死角がないように見えるNVIDIAだが リスクはゼロではない
当期純利益は税金などを支払った後に最終的に会社に残る利益のことです。通期ベースのデータで、エヌビディア(NVIDIA)の当期純利益を見てみましょう。営業利益同様に凄まじい成長を遂げています。2022年(FY22)の4,368百万ドルから、2023年(FY23)は対前年比581.3%増の29,760百万ドル、2024年(FY24)は、対前年比144.9%増の72,880百万ドルと、爆発的に純利益を増加させています。
これは市場がエヌビディア(NVIDIA)の帳簿に記載された工場設備などの資産価値をはるかに超えて、「圧倒的な技術力」「AI市場での独占的な地位」そして「将来の成長性」といった「目に見えない価値」を、株価に織り込んでいるからです。
EPSは「株主が持つ1株に対して、会社がいくら利益を生み出したか」を示す指標です。当期利益を株式数で割ります。この金額が高ければ高いほど、株主価値は高まります。 通期ベースのデータを見ると、エヌビディア(NVIDIA)のEPSは2022年(FY22)の0.17ドルから、2024年(FY24)の2.94ドルへと、当期純利益の爆発的な増加を反映して急上昇しています。
死角がないように見えるNVIDIAだが、リスクはゼロではない。
また、四半期ベースのグラフをみても、利益成長が続く中で、2025年(FY25)1Qを除いて、PERは50倍前後で推移しています。これは株価が大きく上昇していても、それ以上に利益の成長スピードが速いため、以前に比べて株価の割高感が薄れてきているからです。ただ、市場がエヌビディア(NVIDIA)の将来に対して、高い期待を寄せていることに、変わりはありません。
エヌビディアは例年、3月に大規模カンファレンス「NVIDIA GTC(GPU Technology Conference)」を開催しています。今年は3月17日から21日に行われる予定です。ブラックウェルも、2024年のGTCで発表されました。新技術や新商品などの発表があるとしたら、GTCで行われるとみられます。今年のGTCで何が発表されるかに、引き続き注目したいと思います。


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