
- トルコ中央銀行が利下げ実施 – リラ円相場は横ばい継続
- トルコリラ/円の現状 – スワップ投資家に有利な環境が継続
- トルコ中央銀行の政策方針 – 段階的利下げへ移行
- インフレ動向 – 物価上昇率は緩やかに低下も高水準が継続
- 資金の流れと外貨準備 – トルコリラの上値を阻む「ドル化傾向」が相場の重石に
- 市場は「想定内」と冷静?トルコ中銀の利下げへの反応を分析
- 日米の金融政策がリラ円に与える影響は?円安は続くのか
- 【今後の見通し】トルコリラ/円は動く?3つのシナリオを徹底解説
- 【要チェック】今後の重要イベントカレンダー
- テクニカル分析 – TRY/JPY日足チャートの詳細解説
- チャートの全体像 – 緩やかな上昇トレンドへ転換
- 移動平均線とローソク足の関係 – 短期の買い優位を維持
- RSI(相対力指数)- 上昇バイアスは維持も過熱感はなし
- トレード戦略 – 押し目買いとブレイク狙い
- 結論 – 今は緩やかな上昇トレンドの継続局面
- FX分析 何だかんだでリラ円はしっかり上昇懸念は日銀の介入警戒か トルコリラ見通し
トルコ中央銀行が利下げ実施 – リラ円相場は横ばい継続
2025年10月23日、トルコ中央銀行(TCMB)は政策金利を40.5%から39.5%へ1.0%引き下げました。中央銀行の声明では、物価上昇率が引き続き低下していることを前提に「今後も段階的に利下げを続ける」という方針が示されました。
この発表後、ドル/トルコリラ(USD/TRY)は42前後で小幅な動きにとどまり、結果としてトルコリラ/円(TRY/JPY)も横ばい圏で推移しています。2025年11月4日時点で、USD/TRYは42.07付近、外為どっとコムのTRY/JPY価格は3.64円台となっています。
一方、2025年11月3日に発表された10月の消費者物価指数(CPI)は、前年比で32.87%上昇、前月比では2.55%上昇となり、市場予想をわずかに下回りました。しかし、物価上昇率の低下ペースは緩やかで、根強いインフレ圧力が継続していることが懸念されています。
日本サイドでは、日本銀行が10月末の会合で政策金利を据え置いたことで、円は弱含みが続いており、これがリラ円の下支え要因となっています。日本政府は急激な為替変動への警戒姿勢を維持し、米財務省は日銀に対して段階的な金融引き締めの継続を促す立場を示しています。
トルコリラ/円の現状 – スワップ投資家に有利な環境が継続
トルコリラを円で取引する際、最も重要な要素はドル/トルコリラ(USD/TRY)の動向です。このUSD/TRYは10月末から11月初めにかけて42前後で膠着状態が続き、TRY/JPYは円安傾向と相殺される形で「横ばいからわずかな上昇」という安定的な動きとなりました。
実際の価格水準を見ると、11月4日のUSD/TRYは42.07付近(過去52週間の変動幅は34.09〜42.32)、外為どっとコムのTRY/JPY価格は3.64円台で推移しています。
円サイドでは、日銀が金利を据え置いた直後から円が軟化し、米国の金利見通しの変化もあってドル高・円安が優位となり、これがリラ円の「下支え」を補強しました。
スワップポイント(金利差益)を狙う投資家にとっては、高い政策金利と為替の変動幅縮小が同時に存在する、比較的良好な投資環境が続いています。ただし、この安定は「USD/TRYが落ち着いていること」と「円が上昇しにくい状況」という二つの条件に依存している点には注意が必要です。
トルコ中央銀行の政策方針 – 段階的利下げへ移行
TCMBは10月会合で39.5%への小幅利下げを実施しました。声明では、食料品分野などに残る物価上昇リスクを点検しつつ、物価上昇率の低下傾向が継続するという見立てを維持する内容でした。
カラハン総裁をはじめとする6名の委員による決定で、利下げ幅を縮小することで「段階的な金融緩和」への移行が印象づけられました。次回の金融政策委員会は11月7日(トルコ時間)に決定発表が予定されています。
