
本日これまでのドル円は先週末の安値156.20円を前に下げ渋り、157円手前まで切り返したが、新規の手がかりが乏しく方向感は限られた。
ドル円は先週の20日に一時157.89円と1月15日以来の高値をつけたが、158円台回復は至らず、日本当局の円安けん制の強化も警戒される中、週末には調整の売りに押された。ただ、米12月利下げ観測の後退や、日本の財政悪化懸念の高まりなどを背景に足元では円に買い材料が乏しく、押し目買い意欲は根強い。日銀の12月利上げ観測が高まっても、円の買戻しは限られるだろう。
ただ、ドル円が158円大台を回復し、160円台に向けて上昇基調を加速すると、日本当局の介入警戒感は高まるのは間違いないだろう。最近のドル円は、株安でもリスクオフの円買いの反応が鈍く、本邦の金利高局面でもむしろ円安が見られているのは、「悪い円安」としか言いようがない。高市首相は物価対策を急務としたが、高市政権の財政拡大路線はインフレ率が予想以上に上振れるリスクが高まり、国民が最も期待する物価高対策に逆行する可能性がある。国民がさらなる物価高に苦しみ、高市政権への不満が高まる可能性がある。一段の円安はインフレの加速にもつながることで、高市政権は円安阻止に動かざるを得ない。また、一段と円安が進めば、トランプ米大統領の不満が強まる可能性がある。
本日のNY市場では主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、ドル円は米株や米金利の動向を睨みながらの動きとなりそうだが、156円台で底堅さを示し、再び157円台に切り上げる動きが見込まれる。
・想定レンジ上限
ドル円、先週末21日の高値157.54円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、21日の安値156.20円や日足一目均衡表・転換線155.76円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY為替見通しドル円 上方向への警戒感続くか
ドル円のリスクリバーサル(1週間・1ヶ月)が上向き方向にあることも考えるならば、節目の150円トライそして上方ブレイクが今日の焦点となろう。
このケースでのドル円(USD/JPY)は、149.00がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうかが重要な焦点となろう。昨日のNY時間にサポートラインとして意識された149.70レベルの下方ブレイクとレジスタンスラインへの転換は、149.00ラインをトライするサインと考えたい。
注目すべきは、151.00のトライである。8月1日の市場ではこの水準の手前で急反落した経緯がある。この時の高値は150.92レベル。この水準の上方ブレイクは、151.00をトライするサインとなろう。151.00ラインを今日の上限と想定したい。
今日は米FRBが注視するインフレ指標、8月個人消費支出(PCE)価格指数がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比のコア指数以外、インフレの粘着性が示される可能性がある。4-6月期コアPCE価格指数が上方修正された状況で、今晩の8月PCE価格指数も予想外に上振れる場合は、インフレ再燃の思惑が米債売り(米金利の上昇)を促す要因になり得る。インフレ懸念は米連続利下げの期待を後退させる要因である。結果次第で、米ドル高がさらに進行する可能性があろう。
経済指標も米金利の変動要因となろう。昨日は、市場予想を下回った週間の米新規失業保険申請件数と改定値から上方修正された4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値の結果を受け、米金利が上昇した。



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