【市場概況】東京為替見通し=ドル円、10月CPIと貿易収支、経済対策、介入の可能性に要注目か

【市場概況】東京為替見通し=ドル円、10月CPIと貿易収支、経済対策、介入の可能性に要注目か

20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、高市政権の下での財政悪化懸念から、157.89円まで上昇した。ユーロドルは1.1504ドルから1.1550ドルまで上昇した。ユーロ円は182.01円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、10月の全国消費者物価指数(CPI)や貿易収支を見極めた後は、高市政権の経済対策を確認する展開となる。

 政府は、本日経済対策を閣議決定する予定となっているが、17兆円超となる見通しが報じられている。

 最近の債券や為替市場は、日本の財政悪化懸念から、債券売り・円売りとなっており、経済対策の数字を受けた市場の反応が「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となるのか、それとも、円売りに拍車がかかるのか、さらには本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。

 ドル売り・円買い介入の目安となっているボリンジャー・バンド+2シグマは、本日157.40円に位置している。

 また、一部通信社が日本政府関係者の話として報じたところによると、「政府・日銀はドル円が160円に達する前に介入する可能性があると発言した」とのことである。

 8時30分に発表される10月の全国コアCPIは、前年比+3.0%と予想されており、9月の同比+2.9%からの伸び率上昇が見込まれている。

 植田日銀総裁は、先日の高市首相との会談で、「追加利上げに関して今後のデータ・情報次第で適切に判断していく」と述べていた。

 インフレ率が43カ月連続で日銀のインフレ目標2%を上回り、しかも3%台に乗せた場合、日銀法2条「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」の形骸化を確認させられることになる。

 8時50分に発表される10月貿易統計(通関ベース)では、対米貿易黒字に注目しておきたい。

 昨年2024年10月の対米貿易黒字は7978.27億円、1-10月期では6兆9534.3億円だったことで、今年のトランプ関税による減少幅に注目しておきたい。

 ちなみに、昨年1-9月期は6兆1556億円、今年の同期間は5兆5630億円で、5925億円減少していたことで、トランプ関税の影響は10%弱となっている。

 トランプ関税による対日税率は、トランプ米大統領が不満に感じた場合は、引き上げられることになっている模様で、まもなく公表されると思われる米財務省の「外国為替報告書」とともに警戒しておきたい。

 6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」と言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。

 日銀による低金利政策が円安の要因であり、円安が対日貿易赤字の要因と断定された場合は、日本を為替操作国と認定しかねないことにも警戒しておきたい。

 またトランプ関税に対する米連邦最高裁の判断が年内にも出される予定だが、1審、2審同様に違憲と判断された場合、トランプ米政権の貿易赤字削減の手段がドル安誘導となる可能性が高まることにも警戒しておきたい。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【市場概況】東京為替見通し=ドル円、10月CPIと貿易収支、経済対策、介入の可能性に要注目か

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