カプセルトイ輸入60年 専門店増加
「ガチャガチャ」「ガチャポン」「ガシャポン」「ガチャ」「ガシャココ」と、地域や年代によってさまざまな呼び方をされるカプセルトイ。あなたはどの呼び方がしっくりくるでしょうか。
1)20代から30代女性の2人に1人(52.9%)が、大人になってからカプセルトイを購入したことがあると回答。大人になってからカプセルトイを購入したことがある30代男性は、昨年の調査から+9.6%と大きく増加。全国の20歳以上の男女(4,597名)に、カプセルトイの購入経験を聞いたところ、大人になってからカプセルトイを購入している人の割合は35.6%となった。
多くの人が、きっと一度は遊んだことのある「カプセルトイ」。ハンドルを回すと中の玩具がランダムに出てくることから「ガチャガチャ」とも呼ばれ、子どもたちを中心に親しまれてきました。かつてはスーパーやゲームセンターの一角などにひっそりと置かれているのが定番でしたが、最近では駅構内に大量設置されていたり、時にはカプセルトイだけを数百台集めた「専門店」が続々出店したりしています。そもそもカプセルトイにはどのような歴史があり、なぜここまで広がってきたのでしょうか。やさしく解説します。
カプセル楽局は、2022年から展開。都内を中心に、駅前や商店街などに出店し、9月末時点で50店舗となった。運営するゲオアミューズメント(愛知)社長の山崎栄司さんによると、20代以上の女性の来店が目立っており、「有名なキャラクターのグッズは特に女性に人気」と話す。メーカー各社が発売前から情報を積極的にSNSで発信しており、特定の商品を目当てに開店前から行列ができることもあるという。
小売業の歴史を振り返ると、革新は常に地方から起こります。カプセルトイ業界と、新たなSPA(製造小売り)企業の今後に注目したいと思います。
3)カプセルトイの魅力は男女ともに「クオリティの高さ(53.6%)」が最多。大人になってからカプセルトイを購入している人(560名)に、カプセルトイの魅力を聞いたところ、「クオリティの高さ(53.6%)」が最も多く、男女別でみても、男性回答55.3%、女性回答51.8%とどちらも最多となった。昨年の調査においては、女性回答の中で「クオリティの高さ」は「何が出るかわからないドキドキ感」に次ぐ2位だった。カプセルトイのクオリティの進化を実感している人も多いのではないだろうか。
5)大人になってからカプセルトイを購入している人の8割以上がカプセルトイ専門店を利用したことがある、または知っていると回答。大人になってからカプセルトイを購入している人(560名)に、カプセルトイ専門店の利用経験を聞いたところ、全体の53.2%が「カプセルトイ専門店を利用したことがある」と回答した。中でも20代の男性・女性は7割近くの人がカプセルトイ専門店を利用したことがあるという結果となった。
このほかにも、有名キャラクターが寝ていたり、すしのネタを背負っていたりするフィギュアもあり、探せば探すほどユニークな商品に出会うことができる。日本カプセルトイ協会によると、毎月約700種類の新商品が出ているという。
日本経済新聞によると、「トーシンの売上高のうち、独自商品の割合は現在1〜2%。宮本社長は『10%ほどに高められれば』と語る。カプセルトイは月に500〜600種の新商品が生まれる。トーシンの商品開発部では現在、月10種ほどを商品化しているが、将来は同50種ほどを開発したい考えだ」といいます。
カプセルトイ商品を製造する「タカラトミーアーツ」(東京)によると、カプセルトイは米国で生まれ、日本には1965年に輸入された。駄菓子店の店先などに設置されることが多く、子どもたちの心をつかんだ。
何が出るかわからないカプセルトイの「わくわく感」に記者も魅了されている。ある漫画キャラクターのカプセルトイを回したところ、4回連続で同じフィギュアが出たことがある。そのフィギュアは目当てではなかったが、何度も手元に来ると、それを運命と感じるのは私だけだろうか。新たな縁が生まれる楽しみがあるように思う。
また、近年増加しているカプセルトイ専門店の認知度は8割を超えていることが分かった。カプセルトイ購入経験者の5割以上の人が専門店を利用したことがあると回答しており、カプセルトイ専門店の増加がカプセルトイ市場の拡大に貢献していることが推測される。
かつては「子ども向け」の側面が強かったカプセルトイですが、次第にコレクション要素の強い景品が主流になってきたことなどから、そのターゲットは大人に移り変わりつつあります。
新しく作られた専門店は明るく清潔感があり、女性でも気軽に入りやすい。玩具卸大手「ハピネット」(東京)が全国の男女770人(15歳未満や60歳以上を含む)に今年実施した調査によると、5割以上が「カプセルトイ専門店を利用したことがある」と回答し、利用者は子どもだけでなく、大人へと広がる様子がうかがえる。
こうなると、気になるのが在庫です。日本カプセルトイ協会によると、「設置台数が増加したことに伴いカプセル自販機内に在庫として滞留している商品やベンダー会社の在庫となる商品が10%ほどあるとみられるため販売ベースでは1000億円ほどではないか」と見ています。主要製造国である中国の人件費の高まり、円安や原材料の高騰を受け、今後は企業の優勝劣敗が進むでしょう。


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