インフレ動向 – 物価上昇率は緩やかに低下も高水準が継続
2025年11月3日に公表された10月のCPIは前年比32.87%、前月比2.55%でした。項目別では、食料品が前年比34.9%、住居費が前年比50%超の上昇が続くなど、根強いインフレ圧力が残っています。
9月の33.30%からの低下は続いたものの、低下ペースは緩やかで「期待したほどには減速していない」という受け止めも一部にあります。TCMBが利下げ幅を縮小した(前回は1.0ポイント)のも、こうした物価面での粘着性と、国民のインフレ期待をにらんだ慎重な対応と解釈できます。
資金の流れと外貨準備 – トルコリラの上値を阻む「ドル化傾向」が相場の重石に
構造的な問題として、トルコ国内でのドル化傾向、つまり外貨預金への資金シフトが依然としてリラ安の要因となっています。
最新の「週次マネー・銀行統計」(10月24日週)では、国内居住者の外貨預金は2,131.6億ドルに達し、内訳は家計が1,344.8億ドル、法人が786.8億ドルでした。短期的な増減はあるものの、家計部門の外貨預金が高水準で推移する限り、リラ相場が上昇する局面でも「国内からのリラ売り」が相場の上値を抑える力として働きやすい状況は変わりません。
外貨準備高は同週で総額1,855.06億ドル(IMF基準、概ね総資産ベース)でしたが、先物為替取引などを含む短期的な流出に対応する必要があります。準備の「量」に加えて、デリバティブ取引のポジションや短期流出の規模を合わせて見ると、介入余力は「増えてはいるが、安定的に純増しているかは引き続き点検が必要」という評価が妥当です。
市場は「想定内」と冷静?トルコ中銀の利下げへの反応を分析
10月の小幅利下げに対して為替市場は概ね無反応で、むしろ「材料出尽くし」に近い値動きでした。これは、以下の二点が相殺し合った結果と整理できます:
- TCMBが利下げを継続しつつもペースを鈍らせたことで、過度な金融緩和への期待が後退
- 10月CPIが予想を小幅に下回り、足元での物価低下シナリオが辛うじて維持された
もっとも、家計の外貨預金が高止まりし、物価の粘着性が残る以上、「計算上の実質金利がプラスでもリラ買いが続かない」局面は十分起こり得ます。市場は金利の絶対水準よりも、その政策の持続可能性と中央銀行への信認をより厳しく評価しているためです。
日米の金融政策がリラ円に与える影響は?円安は続くのか
10月末の日本銀行の決定会合では金利が据え置かれ、総裁は物価と賃金の見通し次第で年内にも金利引き上げを判断する可能性に言及しました。市場では12月から年明けにかけての小幅利上げ観測が再点灯しましたが、当面は円サイドからの上昇圧力(円高方向)は限定的との見方が優勢です。
日本政府は「一方的で急速な為替変動」への警戒を表明し続けており、必要に応じた対応(市場への牽制発言含む)で変動幅の抑制を図っています。
米財務省は最新の対日報告で、日銀に段階的な金融引き締めの継続を促す立場を示しました。
これらを総合すると、「急激な円高を当局が容認しにくい」うえに「日銀は条件が整うまで大幅利上げに踏み切りにくい」ため、リラ円のスワップ投資環境を大きく損なうリスクは直近では限定的と整理できます。
【今後の見通し】トルコリラ/円は動く?3つのシナリオを徹底解説
直近のトルコリラ関連ニュースは、インフレ率の低下確認とTCMBの小幅利下げという「想定内の材料」が中心で、投資家心理は中立からやや前向きに傾きやすい状況です。
ただし、国内のドル化(外貨預金の高止まり)とインフレの粘着性が、前向き材料を逐次相殺しており、「サプライズなし=相場も動きにくい」地合いが続いています。こうした”期待先行、現実で戻り売り”のパターンは、イベント重視の短期取引が多いトルコ市場の特徴で、次のTCMB会合でも同様のパターンが繰り返されるリスクがあります。
