万博チケ売れ残り 販売会社が提訴

大阪・関西万博の開幕まで３か月を切る中、前売り入場券の販売が目標の半分の７００万枚台で頭打ちとなっている。企業頼みで個人購入が伸びていない状況が浮き彫りになっており、日本国際博覧会協会（万博協会）などは打開策を模索している。

万博協会は、会期中に延べ２８２０万人が来場すると見込み、前売りを含めて２３００万枚の入場券販売を目指す。経済産業省によると、その８割（１８４０万枚程度）が売れなければ１１６０億円の運営費が賄えず、赤字になる恐れがある。

販売不振の一因は、「万博の中身」が見えないことだ。

日本国際博覧会協会（万博協会）から大阪・関西万博の入場チケットの販売業務を引き受けたタクシー会社「ユニオン」（京都市）が、９月に来場予約枠が埋まったことでチケットが売れ残ったとして、万博協会を相手取り、未使用の１日券１０枚分、計７万５０００円の返金を求めて京都簡裁に提訴したことがわかった。１０月１日付。

予約枠埋まり万博チケット売れ残り、返金求め提訴…販売会社「仕組みに不備があるためだ」

万博協会は「自身の都合」という言葉を持ち出すことで、問題の本質をすり替えています。本来は 販売総数と予約枠の不一致＝制度設計ミス が原因。それを「協会がそう言っている」とぼかし、消費者に責任を転嫁しているのです。

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万博協会が引き合いに出した「チケット協会」は、公的権限を持つ組織ではありません。一般社団法人であり、業界団体として「チケット流通の慣習」を示す存在に過ぎません。

大阪・関西万博で浮上した「死に券」問題。チケットを持っているのに予約が取れず入場できない人が続出し、少なくとも113万枚、総額にして85億円規模のチケットが“紙切れ”となる可能性が指摘されています。

大阪万博の「死に券」問題は、チケットのトラブルを超えて、日本的な意思決定の病理を映し出しています。

協会が説明したのはおそらく「通常、消費者都合では払い戻しを行わない」という一般論。それを万博協会が切り取り、「死に券も同じ」と強調した可能性が高いのです。

しかし万博協会は「払い戻しは行わない」と表明。その根拠として「通常は自身の都合によるキャンセルは返金しない」と説明しました。

入場券の販売は２０２３年１１月末に始まった。半年間の会期中に１回入場できる「早割１日券」（大人６７００円）などがある。

前売り目標１４００万枚に対し、今月２２日現在の販売実績は、７６２万枚。昨年１０月から３か月以上、７００万枚台が続く。企業販売分として経済界に割り当てられた７００万枚の大半が売れ、息切れしている。

万博協会の十倉雅和会長（経団連会長）は昨年末の記者会見で、「パビリオンやイベントの予約を受け付ける１月１３日からが勝負だ。（目標達成の）自信はある」と述べていた。しかし、直近１週間（１月１６～２２日）の販売実績は５万４３８１枚と、前週の４万９６３３枚と大きく変わっていない。