
「iPhone」「Mac」「Apple Watch」など、革新的な製品を世に送り出し、世界のハイテク・通信業界をリードしてきたアップル(Apple)。同社は強力なブランド力を背景に、ハードウエアと連携する様々なオンラインサービス事業を展開し、「世界で最も現金を稼ぐ」会社の一つとして君臨してきました。そのアップル(Apple)は本格的なAI時代の到来で、「アップルインテリジェンス(Apple Intelligence)」と呼ばれる新しいAI戦略を発表しました。しかし、グーグル(Google)やマイクロソフト(Microsoft)といった競合他社のAIサービスに比べて、あまり評価されていないのが現状です。今回はアップル(Apple)の最新決算までを分析、直前に控えた2025年(FY25)第4四半期(4Q)の業績予想して、同社が今、直面している真の課題を明らかにしてみます。
(1)Appleの最新業績と2025年4Qの業績予想
まず、Appleの「今」と「すぐ先の未来」を見ていきましょう。下表は2024年(FY24)1Qから2025年(FY25)3Qまでの四半期ベースの業績と、目前に控えた2025年(FY25)4Qの業績予想を示したものです。


単位:百万ドル
最新の業績である2025年(FY25)3Q決算は 表面的には好調でした。売上高は前年同期比9.6%増、営業利益も11.2%増と、Appleの成長が再加速しているように見えます。これはiPhoneの販売とサービス部門が好調であったことが要因です。しかし、この好調な「損益」の裏側に、稼いだ現金の使い道に関する重大な懸念が潜んでいると私はみています。
・AI機能「Apple Intelligence」を新搭載したiPhone17に寄せる期待
私は2025年(FY25)4Qの売上高も堅調に推移して、102,500百万ドル程度になると見込んでいます。市場が期待しているのは、9月に発売された新型iPhone(iPhone 17)に新搭載されるAI機能「Apple Intelligence」が既存ユーザーの買い替えを促進するという「AI特需」です。
・ライバルAIよりも低評価の「Apple Intelligence」では「特需」が起きない?!
アップル(Apple)の2025年(FY25)4Q最大懸念は、果たしてこの「AI特需」が本当に起こるかどうかということです。市場では、iPhone17が新搭載したAIの「Apple Intelligence」は、先行するグーグル(Google)の「ジェミニ(Gemini)」や、マイクロソフト(Microsoft)の「コパイロット(Copilot)」と比べて機能面で見劣りする(負けている)という声が多く聞かれています。残念ながら低評価という状況なのです。見込んでいる「AI特需」が期待外れに終われば、携帯電話の買い替えは進まず、売上は伸び悩むことになります。
(2)売上高の動向
会社の「年間成績」をまとめたものが「損益計算書」です。この5年間でAppleの「稼ぐ力」はどのように変化したのでしょうか。まず、アップル(Apple)がビジネスで稼いだ総収入のことを示す売上高を通期ベースでみてみましょう。アップル(Apple)の場合、携帯電話のiPhoneやパソコンのMacといったハードウェアや、App Storeなどで販売されるアプリなどサービスの売上を指しています。
下記は通期ベースの損益計算書のデータとグラフ、そして、売上高だけを抜き出したグラフです。売上高は2021年(FY21)から2022年(FY22)にかけて、約30,000百万ドル増加しており、力強い成長を遂げましたが、2023年(FY23)は383,285百万ドル、2024年(FY24)は391,035百万ドルと、ほぼ横ばいで「成長の踊り場」を迎えていました。



単位:百万ドル
四半期ベースのデータで売上高のグラフを見てみると、アップル(Apple)に起きている変化がよくわかります。2024年(FY24)の2Qには、前年同期比でマイナス4.3%を記録して、かなり苦戦しました。2025年(FY25)に入って、1Q4.0%増、2Q5.1%増、3Q9.6%増)と、売上高成長率は再び加速しています。このトレンドを元に、私はアップル(Apple)の2025年(FY25)4Qの売上高を102,500百万ドルと予想しました。AI戦略への期待とサービス事業の拡大が、踊り場を脱する原動力なっています。

