大ピンチずかん ベストセラー1位

FXブログ
大ピンチずかん ベストセラー1位
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 大ピンチずかん ベストセラー1位

『大ピンチずかん』かぁ

——まさに「楽しい」があふれる作風ならではのおしごとばですね。それでは最後に、お父さんとしての目線も作品に活かされている鈴木さんから、絵本を手渡すお父さん、お母さんにメッセージをお願いします。大人が楽しそうにしていることが、子どもたちに何より良い影響を与えると思っています。ゲームにしても、付き合ってあげるのではなく、やるなら本気でやりますし、そのほうが子どもたちも燃えますよね。親に勝てなくて悔しいと思っていた子どもが、ようやく勝てたという経験が何よりうれしいと思うので、その一生の楽しみを奪わないように、今はコテンパンにやっつけています(笑)。『大ピンチずかん』も子どもと一緒になって笑いながら、「お父さんもこういうことがあった」「大人がこれをやったらアウトだよね」など、ご自身の感想でいいので会話をしながら一緒に楽しんでほしいです。「お父さんも昔やったよ」と聞くと、子どもたちもうれしくなるでしょうし、誰にでも大ピンチはあるんだな、大丈夫と子どもたちの背中を押すことにもつながるでしょう。そんな使い方をしていただけるとうれしいですね。

『大ピンチずかん』1冊目の表紙絵にもなった、子どもが牛乳パックを倒すというのも実際に下の子がやったことで、『こぼれちゃった!』ってフリーズしているんですよね。子どもにとっては牛乳パックって重くて扱いにくいんだな、これ以上こぼれないようにパックを立てて牛乳を拭くという当たり前の解決策にはなかなかたどり着けないんだな、と。とりあえずフリーズしちゃう、というのが子どもの世界なんだな、といろいろ気づきました。

『大ピンチずかん』かぁ。ずかんっていう響き、ワクワクしますよね。『ケイブンシャの大百科』とか、ああいうノリですよね。まさかピンチのコレクションとは!

『大ピンチずかん』の仕事で何がいちばん面白かったかといえば、僕にとっては100万部という物量をクリアできたことでした。無理難題だと思われるスケジュールに頭を抱えるのではなく、いかに効率よく現場に無理が生じないように調整していくか。そのやりくりを楽しむことで、難局を切り開くたびに達成感が得られた。“このスケジュールがうまくはまって、気持ちがいい!”といった爽快感の積み重ねで、明るく前へ進めたんです。いつまでも楽しみを見いだせなかったら、“なんで僕だけこんなに大変なんだ……”と腐っていたかもしれない。ピンチを楽しみに変えられるような人は、制作の仕事にやりがいを感じられると思います。制作を経験したおかげで造本の知識が蓄えられた。この秋に編集部に異動したのですが自分の柱として強みになると、確信しています。

そして、『大ピンチずかん』、いかがでしたか? 日常に潜むたくさんのピンチを知ることで、かえって前向きになれる不思議な魅力がありましたね。

——ネタ探しだけでも大変だったのではないかと思いますが、創作で苦労された点はありますか?苦労はなかったですね。『大ピンチずかん』という本を作ろうとしていると言って、子どもたちの大ピンチをスマートフォンにメモっていたら、子どもたちも「お父さん、今これ、大ピンチじゃない?」と僕のスマホに自分たちでメモをし始めて。大ピンチは日々起こるので、そういったやりとりも楽しかったです。一つだけあるとすれば、本書は大ピンチレベルの大きさで並べている以外にも、たとえば家の中での出来事から、親と一緒に出掛けたり学校に行ったり、友だちと遠出したりとページが進むにしたがって、主人公の世界がより広がっていきます。「ずかん」とはいえ絵本ではあるので、子どもたちが入りやすいよう、安心して楽しめるような作り方の工夫をしています。最後にネタをパズルみたいにして本の構成を考えたのですが、子どもたちの成長の場面と緩やかに合わさって、お話としてうまく流れるように作るのには頭を使いました。——「ずかん」の名の通りさまざまな大ピンチが収められた2冊ですが、分類、分析といった視点や「情報もより一層充実」といった言葉が見返しに書かれていて、その作りからして楽しめますね。担当編集者が図鑑の編集をしていたこともあるので、図鑑のフォーマットや語り口に寄せていった部分もあります。これまで絵本は、愛とか友情、感謝や因果応報といった、どちらかというと情操教育的な、定量化しづらいような情報を文字と絵でじんわりと伝えるメディアだったと思います。しかし今の時代、おもしろい情報にダイレクトに早くタッチして、感じたいし笑いたいという思いは子どもたちの中にもあるのではないでしょうか。だからこそ、ページをめくっていて、「これはわかる」「この間同じことがあった」と共感できると読者と近寄りやすいですし、間口も広がりやすい気がしていて。そういう本を作りたいなという思いは昔から持っていました。——知人に、『大ピンチずかん2』を読んだ子どもに「こころぼそいって何?」と聞かれたという話を聞いたのですが、その単語が出てくるのは『2』の終わりのほうの欄外ですよね。隅々まで読んで、知らない言葉に反応しているのだなと驚きました。難しい言葉もなるべくカットせずに、むしろそのまま載せていこうと思っています。「こころぼそい」という言葉を覚える機会を僕が奪うことになってもいけないですよね。わからないかもしれないからと、「さびしい気持ち」といった言葉に置き換えるのではなくて、これを機にここで覚えようよ、と。それは、子どもたちと一緒に本を読む親御さんたちの力を借りるということでもあります。生身の人間同士のコミュニケーションに勝るものはないですし、特に親御さんとの触れ合いは何より心に残るでしょう。絵本もそういう場面が起こるようなものであるべきだと思います。僕も子どもたちの小さい頃には絵本の読み聞かせをしましたけれど、あまり本の通りには読まなかったです。普通に読んでいると、「書いてある通りに読まないで」と言われるくらいオリジナルな形で読んでいましたし、「今日はこの本、固くて開かないな」と言って1ページもめくらずに終わったこともあります。僕の本も、どちらかといえば読んでほしいですが(笑)、そういう親子のコミュニケーションに使ってもらえたら作家冥利につきますし、本望だなと思います。

大人からすると大したことではなくても、子どもにとってはおおごとで、人生の一大事ぐらいに感じられる。そういう例をいろいろ集めたら面白いんじゃないかと思って、『大ピンチずかん』というタイトルがすぐ頭に浮かびました」

鈴木さんは、3人のお子さんを育てる父親でもあり、日々の子育ての中で感じたことや、子どもたちの失敗やピンチの瞬間を観察し、それを作品に反映させています。例えば、次男が牛乳をこぼしてフリーズしてしまったエピソードが『大ピンチずかん』の着想のきっかけとなったそうです。

コメント

` this.fetchProxy(url, options, 0).then( res => res.json() ).then( data => { if (data.body) this.srcdoc = data.body.replace(/]*)>/i, `
タイトルとURLをコピーしました