大手を中心に連合が求めた「5%以上」を満たす回答が相次いだ
連合は、基本給を引き上げるベースアップ(ベア)相当分を3%以上、年齢や勤務年数などに応じた定期昇給分を含めて5%以上の賃上げを要求し、賃金底上げの実現に取り組む。中小の労組については企業規模による格差是正分を加え、6%以上の賃上げを要求する。
今年の春闘では、物価高や人手不足を背景に、賃上げの必要性について労使が一致。大手を中心に連合が求めた「5%以上」を満たす回答が相次いだ。連合の集計によると、平均賃上げ率は33年ぶりの高水準となる5・10%となった。一方で、組合員300人未満の中小では4・45%にとどまり、大手との賃金格差は拡大した。
連合の芳野友子会長は記者会見で、「5%以上の賃上げを今後も着実に継続してつなげていくことが非常に大事だ」と表明。数字上は24年春闘の目標と同じであるものの、各企業の経営状況に応じて今年を「上回るような要求を設定していただければいい」と語った。
日本最大の労働組合の全国組織である連合は18日、2025年春闘の闘争方針策定に向けた基本構想で「5%以上」の賃上げを目指す方針を発表した。33年ぶり高水準の賃上げを実現した24年と同じ水準で、日本銀行の金融政策の正常化を後押しする賃金上昇の流れが定着するかが最大の焦点となる。
連合は23日、2026年の春季労使交渉(春闘)の目標賃上げ率を前年と同じ「5%以上」にすると発表した。25年春実績は全体で5.25%(加重平均)と目標を上回ったが、組合数でみると達成できたのは4割ほどだった。目標据え置きで格差解消に力を入れる。政府も中小企業への支援を強化し、賃上げの裾野を拡大する。
連合は16日、東京都内で役員会を開き、こうした方針を含む基本構想案をまとめた。18日の中央執行委員会で正式決定する見通し。
物価変動の影響を考慮した実質賃金は低迷が続き、8月は前年同月比でマイナス0・6%となった。連合は基本構想案の中で、「生活向上を実感している人は少数にとどまり、賃上げの流れを定着させる必要がある」としている。
連合は2025年春闘で基本給を底上げするベースアップを「3%以上」、定期昇給分を含めて「5%以上」の賃上げを要求する方針を固めた。高水準の引き上げを実現した今年の春闘の目標を据え置き、大幅賃上げの継続を目指す。企業規模による賃金格差を是正するため、中小には「6%以上」を求める。


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