(3)営業利益の動向
営業利益は売上高からコストを差し引いた本業の儲けのことです。営業利益率は、その儲けの効率性を示します。通期ベースのデータを見ると、2024年(FY24)の営業利益は123,216百万ドルと、売上が横ばいだったにもかかわらず、過去最高を更新しました。アップル(Apple)が極めて効率的な経営を行っている証拠です。


四半期ベースのデータでも、営業利益率は非常に高い水準で推移しています。アップル(Apple)のビジネスは季節性が高く、新型iPhoneの発売時期と重なる1Q(10〜12月)の利益率が最も高くなる傾向があります。例えば2025年(FY25)1Qは34.5%でした。2025年(FY25)3Qは30.0%と落ち着きましたが、私は2025年(FY25)4Qの営業利益を31,200百万ドル、営業利益率は30.4%を予想しています。これは新モデル発売前でも高い収益性を維持するからです。
(4)当期純利益の動向
当期純利益は税金などを支払った後に最終的に会社に残る利益のことです。通期ベースのデータで見ると、アップル(Apple)の2024年(FY24)の当期純利益は93,736百万ドルで、前年(FY23)の96,995百万ドルを下回りました。

その理由は四半期ベースのデータをみるとよく分かります。2024年(FY24)4Qの利益が14,736百万ドルと、営業利益の29,591百万ドルに比べて極端に少なかったためです。これは一時的な税金の支払いなど、特殊な要因があったと考えられます。2025年(FY25)に入ってからは、その反動もあり、1Qは7.1%、2Qは4.8%、3Qは9.3%と、すべて力強いプラス成長となりました。私の2025年(FY25)4Qの予想も、当期純利益を25,900百万ドルとしました。この好調な利益成長は続くものと見ています。

(5)株主価値指標の動き
続いて、投資家にとって最も重要な、株主価値指標の動きを確認します。
1)EPS (1株当たり利益) の動向
EPSは、「株主が持つ1株に対して、会社がいくら利益を生み出したか」を示す指標で、これが伸びるほど株主の価値は高まります。 下記は通期ベースのグラフです。2024年(FY24)は当期純利益が減少したにもかかわらず、EPSは6.08ドルと、2023年の6.13ドルとほぼ同水準を維持しました。これは、アップル(Apple)が「自己株式買い(自社株買い)」によって発行済み株式数を減らし、1株あたりの価値を高めているためです。

四半期ベースのグラフを見てみると、2025年(FY25)もEPSは底堅く推移しています。2025年(FY25)4QのEPSが1.74ドルという私の予想は、このトレンドを反映しています。

2)PER (株価収益率) の動向
PERは「株価がEPS(1株当たり利益)の何倍か」を示し、「投資家がその会社の将来の成長にどれだけ期待しているか」を測る指標です。 下記の通期ベースのグラフを見ると、アップル(Apple)のPERは2024年(FY24)に37.44倍となり、26倍前後だった過去3年間の水準から大きく上昇しています。これはアップル(Apple)のAI戦略に対する期待から、市場が将来の成長性(EPSの伸び)を高く評価し、現在の利益水準に比べて株価が先行して買われていることを示しています。

3)PBR (株価純資産倍率) の動向
PBRは「会社の純粋な資産価値(純資産)に対して、市場が株価を何倍と評価しているか」を示します。上記の通期ベースのグラフをみると、アップル(Apple)のPBRは、2024年(FY24)に60倍を超え、極めて高い水準にあります。これはアップル(Apple)が巨額の自社株買いによって純資産(会社自身のお金)を意図的に小さく保っているためです。この高いPBRは、同社の圧倒的なブランド力と収益性に対し、市場が帳簿上の価値をはるかに超えるプレミアムを付けていることを示しています。
(6)貸借対照表から見る「財務の安定性」
会社の「健康診断書」である貸借対照表は、会社の財産(資産)、借金(負債)、そして純資産のバランスを示します。アップル(Apple)の貸借対照表は、一般的な企業とは大きく異なる特徴を持っています。その背景を理解することが分析する上で重要です。


