マスク氏に最大150兆円報酬 承認
この報酬制度は12段階のトランシェ(階層)構造となっており、最初の段階は時価総額2兆ドル達成から始まります。マスク氏は時価総額の目標だけでなく、運営面でも厳しい条件をクリアしなければなりません。具体的には、テスラ車両2000万台の納車、自動運転タクシー「ロボタクシー」100万台の商用運転開始、AI搭載ヒューマノイドロボット「オプティマス」100万台の配送などが含まれています。
【ニューヨーク共同】米電気自動車(EV)大手テスラは6日、定時株主総会を開き、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する最大...
テスラの取締役会がこのような巨額報酬を提案する背景には、マスク氏のリソースが他の事業に分散することへの懸念があります。マスク氏は宇宙開発のスペースX、AI企業のxAI、脳インプラント技術のニューラリンクなど複数の会社を経営しており、テスラへの集中度に対する株主の不安が高まっています。
マスク氏が新たに取得する株式は7年半の保有義務が課せられ、もし目標を達成できなければ報酬は一切支払われない仕組みとなっています。
【ニューヨーク共同】米議決権行使助言会社グラスルイスは20日、米電気自動車(EV)大手テスラが提案したイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)への最大1兆ドル(約150兆円)規模の報酬案について、株主に反対を推奨した。ロイター通信が伝えた。
マスク氏は今年1月、「AI・ロボティクス分野でテスラをリーダーにするには、約25%の議決権が必要だ。そうでなければテスラ外で製品開発を進める」とX(旧ツイッター)で表明しており、今回の報酬パッケージにより彼の持株比率は25%まで上昇する見込みです。
今年8月には、法的問題が続く中で290億ドル相当の暫定的な報酬パッケージが承認されていました。今回の1兆ドル提案は、これまでの金額を大幅に上回る前例のない規模となっています。
報酬案を巡っては、テスラが11月6日に開く株主総会で承認を求める方針。グラスルイスに先立ち、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も反対を推奨している。
【ニューヨーク=小林泰裕】米電気自動車(EV)大手テスラは6日、年次株主総会を開催し、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)(54)に対する最大1兆ドル(約150兆円)規模の報酬案を承認した。報酬案は業績連動式で、条件をすべて達成すればマスク氏は世界初の「1兆ドル長者」になる見通しだ。
この報酬パッケージの承認には株主総会での投票が必要で、11月6日に予定されています。承認されれば、企業史上最大の経営陣報酬となり、マスク氏のテスラでの長期的なリーダーシップが確保される一方、巨額報酬の是非を巡る議論は今後も続くとみられます。
テスラの株主総会は2018年、マスク氏への560億ドル規模の報酬案を承認したが、一部の株主が取り消しを求めて提訴し、法廷闘争が続いている。
これまでのマスク氏の報酬パッケージを振り返ると、まず2012年に導入された制度では、生産台数と株価の目標達成を条件とした報酬が設定され、この計画によりテスラの時価総額は5年間で17倍以上に成長しました。2018年には総額約560億ドルという当時史上最大の報酬パッケージが承認されましたが、デラウェア州の裁判官により「取締役会が株主に適切な情報を提供しなかった」として無効とされています。
マスク氏の総資産は5日時点で4730億ドル(約72兆円)で世界一位だが、新たな報酬案の承認によってさらに資産額が増加する可能性がある。一方で、一部の株主は「報酬が過大だ」として反対の立場を取っており、その妥当性を巡って法廷闘争に発展するとの見方も出ている。
マスク氏は、テスラ以外にも宇宙開発企業スペースXなど複数の企業を率いる。5月までは「政府効率化省」を率い、7月には新党の結成を表明するなど、政治への関与も強めていた。テスラの取締役会は、マスク氏を政治活動から遠ざけ、テスラの経営に専念させる狙いで巨額の報酬案を提示した。取締役会は、テスラの持続的な成長にはマスク氏のリーダーシップが不可欠だと判断している。
一方で、この提案に対しては厳しい批判も寄せられています。約800万株を保有する投資家グループSOCインベストメント・グループは「現在低迷している売上を立て直すために、マスク氏が十分な時間と注意をテスラに向けることを保証するものではない」と声明で批判しました。


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