駅名標に ビックカメラ前 狙い
JR山手線・池袋駅の駅名標が、2025年11月14日から「池袋(ビックカメラ前)」に変更された。この日、家電量販店・ビックカメラが池袋にある3店舗をリニューアルオープンしたことを記念したもので、24年3月の発車メロディー変更に続く取り組みだ。
ビックカメラは「創業の地である池袋の街の発展に今後も寄与していけるよう、様々な取り組みを行っていく」としている。
副称「ビックカメラ前」は、駅利用者にとってのわかりやすさと企業の地域的結び付きを強める意図がある。JR東日本では「地域の象徴的施設との協力によって、駅をより利用しやすくする新たな形」として、企業連携型の副名称導入を一定条件下で認めている。
また、経済面では地域商圏の活性化につながるとの見方がある。池袋駅周辺は年間約2億人が利用する国内有数のターミナルであり、駅サインの表示変更は広告効果としても大きい。鉄道広告関係者は「駅名標そのものがブランド訴求の一環となる時代。地域と企業の共存モデルとして注目すべき」と分析する。
駅名標の変更は、改装中のビックカメラ池袋3店舗(池袋本店、池袋カメラ・パソコン館、池袋西口店)が11月14日にリニューアルオープンするのに合わせて実施する。駅名標の変更を記念してイベントやキャンペーンも企画中で、詳細は後日発表する。
また3店舗のリニューアルに合わせて「ビック史上最大級」とうたう家電セール「ビックトレジャー2025池袋」を14日から開催する。同セールでは、シャークのスティッククリーナーが通常販売価格より40%引きとなる1万9800円、ルンバの一部機種が2万4800円、iPhoneの旧型モデルは特別価格になるという。詳細は14日から配布するチラシで告知する。
一方で、公共空間での企業名表示については「商業化が過度ではないか」との指摘もある。専門家の中には「副称が増えすぎると駅名の識別が複雑化する可能性がある」と懸念する声も出ており、今後の運用バランスが課題となりそうだ。
家電量販チェーンのビックカメラは11月10日、JR山手線池袋駅の駅名標が14日から「池袋(ビックカメラ前)」に変わると発表した。同駅は2024年3月から発車メロディが「ビックカメラのテーマソング」になっている。
JR東日本とビックカメラは、駅利用者からの意見をもとに必要に応じてサイン位置やデザインの見直しも検討するとしており、試験的な導入としての位置付けを強調している。
実際、過去にも神田駅や秋葉原駅などで商店街や施設名が案内板に記載された例があるが、家電量販店の企業名が山手線駅標に加えられるのは極めて珍しい。鉄道ファンや地域住民の間でも話題となっており、SNS上では「池袋といえばビックカメラ、納得の副称」「企業広告っぽいけど街の顔として自然」など賛否両論が広がっている。


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