
20日の香港市場は反発か。人工知能(AI)への過剰投資を巡って懸念が強まるなか、米半導体大手のエヌビディアがNY市場の引け後に発表した25年8-10月決算は売上高と純利益がともに市場予想を上回り、四半期ベースで過去最高を更新したほか、25年11月-26年2月期の売上高見通しも市場予想を上回った。時間外取引でエヌビディアの株価が上昇しており、香港市場にもAI関連株に買いが波及する可能性がある。
もっとも、米追加利下げ期待の後退が重荷になりそうだ。19日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で12月の利下げについて慎重な見方が示された。また、米労働省が19日に米雇用統計の公表予定を見直し、11月分を当初の12月5日から同16日に変えた。12月9-10日のFOMC後となり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げの先送りにつながる可能性があるとみられている。
19日のNY市場でダウ平均は5営業日ぶりに反発。ハイテク株比率のナスダック総合指数は3営業日ぶりに反発した。一方、同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型ネット株の美団(03690)、テンセント(00700)、アリババ集団(09988)、国際金融株のHSBC(00005)がそろって香港終値を下回って引けた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 20日香港株反発か エヌビディアの好決算でAI関連に買い波及の可能性
エヌビディアの力強い業績と心強い見通しは、AI株のバリュエーション(株価評価)やAI関連契約の資金還流的性質、目に見える成果を伴わないAIインフラへの巨額投資に不安を募らせる投資家を一時的に安堵(あんど)させるかもしれない。こうした懸念がテック株や広く株式市場を動揺させ、18日の米株市場でS&P500種指数は4日続落した。
次の成長段階のけん引役と見込まれるAI用GPU(画像処理半導体)「ブラックウェル」シリーズについて、投資家は強い数字を期待することだろう。利益率の上昇も重要であり、特に5-7月(第2四半期)の収入の約9割を占めたデータセンターが焦点となる。ただAI関連株ではよくある話だが、ウォール街の評価は将来の見通し次第となる公算が大きい。
オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジェイク・セルツ氏は「かなり堅調な数字を予想している」としながらも、次の四半期のガイダンス(業績見通し)を注視する構えだ。少なくとも売上高は市場予想のコンセンサスを上回る可能性が高いが、「控えめなガイダンスを示すかどうか予測は難しい」という。
このうち、業種別で最も多かったのがハイテク関連の「電気機器」で5銘柄でした。パワー半導体などの売り上げが好調な富士電機が2位に入ったほか、半導体製造装置大手のSCREENホールディングス(スクリーン)、東京エレクトロン、半導体検査装置大手のアドバンテストも大きく値上がりしました。川崎重工業や三菱重工業、時価総額首位のトヨタ自動車など輸出関連銘柄も上位に入りました。上昇率1位になったフジクラをはじめ、直近決算が好調だったことを受け、通期業績見通しを上方修正する企業が相次ぎました。
日本経済新聞によれば、日経平均を構成する225社の来期(2025年3月期、3月期決算以外の24年度も含む)のEPSのアナリスト予想平均(QUICKコンセンサス)を積み上げると10%伸びる見通しとなっています。


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