
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数がそろって下落。スコット・ベッセント財務長官の発言を受けて米中貿易摩擦懸念が再燃したほか、決算が嫌気されたテキサス・インスツルメンツやネットフリックスの大幅安も相場の重しとなった。ダウ平均が334.33ドル安(-0.71%)と4日ぶりに反落し、前日にほぼ横ばいで終了したS&P500も0.53%安。ナスダック総合は0.93%安と2日続落して終了した。
引け後の動きでは好悪まちまちの決算を発表したテスラが時間外で3%超下落。決算が予想を上回ったIBMも時間外で6%超下落した。一方、サウスウェスト航空が赤字予想に反して黒字決算を発表し、株価は時間外で2%超上昇。米中関連では、トランプ米大統領が中国習主席との会談が予定されていると述べた。
今晩はIBMやテスラの下落が見込まれる。翌日の9月消費者物価指数(CPI)の発表を控えた様子見姿勢が強まることが予想されるが、昨日夕方のトランプ米大統領の発言を受けた米中貿易協議への期待が下値支援となりそうだ。決算発表は寄り前にユニオン・パシフィック、ハネウェル・インターナショナルなどが発表予定で、決算実績やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは9月シカゴ連銀全米活動指数、9月中古住宅販売件数など。新規失業保険申請件数は、政府閉鎖の影響で引き続き発表が延期されるもよう。企業決算は寄り前にユニオン・パシフィック、TモバイルUS、ハネウェル・インターナショナル、引け後にインテル、フォード、ベーカー・ヒューズなどが発表予定。
(執筆:10月23日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通しー底堅い展開か 決算発表はユニオン
セールスフォースが4.8%安で終えた。前日に四半期決算とあわせて発表した2025年8〜10月期の売上高見通しが市場予想に届かなかった。アムジェンとコカ・コーラも安かった。
●米国の25年の実質GDP成長率見通しを+1.7%、26年を+1.5%へ修正しました。4‐6月期は、相互関税導入前の駆け込み輸入の反動で輸入が減少する見込みで、GDP成長率の回復が予想されます。中国がレアアースの輸出を再開すれば、米国は対抗策の半導体設計ソフトやジェットエンジン部品等の輸出規制を緩めることで合意した模様で、生産の落ち込みによる7‐9月期の大幅な景気下振れは避けられそうです。関税上昇分は輸入元の値下げや米国企業の利益圧縮で吸収される部分を除くと、今後小売価格に転嫁される見込みですが、今のところ影響は軽微のようです。
●円の対米ドルレートは、やや弱い展開を予想します。FRBの利下げ観測と日銀の利上げ継続方針が米ドルの下落要因となるとみています。米国の財政政策に対する懸念から米ドルはピークアウトしたと見ています。ただし、中東情勢が悪化すると米ドルの下支え要因になることには留意が必要です。●円の対ユーロレートでは、ユーロが米ドル安となった際の受け皿になりやすいことに注目しています。EUとドイツが国防費を含む財政赤字に対する態度を変化させたことでユーロ圏の長期金利は高止まりする見通しです。ユーロの実質金利が高止まりすることから、円に対してもユーロ高を予想します。●円の対豪ドルレートは、一進一退の展開を予想します。豪ドルには米ドルからの資産分散需要がありますが、RBAの利下げが円高要因となりそうです。


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