
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<相場概況>
・今週は上値が重い展開で推移
・先週158円手前まで上昇した後、一時的な調整局面
・感謝祭で流動性が低下し、後半は動きが限定的
・来週早々の新たな動きに注目
<テクニカル分析>
・157〜155円のレンジ推移
・ディセンディングトライアングル(下降三角形)を形成
・下値は堅いものの、下抜けすると下押し圧力の可能性
・サポート:155円付近(20日移動平均線)
・下抜けた場合は153円(フィボナッチ38.2%押し)まで下落の可能性
・大局的には上昇トレンド途中のフラッグ形成と判断
・フラッグ上抜けで上昇再開の可能性
<FRB利下げ観測>
・12月利下げ確率:先週60%→今週80%に上昇
・ウィリアムズNY連銀総裁のハト派発言
・消費者信頼感指数が4月以来の低水準(雇用市場減速が要因)
・ハセット氏がFRB議長有力候補との報道でドル売り
<日銀利上げ観測>
・12月利上げ織り込み:先週16%→今週57%に上昇
・増日銀審議委員が利上げ環境は整っているとの見解を示す
・一部報道で「日銀が12月利上げに向けて市場を慣らしている」との観測
<来週の注目ポイント>
・最重要:12月1日(月)植田日銀総裁講演
・利上げを意識させる発言があれば円買い加速→153円方向へ?
・従来通り「データ次第」なら円売り反応の可能性
・午前:講演、午後:記者会見
<その他の注目イベント>
・米ADP雇用統計(労働市場動向)
・ISM指数(雇用指数に注目)
・PCEデフレーター(9月分、政府閉鎖の影響で遅延)
<結論>
・テクニカル的には155円の20日線が重要な分岐点
・維持できれば上昇トレンド継続、下抜けなら153円試しの展開
・来週最大の注目は12月1日(月)の植田総裁講演
・日銀12月利上げ観測が相場の鍵を握る
・FRB12月利下げはほぼ織り込み済み(80%)で、サプライズは限定的
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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この点はドル円のサポート要因となろう
ドル円が147円台へしっかりと上昇する場合、次の焦点はレジスタンスの水準へ転換する可能性のある147.50レベルの攻防となろう(下の日足チャートを参照)。
<結論> 来週はFOMCでは利下げ回数、日銀会合では利上げ時期への言及が焦点。ドル円は146-149円レンジをどちらにブレイクするかが最大の注目点。
ドル円がこの水準をも突破する場合は、141円台の攻防シフトを想定したい。このケースで最初に注目すべきチャートポイントは、半値戻しの水準(安値137.24-高値145.07の半値戻しの水準)141.15レベルとなろう。
今月18日の植田日銀総裁の発言を受けて、来週27-28日に開かれる日銀金融政策決定会合での政策修正観測が後退している。この点はドル円のサポート要因となろう。
ドル円がこの移動平均線(10日線)を完全にブレイクアウトする場合は、下で述べる上値水準での攻防に注目したい。
上で述べたレジスタンスゾーンをドル円が完全に突破する場合は、147円のトライが次の焦点となろう。
目先の焦点は10日線の攻防 円安を受けドル円(USD/JPY)は昨日、146円台へと反発した。
昨日のドル円(USD/JPY)は米ドル買いにサポートされ、レジスタンスポイントとして意識された節目の140.00レベルを上方ブレイクした。
10日線を上方ブレイクする場合の焦点は? ドル円(USD/JPY)が10日線の上方ブレイクに成功する場合は、目先の上限を21日線(今日現在148.00レベル)と想定し、まずは昨日の上昇を止めた半値戻しの水準146.76レベルの攻防に注目したい(下の日足チャートを参照)。
しかし、ドル円が139円を下方ブレイクしても、サポートポイントとして意識されている138.00レベルがレジスタンスへ転換しない限り、下値は限られる可能性がある。短期サポートラインの下方ブレイクは、138.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円が137円台の攻防へシフトする場合は、半値戻しの水準(安値129.64-高値145.07の半値戻しの水準)137.36レベルや今月14日の安値137.24レベルで2度サポートされるかどうか?この点に注目したい。
この状況で11月の米CPIが米ドル高の要因となれば、ドル円は10日線を上方ブレイクすることが予想される。
半値戻しの水準(安値129.64-高値145.07の半値戻しの水準)137.36レベルや138.00レベルでサポートされ、節目の140.00レベルを突破した状況も考えるならば、現在のドル円は戻り高値の水準を見極める状況にある。
リスク回避相場(株安)の局面では、円買いの圧力が高まりやすい。しかし、昨日のように株式市場が下落しても米金利が上昇する場合は、後者の影響の方を強く受けることでドル円が底堅い展開となる状況が続くと予想する。
本日、ドル円の変動要因として注目したいのが、上で述べた11月の米CPIである。米ドル安の要因となる場合は、レジスタンスラインとして10日線の存在感がさらに増すことが予想される。




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