性が注目される。高市氏が示した日銀の利上げが消費を落としてしまうことへの懸念は、日銀の植田和男総裁が7月31日の金融政策決定会合後の記者会見で示した立場と同じ。このため高市氏と日銀の足並みはそろっており、ともに利上げに慎重な立場だとみることができる。また植田氏は9月19日の決定会合後の記者会見では、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策が日本経済に及ぼす影響についても慎重に見極める立場を強調。米国経済をめぐっては、1日から始まった政府機関一部閉鎖が先行きの不透明感を強めており、植田氏が日本経済への悪影響への懸念をさらに強めている可能性もありそうだ。こうした中、ドル円相場での円安圧力は維持されるとの見方も成り立つ。
リポートの作成時点では、情報量が少ないのは残念ですが、やはり年初から大注目となるのは、1月20日からスタートするトランプ次期政権です。トランプ氏は既に追加関税など多くの発言をしていますが、就任当日から多くの「大統領令」に署名する見通しです。その内容次第では、市場を大きく混乱させることは間違いなさそうです。トランプ氏の政策に関しては後述しますが、2025年の相場を考える上で、特に注意を払っておく必要があるでしょう。
以上から、2025年一定時期に利下げが継続される見通しです。



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