
【ドル/円】下値リスクを残した状態。151.50超えで終えれば下値リスクがやや後退。
直近の日足は、前日足から上寄りのスタートとなりましたが、上値抵抗を抜けきれずに値幅の小さい陰線引けとなりました。下値リスクがより高い状態に変わりありませんが、前日の陽線が日足の下値抵抗に跳ね返されており、突っ込み売りにも注意が必要です。
日足が151円台を回復して終えれば日足の形状が改善して下値リスクがやや後退、151.50超えで終えれば調整下げが終了した可能性が生じて152~153円ゾーンの上値抵抗をトライする動きが強まり易くなります。逆に、149.50-60の抵抗を下抜けて終えた場合は、調整下げの動きが継続します。
下値リスクを残した状態にあるので、ドル買いは150.00-10まで引きつけて。損切りは149.40で撤退です。ドル売りは1日様子見か151.00-10で軽く売って151.60で撤退です。
日足の上値抵抗は151.00-10,151.40-50,152.00±10銭に、下値抵抗は150.00-10,149.50-60,149.00-10,148.00-10にあります。

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ドル円予想 下値リスクを残した状態 下値抵抗にも注意
ではテクニカル面でも現在の状況を確認していきましょう。下図のチャートはドル円の週足チャートになります。前回の分析(3月5日)からの変動を見ていくと、3月以降も売りの流れが強まって4月22日には一時139.89円と140円の大台を割り込む場面も見られました。その後はいったん148円台まで買い戻しが入りましたが、足もと(26日執筆時点)では142円台まで再び売りに押されています。
その一方で、トレンドが終わりに近づいていることもまた事実でしょう。4月下旬にかけての下落は140円割れ水準で収まったものの、ドル円相場は2024年7月高値の161.95円と2025年1月高値の158.87円で2度天井を試した格好(いずれもチャート上の丸で囲った部分)となり、「ダブルトップ」を形成しかけているようです。ネックライン(チャート上の黄色実線)を下抜けることで「ダブルトップ」は完成に至りますが、テクニカル上の目標値はさらに下離れした120円台(チャート上の赤色実線)となります。
今回解説していく通貨はドル円です。ドル円は関税を交渉カードとして利用するトランプ米大統領の政策に振らされる展開が続いていますが、相場の流れは年初から下落方向。テクニカル的には一段の下値余地拡大につながる重要なポイントに接近しており、しばらくは十分に注意が必要な局面が続きそうです。イベントでは日米の金融政策と主要7カ国首脳会談(G7サミット)が重なる6月中旬が一つのポイントとなるでしょう。
注目の日米財務相会談後には「為替の水準については議論されなかった」「現時点でのドル円はファンダメンタルズを反映しているとの認識を再確認」などの声明が伝わりましたが、これは概ね従来と変わらない内容。結局、米国側から円安・ドル高是正の要求はなかったわけですが、市場の懸念はその後も完全に拭いきれてはいないようです。
「ダブルトップ」の完成次第で下値余地が20円超拡大するわけですから、現状では「ダブルトップ」の行方が最重要ポイントとならざるを得ないでしょう。今後はネックライン(139円台)をはっきりと下抜けてくるのか、ここに注目しておきたいところです。
では「ダブルトップ」が完成する可能性は高いのか、今後の方向性を短期的な視点からも探っていきましょう。下図のチャートはドル円の日足チャートです(26日執筆時点)。チャート上の青色実線・点線およびネックライン(チャート上の黄色実線)は週足分析と同じものです。さらに今回は「一目均衡表」も追加してあります。
足もとのドル円に大きな影響を与えたテーマは日米財務相会談でした。トランプ米大統領が米国の貿易赤字削減のために足もとの円安・ドル高を是正するよう要求する可能性がある、との思惑が市場で浮上。加藤財務相が「主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて、ベッセント米財務長官と会談を行い、為替についても協議する」と言及すると、前述の思惑が広がったため、為替市場では円買い・ドル売りの動きが強まりました。
ドル円に限った話ではありませんが、為替市場全般でトランプ米大統領の発言や米関税・貿易政策に振らされる展開が続いています。
また、米関税政策も引き続き為替相場への影響を与える要因となります。日米貿易交渉はすでに3回目の協議が終了。赤沢経済再生相が今週にも訪米し、30日に4回目の協議が行われる予定です。こちらに関してはG7サミットで日米首相が個別会談を行う方向で一致しており、そこで何らかの成果が発表されるでしょう。相互関税の上乗せ分(14%)の猶予期限が7月9日に迫るなか、米国の相互関税や日本が強く反対している自動車関税(25%)などの行方に注目。交渉の結果次第で株価とともにドル円相場も振らされることになりそうです。


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