
メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年11月14日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
南アフリカランド/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の南アフリカランド/円は7年ぶり高値を更新
先週は南アフリカ中銀の金融政策に関する大きな発表がありました。同国のゴトングワーナ財務相は12日、インフレ目標を従来の「3~6%」から「2~4%(3%±1%ポイント)」に引き下げると発表。これにより、時間の経過とともにインフレ期待が低下し、金利引き下げ余地が生まれると説明しました。ただ、南アフリカの9月インフレ率は3.4%ですから、従来の目標ではレンジ下限に近い水準でしたが、新目標ならレンジ上限の方に近い水準となります。したがって、短期的には中銀の利下げ余地が小さくなると考えられます。これを受けてランド/円は9.114円前後まで上昇。2018年2月以来7年9カ月ぶりの高値を付けました。なお、高市政権下で日銀が利上げしにくくなるとの思惑で円が下落する中、ランド/円は週初の8.859円前後から約2.9%の大幅高となりました。週末14日の東京市場でも高値圏の9.041~9.091円前後で推移しています。
今週の南アフリカランド/円の注目ポイントは南ア中銀とCPI
今週20日に、南アフリカ中銀が政策金利を発表します。市場は6.75%への利下げを見込んでいるものの、インフレ目標の引き下げを受けて7.00%に据え置く可能性も小さくないとして見方が分かれています。まずは利下げの有無に注目ですが、いずれにしても声明で今後の政策スタンスをどのように説明するのかが焦点でしょう。なお、中銀の金利発表前日の19日には10月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想によると9月の前年比+3.4%から+3.7%に伸びが加速する見通しです。10月CPIの結果が翌日の中銀の利下げを巡る判断にも影響する公算が大きいことから、市場の注目が集まるでしょう。場合によっては、翌日の金融政策発表よりもランド相場の反応が大ききくなる可能性さえありそうです。
今週の南アフリカランド/円の見通し
予想レンジ
8.900~9.2000円
基調
底堅い
今週の注目ポイント
☆11/19 南ア10月CPI
☆11/20 南ア中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
南アフリカランド/円(ZAR/JPY) FX為替レート・チャート
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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高金利通貨として人気の高い「南アフリカランド」
下値不安が消えてくると、高金利通貨の南アフリカランドが再び注目されるかもしれません。少しずつ買いを検討する時期と言えそうです。
南アフリカ共和国は政策金利が高く、南アフリカランドは「高金利通貨」なのが特徴です。金やダイヤモンドの価格から影響を受けやすい通貨でもあります。ドルやユーロといった通貨よりも取引量が少なく、流動性は低めです。
・今後の見通し引き続き新型コロナウイルスの影響を注視する必要があるでしょう。南アフリカ準備銀行が追加利下げに踏み切るような場合は、さらなる値下がりも考えられます。ワクチンの開発などで世界の経済活動が回復し、貿易が活発になるという見通しが出てくると、南アフリカランドの値上がりも期待できるということになるでしょう。利上げも現実味を帯びてきます。
南アフリカランドへの投資は、楽天証券の楽天FXで始めることができます。南アフリカランド/円が7円付近であれば、取引単位は1,000通貨単位なので、レバレッジが1倍のコースを選ぶと7,000円ほどから投資可能です。証拠金の25倍の取引ができるスタンダード25倍コースであれば、280円ほどで始められます。長期的にスワップを受け取りたいということであれば、レバレッジは低めにしておくほうが安全です。南アフリカランド/円(ZAR/JPY)のチャートやニュースをチェックしながら投資のタイミングを決めましょう。
高金利通貨として人気の高い「南アフリカランド」。FXを利用して投資すると、日本円との金利差が大きく、スワップを受け取ることができます。ここではコロナや米大統領選挙の影響を予想しながら、投資のタイミングを解説しています。
高いスワップを受け取れることで人気の高金利通貨。大きく値を下げたときは、投資のチャンスとも言えます。そこで過去10年間における南アフリカランドの値動きを確認し、現在の水準がどういった位置にあるのか考えたいと思います。
日本円と比べたときの「金利の高さ」。これが南アフリカランドに投資するメリットとなります。日本と南アフリカ共和国における、政策金利を比較してみましょう。2020年12月の状況をみると、日本の政策金利が-0.10%なのに対して、南アフリカ共和国では3.50%と大きな差があることがわかります。南アフリカ共和国の3.50%という数字は、2020年に政策金利を引き下げた後の数字。2020年1月までは6.25%という高さでした。この金利の高さがメリットとなるのです。
FXを利用すると、海外の通貨を売買することができます。この際、取引する通貨ペアの金利差によって、「スワップ」を受け取れることがあります。基本的に金利の高い方の通貨を買うと、スワップの受取が可能です。逆に金利高い通貨を売ると、スワップを支払うことになります。たとえば日本円で南アフリカランドを買うという場合。ランド/円(ZAR/JPY)の通貨ペアで、買いを実行するとしましょう。金利が高い南アフリカランドを買うことになるので、スワップを受け取ることができます。
・南アフリカランドの特徴南アフリカ共和国の通貨は、南アフリカランド。FX(外国為替証拠金取引)などでは「ZAR」という記号で表示されます。日本円との交換レートは、ランド/円 (ZAR/JPY)というように表示されます。2020年末のレートを見ると、1ランドは7.03円ほどです。


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