
◆主要国の政策イベントや米中摩擦の動向に注目
◆ポンド、12月会合での利下げ観測再燃が重し
◆加ドル、来週の中銀会合で2会合連続の利下げが織り込まれる
予想レンジ
ポンド円 201.00-206.00円
加ドル円 107.00-110.50円
10月27日週の展望
来週は米連邦準備制度理事会(FRB)、日銀と欧州中央銀行(ECB)の金融政策発表が予定されており、主要国の政策イベントを見極める展開となる。また、米中摩擦が警戒されているが、対中関税の延期期限となる11月1日が近づく中、30日に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場での米中首脳会談が注目される。
来週、英国内で注目の指標発表は予定されておらず、11月26日公表予定の予算案関連のニュースなどに目を配りたい。予算案への警戒感と今週に発表された9月CPIの予想比下振れで、ポンドは上値の重い動きが見込まれる。9月CPIは前年比3.8%と前月から横ばいと、市場予想やイングランド銀行(英中銀、BOE)が予想していた4%を下回った。先週に発表された6-8月雇用データでも賃金の伸びが鈍化。景気や労働市場の低調が確認され、今回の物価統計はBOEの高インフレへの懸念を和らげる結果となった。市場ではBOEが来年の2月まで追加利下げを見送るとの見方がメインシナリオとなっていたが、12月会合での利下げ期待が高まりつつある。
なお、英政府の今財政年度上期の財政赤字は予想を上回る998億ポンドとなった。リーブス財務相が目指す財政再建の道のりの厳しさが示唆されている。国債利払い費の急激な増加が借入額を大きく押し上げ、秋季財政報告を前に公的財政は極めてぜい弱な状態であり、リーブス氏は、痛みを伴う増税を打ち出さざるを得ないとみられている。
カナダでは、29日にカナダ中銀(BOC)の政策金利の発表が予定されている。21日に発表された、9月CPIは前年比2.4%と8月の1.9%から予想以上に伸びが加速した。コアインフレ指標の一つであるCPI中央値は前年比3.2%と上方修正の前月と同水準となった。インフレの上昇はBOCの緩和姿勢に圧力となり、インフレについては議論の余地が残されている。ただ、弱い経済を支援するために今回の会合では2会合連続の利下げに踏み切り、政策金利を2.25%に引き下げる可能性が高い。
また、BOCが今週に公表した四半期調査によると、企業は年初より状況が若干改善したと感じているが、トランプ関税の景気抑制効果を踏まえ、投資や採用を拡大する公算が小さいことが明らかになった。更に、企業は依然として今後1年間の投入価格が前年よりも速いペースで上昇する一方で、賃金上昇率は引き続き鈍化傾向にあると予想している。経済の先行きに対する懸念は強く、加ドルは緩やかながら上値の重い動きが見込まれる。
10月20日週の回顧
高市新政権が誕生。調整を挟みながらも高市トレードが継続されクロス円はしっかりだった。ポンド円は203円後半、加ドル円は109円前半まで強含んだ。一方、ポンドドルは予想比下振れの9月英CPIを受けて1.33ドル近辺まで下押した。ドル/加ドルは予想を上回った加CPIが加ドルの支えになった部分もあり、1.40加ドル台での伸び悩みが続いた。(了)
(執筆:10月24日、9:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
流石に歴史的な安値を前に こういった位置は支えられる見通しです
以上から、2025年一定時期に利下げが継続される見通しです。
リポートの作成時点では、情報量が少ないのは残念ですが、やはり年初から大注目となるのは、1月20日からスタートするトランプ次期政権です。トランプ氏は既に追加関税など多くの発言をしていますが、就任当日から多くの「大統領令」に署名する見通しです。その内容次第では、市場を大きく混乱させることは間違いなさそうです。トランプ氏の政策に関しては後述しますが、2025年の相場を考える上で、特に注意を払っておく必要があるでしょう。
ただ、ゴールデン・ウィークを前に、円安に懸念を強める財務省が、4月29日と5月1日の2日間で、9兆8千億円相当の強力な円買い介入を実施したこともあって、5月3日には、ドル円が151.86まで下落、ポンド円も191.37まで急落しました。しかしながら、このレベルでは、本邦輸入勢や投機筋からの値ごろ感の円売りも強く、米財務省が半期為替報告書で、日本を再び「監視国」に認定。市場介入に踏み切り難くなるとの見方もともない、6月のFOMCでは政策金利が据え置かれる。FOMCメンバーのFF金利見通しが、前回の年内2回利下げ見通しから1回に後退。ドル円は7月3日の高値を超えて161.95の2024年の高値まで上昇し、ポンド円も英中銀が政策金利の据え置き姿勢を維持。14年ぶりに英総選挙で、労働党が勝利したことなどから、2007年7月の高値に迫る208.11まで上昇しました。
また、スロー・ストキャスティクスが変われ過ぎから反転下落を示現していて、今後下値トライのリスクが高まっています。下値は、1.2300や1.2037が維持出来ると良いですが、割れると1.1804、1.1141の戻り安値を再度目指す可能性となります。流石に歴史的な安値を前に、こういった位置は支えられる見通しです。ただ維持出来ない場合、下ヒゲの節目となる1.0924や1.0350の最安値までターゲットとなりますが、もしこういった位置まで割れると、パリティが視野となります。
以上を踏まえてポンド円相場の2025年の見通しと戦略についてお話します。


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