
本日のロンドン為替市場では、米国発のリスクセンチメントの強弱を見極めながらの値動きか。過去最長期間を更新していた米政府機関の一部閉鎖だが、先週末から解消に向けた動きが見られてきた。米国では機関閉鎖による経済停滞や経済データ公表の遅れが懸念されてきたものの、このまま先行き不透明感が払拭されるようであれば、再びリスクを積極的に取りやすくなるだろう。本日は欧州発の材料が乏しいため、欧州時間でも米長期金利や米株先物が市場をリードすることになるだろう。
経済指標では、ノルウェーから10月消費者物価指数(CPI)が発表され、前年比は3.1%と前回から0.5ポイント減速の見込み。予想通りであれば6月以来の低い水準だが、年初の2%台前半から比べるとインフレ高止まりとも言える。ノルゲバンク(ノルウェー中銀)の次回会合は12月18日であり、その前に最新のインフレ率・11月CPIが明らかになる。そのため、今回のデータがノルウェー・クローネ相場に与えるインパクトはそれほど大きくないだろう。しかしながら、もし3%を割り込むようであれば、センチメントの変化につながりそうだ。
ほか、英国からはロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁の講演が予定されている。同副総裁は、先週の金融政策委員会(MPC)で決定された「政策金利4%で据え置き」を支持した1人。同じく据え置き支持のベイリーBOE総裁がハト派的な見解を示しているため、次回12月MPCでは利下げを見込む向きが増えている。そういった中で、8月の利下げには反対したロンバルデリ氏の金融スタンスに注目が集まる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス2の1.1623ドル
・ポンドドル、10月30日安値1.3219ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.1491ドル
・ポンドドル、4・5日安値1.3010ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し ロンドン為替見通し米国発のリスクセンチメントを見極め BOE副総裁の発言にも注目
また、イングランド銀行(英中銀、BOE)は6日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を市場予想通りに4.00%で据え置いたことを発表。ただ、MPC委員9人中4人が3.75%への引き下げを主張したことが明らかとなった。議事要旨ではインフレがピークに達したと指摘し、依然として金利は緩やかな低下傾向にあるとのガイダンスが示された。12月利下げの可能性が高まったことはポンドの上値を抑える要因となりそうだ。


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