【見通し】NY為替見通し=ドル円、新規失業保険申請件数などに注目

本日のNYタイムでドル円の上値は重いか。引き続き日本当局の円買い介入警戒感がドル円の上昇加速を阻止する材料として意識されているほか、12月会合での日米金融政策で、日銀の利上げと米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの思惑がやや強まっていることも重しとなる。高市首相は為替動向について「状況を見ながら必要な手立てを講じる」と述べた。ただ、高市政権の積極財政を手掛かりとした円安地合いは続いており、引き続きドル円の下値は堅いと見込まれる。
日銀の12月会合での金融政策をめぐり、据え置きと利上げの思惑が交錯しているが、本日は「日銀は12月利上げの可能性に市場を対応させるためのコミュニケーション方法を調整している」との一部報道を受けて円高に振れる場面があった。植田総裁は21日の衆院・財務金融委員会で、為替円安に端を発した物価上昇が予想物価上昇率への影響を通じて「基調的な物価上昇率に影響する可能性にも留意していかないといけない」と述べ、為替円安に警戒感を示した。
昨日に発表された、9月米小売売上高が市場予想を下回ったほか、11月の消費者信頼感指数が7カ月ぶりの大幅低下となり、景気減速が懸念された。また、FRB次期議長の最有力候補にハセット国家経済会議(NEC)委員長が浮上したことも早期利下げ観測を強めた。FRBのメンバーの中では「インフレより労働市場対応が急務」という声も大きくなっており、本日の新規失業保険申請件数や米地区連銀経済報告(ベージュブック)などに注目。
また、日本時間21時30分にはリーブス英財務相が秋季予算案を発表する予定で、ポンド主導の動きにも注目。リーブス氏が予算案に所得税率引き上げを盛り込む計画を断念したと伝わっており、歳入の不足分をどのように補うのかが注目されている。予算案で英財政に対する市場の信認が得られなければ、ポンドは値幅を伴った神経質な動きになる可能性はある。
・想定レンジ上限
ドル円、25日の高値156.98円や先週末21日の高値157.54円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値155.65円や19日安値155.21円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【見通し】NY為替見通し=ドル円、新規失業保険申請件数などに注目


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