メインシナリオ(確率55%)- 狭いレンジでの推移継続
USD/TRYが41〜43の狭いレンジに留まり、TRY/JPYは3.5〜3.8円での揉み合いが続く見通しです。このシナリオが実現する条件は以下の通り:
- TCMBが利下げ継続でも小幅・漸進的にとどめること
- 10〜11月の物価が想定ライン(前年比32〜34%台)で収まること
- 日銀が今年中は金利を据え置き、円安圧力を言葉で調整する現状維持が続くこと
スワップ狙いの投資家には良好な環境ですが、「上値は追わず、下落時に買う」運用が適しています。
リスクシナリオA(確率25%)- 物価上振れで利下げ停止
国内物価の上振れや期待インフレの再燃でTCMBが利下げ停止または一時的に引き締め姿勢へ転換。USD/TRYは43台を明確に上回り、TRY/JPYは円主導の下支えが効いても伸び悩む展開。
トルコの外貨預金の再増加と外為市場での短期ポジションの膨張が観測されると、トルコ中央銀行の市場介入観測が強まり、短期的な変動幅が拡大します。
リスクシナリオB(確率20%)- 予想外の円高で下押し
日銀の予想外の早期利上げや当局の断固たる円安対応(為替介入など)で円が急反発。ドル/円主導の円高でTRY/JPYは下押し圧力を受ける展開。
米ベッセント財務省の対日スタンスは「引き締め継続を促す」ため、外部環境が円高方向に傾く場合の時間軸は短くなる可能性があります。スワップ収益の見通しが悪化する局面では、建玉の圧縮とレバレッジ調整が有効です。
【要チェック】今後の重要イベントカレンダー
- 11月7日(金):TCMBインフレーションレポート
- 11月6日・13日(木):TCMB「週次外貨準備」「週次マネー・銀行統計」更新予定
※上記はいずれもTCMB公式カレンダーによる
テクニカル分析 – TRY/JPY日足チャートの詳細解説

チャートの全体像 – 緩やかな上昇トレンドへ転換
8~9月の緩やかな下落は、10月中旬の安値(3.51円)でいったん底を打ち、その後は高値・安値ともに切り上げる小さな上昇局面へ転じています。
現在値は3.65~3.67円付近で推移し、10日移動平均線(MA10)は右上がりに転換。ローソク足は概ねMA10の上で推移しており、押し目はMA10付近で買われやすい形に変わっています。
移動平均線とローソク足の関係 – 短期の買い優位を維持
10月後半の反発以降、大きめの陰線が出ても終値ではMA10を割り込みづらく、割り込んでも翌日で素早く回復する状態が続いています。
直近数本も下ヒゲをMA10近辺に残しながら続伸しており、短期の買い優位は維持されています。ただし、実体の伸びはやや鈍く、上ヒゲも目立ち始めており、3.66~3.67円台に小さな上値抵抗帯がある印象です。
高値・安値の推移を見ると:
- 安値側:10月安値3.51円→直近押し安値が3.58~3.60円台に切り上がり
- 高値側:10月後半の戻り高値3.659円を本日3.670円でわずかに上回る
名目上はブレイクですが、まだ”抜け切った”と言い切れるほどの勢いは出ていません。
RSI(相対力指数)- 上昇バイアスは維持も過熱感はなし
RSI(9)は50を明確に上回り、60手前~60台弱で推移しています。上昇バイアスは維持しつつも、70超の過熱状態には達していません。
値幅の割にRSIの上昇が緩やかで、直近高値の更新幅(3.659円→3.670円)に対するRSIの伸びが限定的であることから、軽い”勢いの鈍り”は意識されます。ただし、明確なダイバージェンス(逆行現象)とは言えず、「押し目が入りやすいが、上抜けにはもう少し材料が必要」という状況です。
トレード戦略 – 押し目買いとブレイク狙い
現在の素直な戦略は、「上向きのMA10に沿った押し目拾い+高値帯の様子見→ブレイクフォロー」です。
サポート(下値支持線・押し目の目安):
- 第1水準:MA10(目測で3.63円前後)
- 第2水準:直近の小さな押し目ゾーン 3.60~3.62円
