動画配信期間:公開日から2週間
【お知らせ】野村雅道氏の相場見通し動画は、10月29日をもちまして配信を終了いたします。長らくご視聴いただき、誠にありがとうございました。
お知らせ:YouTubeでも外為マーケットビューを配信中
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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ドル円見通し上昇トレンド再開高市新政権でリスク選好 円売り再燃 10月22日
*14:43JST 東京為替:ドル・円は堅調、円売り再開 21日午後の東京市場でドル・円は堅調地合いとなり、本日高値を上抜け151円48銭まで水準を切り上げた。高市首相の就任で政治的混乱は一服し、リスク選好的な円売りが再開。ユーロ・円などクロス円も連れ高し、ユーロ・ドルはその影響でやや下げた。ここまでの取引レンジは、ドル・円は150円47銭から151円48銭、ユ-ロ・円は175円35銭から176円16銭、ユ-ロ・ドルは1.1628ドルから1.1655ドル。
ドル/円は152円台に乗せましたが、150円超の水準は2月と8月に植田総裁とベッセント財務長官が電話会談した時の水準であり、米国からのけん制も飛んでくることも予想されるため、ここからの円安は市場の警戒心が高まることが予想されます。
米政府機関閉鎖の影響は長引けば長引くほど米景気に悪影響を与え、米労働市場への下振れリスクを高めることになりそうです。3日発表予定の雇用統計は延期となりました。新規失業保険申請件数も延期となったことから、雇用状況が把握できなくなってきたため10月利下げ観測も揺れ動いています。
ただ、そもそも10月よりも12月利上げとの見方も多かったため、12月、もしくは来年1月の利上げ期待はくすぶり続けると思われます。市場では日銀は追加利上げがやりづらくなったとみていますが、10月会合で利上げ姿勢に変化がみられるのかどうか注目したいと思います。
日本の変化に対する期待は大きいですが、時間とともに期待が変わる可能性もあるかもしれないことを考慮すると、ドル/円はやはり、米政府機関閉鎖による米国の景況感悪化懸念や年内2回の追加利下げ観測などの米国の要因によって影響を受けるのではないでしょうか。
前述のシカゴIMM投機筋のポジションの動向からドルの下値は限定的と見られる一方、日足・転換線(151円33銭)を回復し、この水準を下値支持線として10月10日高値(153円27銭)に向けて上昇基調を強めるか注目されます。加えて、高市内閣発足に伴う外務大臣/財務相人事、所信表明演説(今週中もしくは11月4日以降)、トランプ大統領来日(28日日米首脳会談の可能性)、さらに10月30日‐11月1日の韓国で開催のAPEC首脳会議で習近平国家主席との会談の行方など、外交日程も注目されます。これらが高市内閣/自民党支持率の回復につながれば、株高・円安方向の動きを後押しする展開が想定されます。
しかし、政府機関閉鎖による政府職員の一時帰休が75万人といわれており、閉鎖が長引けば一時帰休が解雇に変わる可能性もあることから、閉鎖が長期化すればするほど雇用の下方リスクが一段と高まることも予想され、10月利下げ期待は高まることが予想されます。このことがドルの上値を抑えてくることが予想されます。
先週末17日のドル円は前日の米信用不安や米中貿易摩擦への警戒に加え、内田日銀副総裁のタカ派寄り発言を受け、欧州市場序盤に149円38銭へ下落しました。ただ、この水準は日足・基準線にあたり、下値支持線として下げ止まり。その後、自民党と維新の会との政策協議が大きく前進したと報じられ高市首相誕生への期待感が高まったほか、トランプ大統領の発言を受けた米中貿易摩擦緩和への期待も支えとなり150円64銭へ反発しました。
一方、政権基盤の安定は日銀による追加利上げに向けた環境整備にもつながるほか、米FRBによる利下げ継続がドル円の上値抑制要因となる可能性もあります。
高市新総裁は、金融政策について、「財政・金融政策の方向性を決める責任は政府にあるが、金融政策の手段は日銀が決めるべき」と述べています。利上げを決める責任は政府にあると明言していることから、市場の10月の日銀利上げ期待は、総裁選前の70%近くから30%近くまで下がりました。




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