
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は664ドル高の47112ドルで取引を終えた。経済指標に市場予想を下回るものが多く、12月利下げに対する期待が高まり株式に資金が向かった。ドル円は足元155円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが545円高の49145円、ドル建てが580円高の49180円で取引を終えた。
米国株高に連れ高する展開を予想する。エヌビディアはAI分野の競争激化懸念から下落しているが、東京市場ではきのうのソフトバンクグループの大幅安でそういった動きが出てくることをある程度織り込んでいると思われる。大型グロース株には濃淡がつくかもしれないが、日本株全体では買われる銘柄が多くなる公算が大きい。CME225先物に寄せて強めに始まり、場中はしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは48900-49300円。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
引き続きの注目点はやはり米国の金利動向 金融政策の見通しです
日経平均株価の構成銘柄の約7割が下落し、TOPIXは前日比マイナスとなる一日でした。ただ、外部環境は良好で、堅調な米国株と為替の円高一服が目先の日本株をサポートすると見られます。引き続きの注目点はやはり米国の金利動向、金融政策の見通しです。米国のファンダメンタルズが利下げペースを加速させるほど弱くなく、減速させるほど強くない、程良い状態にあるのか―来週は米小売統計が一つの判断材料となります。日米ともに選挙が近づくにつれて、相場展開は神経質なものになっていく可能性がありますが、一方で米国経済・市場の安定を背景に、短期的には日経平均株価が7月以来の4万円台にトライする場面も見られるかもしれません。
日米をはじめとする世界景気への過度な不安が和らぎ、金融市場は落ち着きを取り戻しています。足元の企業業績が堅調に推移していることも、そうした不安を退ける背景になっていると考えられます。では、先々の企業業績に対する市場(アナリスト)の見通しがどうなっているかというと、日米欧の中で、もっとも強気に傾いているのは日本です。為替の円高進行や将来的な追加の利上げ観測が存在するにもかかわらずです。その一方で、8月の急落後の日本株の戻りは道半ばの状態にあります。このような企業業績の見通し(期待)が揺るがない限り、業績堅調であるがゆえの自社株買いを伴いながら、日本株は一定の底堅さをもって推移すると想定されます。
11日に公表されたドイツの11月ZEW景況感指数は、現況指数が▲78.7と小幅に改善する一方、期待指数は38.5とやや悪化(図1)。いずれも市場予想を下回り、ドイツ経済の回復力の弱さを意識させる結果となりました。また、12日に公表されたドイツ経済諮問委員会の年次報告では、2025年の成長率見通しをゼロ成長から+0.2%へ小幅に上方修正も、民間投資や対外輸出の弱さにより同国の景気停滞は今年も続くとの見解を示し、2026年は従来の+1.0%から+0.9%へと小幅に下方修正。インフラ・気候基金による効果は限定的とし、2026年の成長の3分の1は財政拡張、さらに3分の1は祝日の減少によるとしました。国内の投資不足は長期にわたって続いており、投資不足の是正と競争力回復を今後最大の課題と指摘し、メルツ政権の一部政策を巡っては将来を見据えた投資ではないとも批判。財政拡張策による景気刺激効果は期待されつつも、ドイツ経済の構造的課題は依然根強く残ります。


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