単位:百万ドル
1)資産の動向
資産は会社が保有する現金、工場、設備など財産の総額です。アップル(Apple)の総資産(流動資産+固定資産)は、2022年(FY22)の352,755百万ドルから、2024年(FY24)の364,980百万ドルまで、緩やかに増加しました。しかし、2025年(FY25)に入ってからは減少傾向に転じて、2025年(FY25)3Qは331,495百万ドルとなっています。これは、現金などの流動資産が減少しているためです。この現金減少は、巨額の株主還元(自社株買い)を行っているからです。
2)負債の動向
負債は銀行からの借入金など、将来返済しなければならない会社の借金のことです。負債も資産と同様に、2024年(FY24)をピークに、2025年(FY25)からは減少傾向にあります。アップル(Apple)は意図的に負債と資産のバランスをコントロールしており、2025年(FY25)3Qの負債合計(流動負債+固定負債)は265,665百万ドルです。
3)純資産の動向
純資産は、会社の総資産から負債を差し引いた返済不要の「会社自身のお金」です。アップル(Apple)の純資産は、2025年(FY25)3Q時点で65,830百万ドルと、総資産の331,495百万ドルに対して、極めて少額というのが特徴です。これは、アップル(Apple)が稼いだ利益のほぼすべてを、株主還元(自社株買いや配当金)を目的として社外に出しているためです。この結果、会社の安定性を示す以下の2指標は、一般的な製造業とは全く異なる数字になっています。
4)流動比率の動向
流動比率は会社の短期的な支払い能力、いわば「お財布の余裕」を見る指標です。流動比率(流動資産 ÷ 流動負債)は、一般的に100%を超えると「安全性が高い」と評価されます。アップル(Apple)は2025年(FY25)3Q時点で、流動比率が86.8%と100%を大きく下回っています。普通なら「危険」なサインですが、アップル(Apple)の場合は「例外」です。本業で稼ぐ現金の「営業キャッシュフロー」が莫大で、「手元に多額の現金を置いておく必要がない」という同社の圧倒的な自信と財務戦略の表れだからです。
5)自己資本比率の動向
自己資本比率(純資産 ÷ 総資産)は、会社の長期的な安定性を見る指標です。総資産のうち、返済不要なお金である「純資産」が、どれくらいの割合かを示します。 一般的な製造業では40%以上が目安とされています。アップル(Apple)の自己資本比率は2025年(FY25)3Q時点でわずか19.86%です。これも流動比率と同じ理由です。巨額の自社株買で純資産を意図的に圧縮しています。アップル(Apple)の「安定性」は、純資産の大きさではなく、桁外れの「稼ぐ力(営業キャッシュフロー)」によって支えられています。
(7)キャッシュフロー計算書から見る「事業の健全性」
最後に会社の現金の出入りを示すキャッシュフロー計算書を確認します。


