「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
＜現状認識＞
・レンジ相場: 154.40円が上値抵抗、153円付近が下値支持
・方向感なし: アセンディングトライアングルの上限が下値支持として機能
・上昇シナリオ: 154.40円を明確に突破すれば155円台が視野
・下落シナリオ: 153円を終値ベースで下抜けると調整の動きが入りやすい
・大局観: 上昇トレンドの途中であり、下値は限定的か
＜テクニカル分析＞
・週足レベル
上値抵抗：下降トレンドライン(昨年高値161.90円台、今年高値158.80円台を結ぶ)
下値支持: 151円前半(週足ベースのアセンディングトライアングル上限)
・4時間足レベル
現在のレンジ: 153円〜154.50円
上値目標:154.40-50円突破で155円、さらに心理的節目を意識しながら上値探索
下値目標:153円割れ → 152.50円 → 152円 → 151.50円 → 151円
重要サポート: 151.50円(ここを割ると安値切り下げで下落圧力増加)
＜米12月利下げ観測＞
・現状: 約7割弱の確率で織り込み(FOMC前は9割)
・FRBメンバーの発言
慎重派の意見:
ダラス連銀総裁: 12月に再び利下げするのは難しい
クリーブランド連銀総裁: FOMC時に利下げ停止を望んでいた
シカゴ連銀総裁: 12月利下げのハードルは過去2回より高い
＜米政府機関閉鎖の影響＞
・過去最長の閉鎖継続中
・経済指標(雇用統計、CPI、小売、PPI等)が発表延期
・空港管制官不足による主要空港の減便命令
・感謝祭(11月)前の繁忙期への懸念
・Q4 GDPへの影響拡大の可能性
＜日本12月利上げ観測＞
・現状: 5分5分(50%程度)
・実質賃金: 9月連続マイナス
・名目賃金: 1.9%増(45ヶ月連続プラス)
・植田総裁: もう少しデータを見たいとの姿勢
・政府の動向
・城内経済相: 日銀には政府と緊密に連携し適切な金融政策運営を期待
・維新、藤田共同代表: 日銀がすぐに金利を引き上げることは政策に矛盾したメッセージを送ることになる
＜結論＞
ドル円は154.40円と153円程度のレンジで方向感を欠く展開。154.40円を明確に突破すれば155円台を目指す可能性がある一方、153円を明確に割り込めば151.50円程度までの調整も想定される。
ただし、大局的には円安トレンドが継続しており、下値は限定的と見られる。
米国側は政府機関閉鎖の解除が焦点で、解除されればドル買いの可能性も。また、日銀の12月利上げを巡り来週は日銀関連イベント(主な意見公表、中川審議委員講演)にも注目。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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