
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<現状の値動き>
・前日154.60円台まで下落したが、20日移動平均線でサポートされ反発
・現在は反発しやすい形状に
・上昇継続なら156.50円付近(10日線)が上値目処
・20日線を下抜けた場合は155円割れを試す可能性
<テクニカル分析(60分足)>
・逆三尊のような形状を形成
・ネックライン突破済み
・156.00円がレジスタンス・サポートの重要水準
・突破すれば156.50円(日足10日線)を目指す展開
・ネックライン下抜けなら155円割れの可能性
<ファンダメンタルズ要因>
・日本の財政懸念がくすぶり円売り継続
・12月の日米金融政策見通し:FOMC:0.25%利下げを9割弱織り込み、日銀:利上げを8割前後織り込み
<注目材料>
・トランプ大統領が今日か明日にもFRB次期議長を発表する可能性
・ハセットNEC委員長が選出された場合、前回同様ドル売り反応の可能性あり
<結論>
・ドル円は154円台でサポート、156円台後半で上値の重いレンジ相場を想定
・下値は日本の財政懸念による円売り圧力でサポートされやすい
・上値は12月の日米金融政策(FRB利下げ・日銀利上げ観測)による金利差縮小懸念で抑えられる見込み
・本日はFRB次期議長人事の報道に要注意
・テクニカル的には156.00円のブレイク方向が短期的なトレンドを決定
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お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
ポンド・ドルは1.3206ドルから1.3255ドルまで上昇
ユーロ・ドルは1.1563ドルから1.1607ドルまで上昇し、1.1604ドルで引けた。ユーロ・円は180円53銭へ下落後、181円27銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.3206ドルから1.3255ドルまで上昇。ドル・スイスは0.8058フランから0.8027フランまで下落した。
11月28日時点で、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月9-10日の連邦公開市場委員会(FOMC)にて25bp(0.25%ポイント)の利下げを行う確率は86.4%(Fed Watch)。一方、日銀が18-19日の金融政策決定会合で25bpの利上げを行う確率は57%(東短リサーチ)だ。つまり、現時点において金融政策に関する市場のメインシナリオは「FRBの利下げと日銀の利上げ」であり、このシナリオに基づけば12月のドル/円相場は上値の重い展開となりそうで、下押しの可能性もないとは言えないだろう。もっとも、金融政策の方向性の違いによる日米金利差縮小観測がドル/円の下押し圧力になりにくいことは11月後半の値動きから読み取れる。FRBの利下げ観測が高まり、日銀の利上げ期待が高まった21日以降の下落幅は最大でも2円あまりに過ぎない。市場は高市政権の「責任ある積極財政」を円安要因と見ており、ドル/円相場においてはFRBの利下げ観測を背景とするドル売りの大部分を円売りで相殺しているようだ。他方、日銀の利上げについてはあくまでも「金融緩和の調整」との位置付けであり、インフレを加味した実質金利が大幅なマイナスの状態で名目金利を小幅に引き上げても円安を止める効果は薄いと考えられる。したがって、12月のドル/円相場は少なくとも9-10日のFOMCまでは「高市財政による円先安観」と「FRBの利下げによるドル先安観」の綱引きが続く見通しだ。その後、日銀が19日に利上げを行ってもドル/円相場への影響は限定的な一方、仮に日銀が利上げを見送るようなら円安主導で上値を試す展開となりそうだ。




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