単位:百万ドル
1)営業キャッシュフロー(営業CF)の動向
営業キャッシュフロー(営業CF)は本業で稼いだ現金を示しています。プラスが大きければ大きいほど優秀です。アップル(Apple)は本業であるiPhoneやMacなどのハードウェア販売とApp Storeのようなサービスから、莫大な現金を安定的に生み出しています。2024年(FY24)の営業CFは年間118,254百万ドル。2025年(FY25)に入ってからも、この傾向はそのままで、1Qから3Qまでの累計は81,754百万ドル(29,935百万ドル +23,952百万ドル +27,867百万ドル)で、2024年(FY24)の通期実績に対して69.1%の進捗率です。2025年(FY25)3Qが終了した時点の進捗率としては、ややペースが遅いものの、依然として四半期ごとに200億ドル(20,000百万ドル)以上を稼ぎ出しています。これこそが、アップル(Apple)の財務戦略の根幹なのです。
2)投資キャッシュフロー(投資CF)の動向
投資キャッシュフロー(投資CF)は、将来の成長のために、設備投資や企業買収に使った現金のことで、マイナスになるのが一般的です。投資CFの動向に、現在のアップル(Apple)が抱える「矛盾」が象徴されています。2022年(FY22)は設備投資などでマイナス22,354百万ドル(支出)になりましたが、2023年(FY23)は3,705百万ドル、2024年(FY24)も2,935百万ドルとプラスに転じました。2025年(FY25)に入ると、この傾向はさらに強まり、1Qから3Qまでの累計で17,782百万ドル(9,792百万ドル + 2,917百万ドル + 5,073百万ドル)と、前年(FY24)の通期実績を、大幅に上回るプラスとなっています。
アップル(Apple)の投資CFが大幅プラスであることは、設備投資以上に保有する有価証券の売却益などが上回っている状態を示します。これに対して、AI開発に巨額投資を続けている競合他社のマイクロソフト(Microsoft)は、AI用のデータセンター建設などで、2024年(FY24)の投資CFはマイナス96,970百万ドル(約970億ドル)です。グーグル(Google)も2024年(FY24)の投資CFは、マイナス45,536百万ドル(約455億ドル)でした。アップル(Apple)とは正反対の状況です。
創業者である故スティーブ・ジョブズ氏は「現金を持てば、それは次の製品やサービスの開発に回り、イノベーションにつながる」と確信していました。しかし、今のアップル(Apple)は、現金を余らせてしまっているのです。これは「本業で稼いだ莫大な現金を、惜しみなく注ぎ込めるような魅力的な新規投資先が、まだ見つけられていない」という見方ができます。時代を切り拓いてきたアップル(Apple)が次の成長の柱を見つけることができていないのです。
3)財務キャッシュフロー(財務CF)の動向
財務CFは、借入、返済、株主への還元など資金のやりくりによるお金の動きを示します。財務CFはアップル(Apple)の経営戦略の変化を端的に表しています。
スティーブ・ジョブズ氏は「(現金を)株主に返しても、アップルの企業価値はあがらない」として、株主還元を明確に拒否し、現金を留保しました。ところがティム・クック現CEO体制下のアップル(Apple)は、その現金を株主に還元する戦略へと舵を切りました。
その結果が、2024年(FY24)の121,983百万ドルという巨額のマイナスです。2025年(FY25)もこの方針を強力に継続しています。2025年1Qから3Qまでの累計はマイナス93,210百万ドル(△39,371百万ドル + △29,006百万ドル + △24,833百万ドル)です。これは、2024年(FY24)通期実績に対して76.4%の進捗率で、ほぼ前年と同ペースで巨額の株主還元(自社株買いや配当)を継続しています。
この巨額の株主還元による財務CFのマイナスと、投資先が見つけられない結果による投資CFのプラスという状況は、アップル(Apple)の直面している問題を浮かび上がらせています。「将来の成長のための投資先が見つけられず、余剰現金を株主に返すしかない」という経営能力の不安を示しているという見方もできるからです。
巨額の株主還元には、優秀な人材を引き抜き合戦から守り、社内に引き留めるために「従業員株主」を厚遇しようという側面もあるでしょう。しかし、ジョブズ氏が「禁じ手」としていた「株主還元」に、稼いだ資金を使わざるを得ないこの状況は、「イノベーションなくして企業価値の向上無し」というジョブズ氏の哲学から離れていくことに他なりません。すでにアップル(Apple)は、成長力のあるベンチャー企業から、もはや成熟企業に移行したのかも知れません。
