
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、11月の独仏ユーロ圏PMI速報値や複数のECB高官の発言を見極めていく展開が予想される。
ユーロ円が1999年のユーロ導入後の高値を更新する中、先日の木原官房長官に続いて片山財務相が「憂慮」という表現を使い、「日米財務相共同声明に沿って適切に対応する。為替介入も選択肢として考えられる」と述べて、「日米財務相共同声明」に言及しており、これまでとは違う円安牽制発言を行った。
本邦通貨当局は、ユーロ危機の際に、ユーロ円が88円台まで下落した局面で、欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)と協調して、ユーロ買い・円売り介入を行っており、外為特会にはユーロの持ち高が残っている。
可能性は低いものの、本邦通貨当局によるユーロ売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。
本日は、コッハー・オーストリア中銀総裁、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ラガルドECB総裁、ナーゲル独連銀総裁の講演が予定されており、政策金利の据え置きが予想されている12月欧州中央銀行(ECB)理事会に向けた見解に注目することになる。
現状のユーロの懸念材料は、フランス議会で年内に予算案が成立するか否かとなっており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
リスクシナリオは、予算案が成立しなかった場合、政権崩壊から総選挙実施に至る可能性が高まることになる。
ポンドドルは、10月英小売売上高や11月英製造業PMI速報値などから、12月18日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げの可能性を探ることになる。
来週26日頃にリーブス英財務相が予算案を発表するが、当初の増税示唆から所得税率引き上げ撤回となったことで、財源への警戒感が高まっており、内容次第では2022年のトラス・ショックの再現が警戒されることになる。
月末にかけては与党内でスターマー英首相下しの可能性も警戒されており、予断を許さない状況が続くことになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1599ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:182.55円(ピポット・レジスタンス2)
・ポンドドル:1.3127ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:206.86円(11/20高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1469ドル(11/5安値)
・ユーロ円:180.00円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2968ドル(4/11安値)
・ポンド円:204.60円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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