
25日の日経平均は反発。終値は33円高の48659円。早期利下げに対する期待が高まり、米国株が21日、24日と連日で上昇したことを受けて、寄り付きは大幅高。しかし、上げ幅を500円超に広げたところで買いが一巡し、早い時間に高値をつけた。大型グロース株の多くに買いが先行したものの、ソフトバンクグループが大きく下落しており、楽観に傾きかけた流れに水が差された。
前場では上値が重くなっても3桁高の状態はキープしたが、後場に入ると早々にマイナス転換。下げ幅を3桁に広げたところでは押し目買いが入っており、マイナス圏は定着しなかったものの、動きが良くなってくると売り直された。一桁の上昇でクロージングオークションに突入するなど失速感の強い1日となったが、終値ではかろうじてプラスを確保した。TOPIXは小幅な下落。グロース250指数は2%近い下落となった。
東証プライムの売買代金は概算で6兆1900億円。業種別では非鉄金属、鉱業、医薬品などが上昇した一方、情報・通信、保険、空運などが下落した。アドバンテストや東京エレクトロンなど、半導体株の一角が大幅上昇。半面、上述のソフトバンクグループが10%近い下落。米国でグーグルが発表した生成AIの新モデル「ジェミニ3」が高い評価を受けており、同社が出資しているオープンAIとの競争が激化するとの警戒から売りが殺到した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり772/値下がり787。売買代金上位銘柄では、三井海洋開発や住友電工が大幅上昇。業種では北海道電力や九州電力など、東電HD以外の電力株に強い動きが見られた。証券会社のリポートを手がかりにレンゴーが5%を超える上昇。株主優待の導入を発表したメディア総研が、場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、半導体株は濃淡あり、ディスコやソシオネクストが下落。キオクシアは大きく上昇する場面もあったが、買いが続かずマイナス圏に沈んだ。このところさえない動きが続いているサンリオが4%を超える下落。ソニーG、任天堂、コナミGなどゲーム株が総じて弱かった。電力株の多くが買われる中、東電HDは6.4%安と値幅を伴った下げとなった。
日経平均は小幅反発。日本株が休場の間の米国株が利下げ期待の高まりという材料があって上昇しただけに、きょうは大幅高に対する期待が高かった。しかし、マイナス圏に沈む場面もあり、ほぼ横ばいで終了。上昇するお膳立てが整っていただけに、かなり印象が悪い。連休前の21日は1198円安と4桁の下落となったが、物色を見るとAI関連は嫌われたものの、内需系を中心に多くの銘柄には買いが入った。一方、きょうはAI関連は寄った後に上値が伸びない銘柄が多く、プライム全体でも最終的には値下がりが値上がりを上回った。大型が案外なら中小型株かというと、グロース250指数は大幅安となっており、資金を振り向ける先がない。今は大崩れを回避できるかが重要となる。きょうの安値は48511円。節目の48500円や19日の安値48235円を下回ることなく推移できるかどうかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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