(8)水面下で進行するネガティブサインを見逃すな
アップル(Apple)は「損益計算書」から読み取れる「成長回復」という期待と、「キャッシュフロー計算書」が示す「将来への投資不足」という深刻な懸念が交錯する、極めて重要な岐路に立たされています。
2025年(FY25)4Qの売上高 102,500百万ドルという予想は、新型のiPhone17と、新搭載のAI機能に対する期待を背景に、売上高が再び成長軌道に乗るという明るい見通しを示しています。アップル(Apple)の損益計算書は「成長の踊り場」を脱しつつあるサインを出しています。
しかし、貸借対照表に示された19.86%という自己資本比率の低さや、キャッシュフロー計算書で示された、年間100,000百万ドル以上という圧倒的な「営業CF」が生み出した現金を、巨額の株主還元のために優先的に使う一方で、投資CFは大幅なプラスで推移している状況を投資家は注視しなければなりません。
競合するマイクロソフト(Microsoft)の投資CFは2024年(FY24)実績でマイナス96,970百万ドル、グーグル(Google)は、マイナス45,536百万ドルです。競合他社は来るべきAI時代のために巨額投資を続けているのに、アップル(Apple)は現金を投資に回しきれていない状況です。これこそが、同社が新開発したAI機能「Apple Intelligence」の評価が市場で”イマイチ”になってしまった原因である可能性を否定できません。
投資家は短期的成長が予想される2025年(FY25)4Qの業績を評価すると同時に、その裏で進行中の「株主還元偏重」と「将来のための投資不足」というネガティブな兆候を見逃してはいけないと思います。
(本文ここまで)
岩田仙吉(いわたせんきち)氏株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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図表でわかる財務分析 Apple 2025年3Q決算
流動比率は、会社の短期的な支払い能力、いわば「お財布の余裕」を見る指標です。アマゾン(Amazon)の流動比率(流動資産 ÷ 流動負債)は2022年(FY22)には94.46%と100%を割り込みました。短期的な資金繰りが厳しい状態になりましたが、業績の回復に伴って、2023年(FY23)以降は100%以上を回復・維持しています。アマゾン(Amazon)は顧客から先に現金を受け取り、仕入れ先への支払いを後回しにするビジネスモデル(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)です。いわゆる「キャッシュリッチな状態が先行する」という「強み」があるので、流動比率が100%前後でも大きな問題になりません。
だが、2Q以降、営業利益が漸減しているところは少し気になる。要するに売り上げと利益が反比例するかのように推移しているのだ。常識的には、サプライチェーンの毀損によって、部品や原材料の調達価格が上がっていることが原因だと考えられる。ただし、それでも20年3月期の利益率の並びよりいい。ここも不可解である。
ノッチデザインのスマートフォンが発売された、2017年第4四半期から2018年第2四半期までのデザインや形別に平均DAを分析してみると、従来のスマートフォン(ノッチデザインを除く)に比べてノッチデザインのDAは約9%、ポップアップ型カメラのDAは17%で、大きくなったことが分かる。前面カメラをポップアップ型に転換することで、90%以上のDAを実現することができたのである。
エヌビディア(NVIDIA)の2025年1月期決算を財務諸表から詳しく分析。急成長を遂げる半導体企業の実態に迫ります。
営業CFは本業であるEコマース事業やクラウドサービスのAWSで稼いだ現金のことです。営業CFが大きくなればなるほど優秀ということです。アマゾン(Amazon)の営業CFは、2021年(FY21)が46,327百万ドル、2022年(FY22)46,752百万ドル)と足踏みしていましたが、FY2023には84,946百万ドル、FY2024には115,877百万ドルへと急増しています。 2025年(FY25)に入ってからも、上半期(1Qと2Q)の合計は49,530百万ドル(17,015百万ドル + 32,515百万ドル)の現金を稼いでいます。これは2024年(FY24)通期実績の115,877百万ドルに対して42.7%の進捗率です。アマゾン(Amazon)の営業CFは下半期(3Qと4Q)の特に4Qに集中する傾向があるため、2025年(FY25)のペースは順調で、本業の収益性改善が、見せかけではなく、”本物”の現金を増加させています。
