来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪四半期CPIに注目 RBAの政策策定への影響は?」ハロンズ FX 2025/10/25 #外為ドキッ

FXブログ
来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪四半期CPIに注目 RBAの政策策定への影響は?」ハロンズ FX 2025/10/25 #外為ドキッ
 

執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は97.79円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は86.09円前後で取引を開始しました。21日には日本の第104代内閣総理大臣に自民党の高市総裁が選出され、高市政権の「責任ある積極財政」への期待から週を通して円売りが優勢となりました。22日には「米国が中国への重要ソフトウェアの輸出制限を検討」と報じられたことで米中貿易摩擦を巡る懸念が再燃する場面もありましたが、23日にホワイトハウスが「30日に米中首脳会談を開催する」と発表したことで影響は限定的でした。豪ドル/円は23日に99.55円前後、NZドル/円は24日に87.96円前後まで上値を伸ばしました(執筆時)。

豪四半期CPIがRBAの予想を上回る可能性

16日に発表された豪9月雇用統計では、失業率が前月の4.3%から4.5%へ上昇し、2021年11月以来の高水準を記録しました。RBA(豪準備銀行)は年末時点の失業率を4.3%と見込んでおり、予想を上回る悪化です。労働市場の急速な悪化を受け、RBAが追加利下げに踏み切る可能性が意識されています。
来週29日には豪7-9月期の消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場では、総合CPIが前年比+2.9%と4-6月期から伸びが加速し、コアCPIにあたるCPIトリム平均は+2.7%と前期から横ばいになると予想されています。
RBAが8月に公表した金融政策報告では、2025年末時点のCPIを3.0%と見込んでいましたが、9月のRBA理事会議事録では「7月と8月の月次CPIの結果は、7-9月期CPIが8月時点の予想を上回る可能性を示唆している」と指摘されています。
労働市場には減速の兆しが見え始めているものの、労働参加率は過去最高水準付近で推移しており、完全雇用に近い状態が続いています。インフレ率が予想以上に加速し、RBAの目標レンジ(2~3%)を上回るようであれば、RBAが拙速に利下げへ踏み切る必要性は低下するとみられます。

米中首脳会談開催

来週は30日にトランプ米大統領と習近平中国国家主席が米中首脳会談を開催します。豪州は中国と交易関係が強いため、米中関係の悪化は豪ドルにとってネガティブ材料となります。米中貿易摩擦をはじめとした米中関係の動向には引き続き注目していきましょう。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の下値は日足一目均衡表の基準線と転換線が目先のサポートとして意識されそうです。その下の水準では、日足一目均衡表の雲が控えています。
一方、上値は再び心理的節目となる100.00円が迫ってきています。この水準や今年の年初来高値(10月9日)の100.95円前後を上抜けた場合には、昨年11月7日高値の102.40円前後が次の上値目途として意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:97.50-101.50、NZD/JPY:86.50-89.50

10/27週のイベント:

10/29 (水) 09:30 豪 9月消費者物価指数(CPI)
10/29 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期消費者物価(CPI)
10/30 (木) 09:00 NZ 10月ANZ企業信頼感
10/30 (木) 09:30 豪 7-9月期四半期輸入物価指数
10/31 (金) 09:30 豪 7-9月期四半期卸売物価指数(PPI)
10/31 (金) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

急に寒くなりました。息子の学校ではインフルエンザがはやっており、外為どっとコム総研も体調を崩しているメンバーが増えてきました。体調管理には十分注意しましょう。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場のアナリストが、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 
nakamura.jpg

外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪四半期CPIに注目 RBAの政策策定への影響は?」ハロンズ FX 2025/10/25 #外為ドキッ

来週の為替予想 豪ドル 円

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

10/22発表の南ア9月消費者物価指数(CPI)や10/23公表の南ア中銀金融政策レビューを受けて、11/20の政策委員会で政策金利を据え置くか、利下げ観測が高まるか焦点となります。前回9月の会合では6名の委員の内、2名が利下げを支持、4名が現状維持を主張したほか、インフレ見通しについて、近い将来にピークに達し、2025年に3.4%、2026年には3.6%と前回予想から上方修正しただけにCPIに対する反応が注目されます。そのほか、南ア最大の貿易相手国である中国7-9月期GDPや9月小売売上高に対する反応に加え、日銀の高田審議委員や氷見野副総裁の発言を受けたドル円の反応とともに、日足・基準線(8円66銭)を下値支持線として転換線(8円75銭)、さらに10/14の8円81銭を上抜けるか、転換線や基準線を上値抵抗線として10/17の8円57銭ヲ下抜けるか注目されます。

以上を踏まえると、2025年の豪ドル/米ドルは、2024年のレンジを下方修正し、0.6~0.7米ドル中心での展開と予想したいと思います。

金利差は、為替相場の変動率(ボラティリティ)に大きく影響することから、大幅な金利差のある米ドル/円やクロス円が歴史的大相場を展開したのに対し、豪ドル/米ドルのような対米ドルでの取引「ドルストレート」は小動きの状況が続いたということでしょう。このような金利差に著変なければ、2025年の豪ドル/米ドルも小動きが続く可能性が高いのではないでしょうか。

豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。

2024年の豪ドル/米ドルは、0.63~0.69米ドル程度の小幅のレンジで、2023年に続き方向感のない動きに終始しました(図表1参照)。米ドル/円がここ数年記録的に大きな変動が続いていることと対照的に、豪ドル/米ドルの小動きが長期化している最大の理由は小幅な金利差でしょう。

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

予想レンジは、85~102円で想定したいと思います。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

先週末25日早朝の豪ドル円は、99.60付近で越週。

豪州は中国との貿易関係が強いことから、豪ドル/米ドルは上海総合指数など中国株との間に一定の相関関係が確認できます(図表3参照)。中国株の長期下落傾向が、小動きが続く中でも豪ドルの下落要因になっていた可能性はあるでしょう。

こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

豪米2年債利回り差は、足下で0.2%程度の豪ドル劣位です(図表2参照)。その一方で、日米2年債利回り差米ドル優位は3%を大きく上回っています。2022年の歴史的インフレ以降、先進国は軒並みインフレ対策で大幅な利上げに動いたのに対し、当初日本だけは金利上昇を抑制する政策を続けました。その結果、日本と米国など先進国の金利差は円劣位が大幅に拡大した一方で、日本以外の先進国間の金利差拡大は限られました。

コメント

` this.fetchProxy(url, options, 0).then( res => res.json() ).then( data => { if (data.body) this.srcdoc = data.body.replace(/]*)>/i, `
タイトルとURLをコピーしました