2回収穫でコメを安く 農家の挑戦

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2回収穫でコメを安く 農家の挑戦
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2回収穫でコメを安く 農家の挑戦

その後、復興のために農家の有志グループがコメの試験栽培や、コメに代わる作物の栽培実験に挑んできた。今は、油を搾って利用する菜種の畑が年々増えている。だが原発事故を境に、風評や長期のブランクからコメ作りをやめる住民も多い。

「日本も低コストのコメ作りはできるはずだが、今までできなかった。農家が多すぎた。(農地が)細分化されて、みんなが手間暇かけているが、どんどんそのシステムが崩れてきて、さらに離農が進む。でもこれって、本当に悪いことなのか? 我々のところに農地が集積すれば、低コストで安定供給できるので、消費者も適正価格でコメが買える。農家がこういう発言をするとみんな怒ると思うが、こういう話をしていかないとダメ」(徳本さん)。

南相馬市は原発事故後、市内でのコメ作付けを全面自粛したが、2014年、前年の実証栽培解禁に続いて本格的な「作付け再開」を宣言した。しかし、被災地産米への根強い風評などから再開を希望する農家は少なく、市と地元農協は全量を飼料米として販売し、収入を確保する施策で協働。以来、同市内で栽培されるコメの大半が飼料米として出荷されている(南相馬市によると、今年の市内の作付面積は原発事故前の約4割の2200ヘクタールで、8割が飼料米)。

5月5日。徳本さんと近所の農家たちは、地域の田んぼに水を引くため、水路掃除を始めた。農家の高齢化が進むなか、若い徳本さんへの期待は増すばかり。「我々は非常に助かっている。彼が入らずに昔ながらのやり方でやっていたら、この辺はみんな耕作放棄地になっていたのではないか。私が動けなくなったら、彼に全部任せるしかない」と話す農家の人も。徳本さんも、地域の将来に不安を感じていた。5年前、約85万⼈いたコメ農家は、2040年には約30万⼈に減少するという予測もある。(出所:全国米穀販売事業共済共同連合)。

米農家としてはちゃんとしたお米を 安心しておいしく食べてもらいたい という想いで作っています。だからこそ、あまりに高すぎるのは困る。

「原発事故の風評が織り込まれた」と飯舘村の農家の多くが憤ったが、やがて諦めの中で営農再開意欲を失った。ところが東北の2017年産米は様変わりしたように値上がりした。農水省が補助を行う飼料米の栽培が増えてコメ余りが緩和されたうえ、外食産業の需要も高まったからだ。福島のコメはやっと暴落分を取りもどしたが、他県は一歩先んじて、高値のコメで競争している。

直播とは、もみをそのまま水田にまく方法のこと。コメ作りの主流は田植えだが、苗をハウスで育てたり、農協から買ったりするのはコストが高くつく。震災・原発事故後の人手不足もあり、米価の安さで他地域に比べハンデのある浜通りで、稲作を再開した農家に直播は広まっている。

これまでも 米農家として生き残るために「直接、食べていただける方とつながることが必要」と考えていました。

「ウチの米は、有名メーカーのお餅や、コンビニ等でも人気のアイスクリームを包むお餅の原料に使われています。高品質のもち米には、需要があります。メーカー(米問屋)は、高品質のもち米を安定的に確保したい。私には、それを可能にする栽培技術がある。だから問屋さんが快く価格交渉に応じてくれました。米農家は儲からない、ではなく方法を知らないだけ、探せば良いのです」。

世の中の流れを指をくわえて見ていても、よくなる保証はありません。だからこそ、小さなイチ農家でもできることをやっていこうと思います。

徳本さんがコメ作りを始めたのは6年前。毎年農地を広げていき、今や約100ヘクタール、東京ドーム21個分を管理している。「米価は1〜2年すごく高いと騒がれているが、ずっと安かった。ほとんどの農家が利益を出していなかったし、赤字でもやっていた。高齢化でやめていく人が増えて、そういう田んぼをうちが預かって、面積が急拡大している状況」。

一つの苗から2回の刈り入れを行う「再生二期作」と呼ばれる農法だ。 通常の二期作は、一度目の刈り取ったあと、土を掘り起こし、水を張り、土を細かく砕き、新しい苗を植える。その苗が育ったところで二度目の刈り取りをする、という流れだ。 イネは多年生の植物で、刈り取った後の切り株をそのまま残しておけば、新しい芽が出て成長する。再生二期作は一度目の収穫で終わらせず、一度目の切り株から「再生」してきた芽を成長させ、二度目の収穫をするというものだ。 「いま全国各地で行われていますが、水戸でもやってみたらできた。まだテスト段階で、試行錯誤しながら取り組んでいます」 再生二期作では、特別な作業はあまりない。田植え、肥料やり、水管理などは、通常の一期作と同じ。刈り入れだけ、コンバインで刈る高さを上げるなどしておけばいい。二期作目は追肥をするくらいで、あとは2回目の穂が実るのを待つだけだ。

さらなる問題は、除染作業の後遺症だ。農家は代々、滋味豊かで軟らかい耕土をはぐくんできたが、それを根こそぎはぎ取られた上、その下の耕盤層を重機の作業で踏み固められた。

代表の村上和之さんは「米農家は儲からない、っていうのは思い違いですよ。儲かる方法を考え見つければ良いのです。ウチは私が経営を引き継いで以降、ほとんど毎年、過去最高益を更新しています。転用作物はほぼ手を出しておらず、米だけです」と胸を張る。

しかし奥村さんは、「『コシヒカリ』を、売れるコメとしてもっと作りたい」と言う。国内のコメ余りは解消しつつあり、たとえ被災地支援の要素があったとしても、国が飼料米増産に巨額の補助金をいつまでも出し続ける保証はどこにもない。「国の政策など先は分からない。『いいコメ』の価値観とは違う飼料米作りに甘んじていたら、農家本来の意欲は薄れる。今は苦境を食いつなぐコメ作りだが、再び『食べるコメ』を消費者に売れるようにならなくては」(奥村さん)。篤農家としての屈辱と誇りが、声となった。

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