アマゾン(Amazon)が保有する現金、倉庫、データセンターなど財産の総額である総資産(流動資産+固定資産)は、2021年(FY21)の420,549百万ドルから2025年(FY25)2Qには682,170百万ドルへと一貫して増加しています。特にデータセンターや物流網といった固定資産が、2021年(FY21)の258,969百万ドルから2025年(FY25)2Qの490,750百万ドルへとほぼ倍増しています。これはクラウドサービスの「AWS」とAI開発、そして物流の未来のために巨額投資を続けていることを物語っています。
投資CFは、アマゾン(Amazon)がAI時代の到来に備えて、いかに巨額の投資をしているかを示しています。投資額(マイナス幅)は年々拡大しています。FY2024には94,342百万ドルという巨額支出で大幅なマイナスになっています。 2025年(FY25)に入ってから、このペースはさらに加速してしています。上半期(1Qと2Q)の合計投資額は69,227百万ドル(△29,803百万ドル + △39,424百万ドル)のマイナスです。2024年(FY24)通期実績のマイナス94,342百万ドルの73.4%に当たる投資をわずか半年で実行しています。アマゾン(Amazon)がAI開発とAWSのインフラ整備のために、凄まじい規模の投資を続けていることがわかります。
今日以降も強気相場を維持する場合、目先の焦点はレジスタンスラインとして意識されている6745の突破となろう。6700や6720に続き6745を突破すれば、10月9日の高値6765のトライを想定したい(1時間足チャートを参照)。
続く「減価償却費の減」は少々意味不明である。減価償却とは資産価値のある設備投資をした際に、その価値を会計ルールの年限で減らしていくことで、例えば100万円の機械を購入して、その減価償却期間が5年なら、年間20万円ずつ、資産にカウントされている機械の資産価値が下がっていくということだ。細かいことを言えばパーセンテージで償却する定率法と毎年同額を償却する定額法がある。専門家に突っ込まれたくないので、例に示した定額法だけじゃないよと一応書いておく。
ちなみに、少しややこしいが、「売り上げが増加しつつも利益が減じた」のだが、その減じたはずの利益が20年3月期の並びとの比較では高い理由も考察しなければならない。原材料高騰で利益が落ち込んだのであれば、21年3月期の後半で出費が増え、同期比で低くなるはずである。そういう不思議なことが起きた理由は、前々期に品質関連費用が発生して利益が毀損していたという特殊要因があったことに加え、日本マーケットで1台当たりの単価が上がったことも効いている。まことにややこしい。
2025年3月期1Qのテスラ決算分析: 急成長の反動で減益へ。マスク氏の政治的動向が企業業績に影響か。
自己資本比率(純資産 ÷ 総資産)は、会社の長期的な安定性を見る指標です。総資産のうち返済不要な「純資産」がどれくらいの割合を占めるかを示します。この比率は、2022年(FY22)の31.56%を底に、2025年(FY25)2Qには48.93%へと劇的に改善しています。これは利益の蓄積による純資産の増加で、会社が借金に頼らない安定した経営体質へと前進していることを示しています。
毎度同じことを書いて申しわけないが、この「営業利益増減要因」が、決算の分析で最も重要な資料だ。例によって左の柱が20年3月期の営業利益で右の柱が21年3月期期営業利益。その差、マイナス207億円に着地する過程が示されている。
純資産は会社の総資産から負債を差し引いた、返済不要の「会社自身のお金」です。 アマゾン(Amazon)の純資産は、2022年(FY22)の146,043百万ドルから2025年(FY25)2Qの333,775百万ドルと2倍以上に増加しています。これは2023年(FY23)以降に稼いだ膨大な利益が会社内部にしっかりと蓄積され、財務的な体力が飛躍的に強くなっていることの証明です。
目標株価の範囲が広い(160ドルから310ドル)ことから、アップルの今後の軌道について真の意見の相違があることがわかります。楽観論者はApple Intelligenceが次の成長の波を牽引すると期待していますが、悲観論者は飽和状態と評価額の圧縮に注目しています。


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