MA10で反発する限りは強気継続。終値で明確にMA10を割り、翌日も戻せない場合は、上昇一服のサインになりやすいです。
レジスタンス(上値抵抗線・利確の目安):
- 第1水準:3.67円(本日付けた小さな戻り高値更新)
- 第2水準:3.70円近辺(心理的な節目・過去レンジ上限帯)
3.67円を終値で乗せ、翌日に”押しが浅い陽線”が続けば、3.70円トライの余地が広がります。逆に3.67円を何度も上ヒゲで止められる場合は、3.63~3.64円までの押し目待ちが無難です。
失速シグナルの目安:
終値でMA10割れ+RSI(9)が50割れに近づく組み合わせ。これが出ると、3.58~3.60円の押し安値に移行する可能性があります。
結論 – 今は緩やかな上昇トレンドの継続局面
短期は”緩やかな上昇トレンドの継続局面”と判断できます。MA10が素直に支え、RSIは過熱ではありません。
3.67円の薄い上値帯をこなせるかが次の焦点で、抜ければ3.70円試し、抜けないならMA10~3.62円付近までの押し目を想定、というシンプルな見立てで臨むのが適切です。
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FX分析 何だかんだでリラ円はしっかり上昇懸念は日銀の介入警戒か トルコリラ見通し
今日、ボットは株式市場だけに限定されておらず、FX市場や、仮想通貨市場でも広く普及しています。
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世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)2018年の株式市場で一番最初に下落したのは新興国の株式である。中国やトルコ、アルゼンチンなどの株式と通貨の暴落については、ここでも報じてきた。
構造的な問題として、トルコ国内でのドル化傾向、つまり外貨預金への資金シフトが依然としてリラ安の要因となっています。
なぜ割安株投資から離れる必要があったのか。バフェットを悩ませたのは何だったのか。
ビッグマックだけではなく、当時欧州では賃金が日本の2倍とか、水のボトルが500円とか、電車の初乗りが1000円など、欧米の物価は目を見張るほど高かった。
中国やトルコ、アルゼンチンなど、新興国の株式や通貨が暴落していたことは、ここでも何度も伝えてきた。しかし大半の見方は、それでも先進国には問題がないというものだっただろう。しかし筆者の見方も、ドラッケンミラー氏の見方も異なる。
直近のトルコリラ関連ニュースは、インフレ率の低下確認とTCMBの小幅利下げという「想定内の材料」が中心で、投資家心理は中立からやや前向きに傾きやすい状況です。
流石に、最近はブラジル・レアル建てアメリカ国債とか、トルコリラ建てなどという投資は素人にも危険だと認識されていますが、金利のワナはそこかしこに隠れています。
トルコの通貨リラに投資するというのは、実はそういうことでもある。
リーマンショックでは多くのファンドが大損害を出し破綻するファンドも続出した為、ロスカットルールが厳しくなり、現在は変動率が高まるとリスク資産を落とす「リスクパリティ戦略」を採用するファンドが多数を占めるようになりました。
株価の上昇に合わせるようにドル円は一気に105円台です。101円台からあっという間の105円台では、FX投資家も混乱していると思います。
ただし、国内のドル化(外貨預金の高止まり)とインフレの粘着性が、前向き材料を逐次相殺しており、「サプライズなし=相場も動きにくい」地合いが続いています。こうした"期待先行、現実で戻り売り"のパターンは、イベント重視の短期取引が多いトルコ市場の特徴で、次のTCMB会合でも同様のパターンが繰り返される可能性があります。


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