
今週のNY市場はエヌビディアの決算発表に注目。
先週はダウ平均が160.38ドル高(+0.34%)、S&P500も0.08%高と反発した一方、ナスダック総合は0.45%安と続落となった。つなぎ予算が成立し、政府機関の一部閉鎖が解除されたことが好感されたが、バリュエーションの高さへの懸念が強まったエヌビディアなどのAI関連株の下落が相場の重しとなった。前週に時価総額が5兆ドルを上回り、S&P500の時価総額の約8%を占めるエヌビディアの株価は週明けに5.79%高でスタートしたが、木曜日には週初来で0.69%安まで反落し、週間では1.07%高で終了。乱高下の1週間となった。
今週はAIラリーの持続性を巡り、水曜引け後に発表されるエヌビディアの決算に注目が集まる。エヌビディア自身の決算は大幅な増収増益が見込まれているものの、決算実績やガイダンスなどを受けたその他のAI関連株の動向が注目。
経済指標では11月NY連銀製造業業況指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、10月中古住宅販売件数、11月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、11月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値が発表される。ほか、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、ウォラーFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁など、FRB高官の講演などが多数予定され、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標は11月NY連銀製造業業況指数など。主要な企業の決算発表はなし。
(執筆:11月17日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
しかし借り入れコストの先行きといった見通しは不透明だ
米国議会下院にて11月12日に2026年度のつなぎ予算が可決され、所定の手続きを経て成立した。週初からその見通しに沿って米連邦政府機関の閉鎖解除を好感し、中断されていた主要経済指標の発表再開によりFRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断もしやすくなることを期待し、米株式市場ではダウ30種平均が週前半には連日で最高値を更新していた。一方で、AI関連のビッグテック株を中心に売りが続くなど業種別の温度差も目立っていた。しかし前提となっていたのは、複数の民間部門がそれまでに発表していた米労働市場のデータの減速を手掛かりにした、FRBによる12月の利下げ継続見通しだった。
さらに今週(11月17日週)も多数のFRB高官の発言機会が予定されている。12月の利下げ見通しを探るうえで市場の関心度は高い。NY地区連銀のウィリアムズ総裁の講演は今週3回予定されているが、特に11月20日(木)の9月米雇用統計発表後となる11月21日(金)の講演での発言に注目したい。他には11月20日のシカゴ地区連銀グールズビー総裁(2025年投票権あり)、11月21日(金)のダラス地区連銀ローガン総裁(2026年投票権あり)の発言内容に注目したい。また11月19日(水)には10月のFOMC議事要旨が公開される。
株式市場では4月のメルトダウン以降、利下げ見通しが企業業績を押し上げ人工知能(AI)ブームを助長するとの期待で、急激に持ち直してきた。高い株価バリュエーションに目をつむり、上値を追い続けたトレーダーは多い。
<今週の動きと週間見通し> 米政府機関の閉鎖解除で米経済指標に注目、エヌビディアの決算も 10−13日の米国株式市場で、NYダウは上昇した。10日は、前日に米上院がつなぎ予算を採決するための動議を可決したことで米政府機関の一部閉鎖の解除に向けて前進したとの見方が買いを誘った。夜には米上院が予算案を可決。これを受け、11日は主力株を中心に買いが優勢となり、12日は米下院でのつなぎ予算案の採決を前に買いが先行した。その後、米下院での可決とトランプ米大統領の署名によりつなぎ予算が成立したが、13日は複数のFRB(米連邦準備制度理事会)高官から利下げに慎重な姿勢が示されたこともあり、高値警戒感が意識されて売りが優勢となった。 米政府機関の閉鎖解除により、米雇用統計や米CPI(消費者物価指数)などの重要経済指標も集計が済み次第、発表されるとみられており、これらを確認していくことになるだろう。現時点では米9月雇用統計が近く発表されるほか、米10月雇用統計は失業率を除いて発表される見通し。ただ、米10月CPIは発表されない可能性が高い。当面はこれらがいつ発表されるか注意深く見守りたい。 このほか、来週(17−21日)は19日のエヌビディア<NVDA>の決算などが注目される。人気化しているAI関連の筆頭でもあり、良好な決算内容であればハイテク株全体に買いが広がりそうだ。ただ、エヌビディアに対する期待は高い。株価は高値圏で推移していることから、決算が市場予想を下回って失望売りを浴びるようなら投資家心理が冷え込む恐れもある点は注意だ。
ただし、その騰勢も11月13日のNYの時間帯に至るまでには一巡し、NY時間には一転売り優勢に転じた。先週(11月10日週)は政府関連のデータ発表がない中で、多くのFRB高官の発言機会があり、11月13日には12月利下げに対し慎重な見通しがいくつか伝えられたことが要因とみられる。
利下げが見送られた場合は、リスク資産が売られ、その反応で米国債に逃避の買いが入るシナリオも、トレーダーらは留意している。金利低下の見通しはこの数カ月、株価指数を過去最高値に押し上げてきた。大型ハイテク企業のバリュエーションに対し、投資家やウォール街幹部から警告が出されている。
大型ハイテク企業の決算は総じて予想通り、あるいはそれ以上だった。しかし借り入れコストの先行きといった見通しは不透明だ。エヌビディアは19日に決算を発表する。オプション市場では発表後の株価が上下いずれの方向にも6.2%動く可能性が織り込まれている。


コメント