基本的に金価格は原油価格と比例の関係です
そして、翌年には2013年金融緩和政策「アベノミクス」が実施され円安が促進。同時に金価格も1年で4000円台前半から5000円台に迫る急激な値上がり傾向を迎えています。
国内の代表的な金価格の指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格(1グラムあたり、税込み)は29日午前9時半時点で、前週末比78円高の2万18円となった。今年の年初から35%値上がりし、初めて1万円を超えた23年8月から2年余りで2倍になった。
80年代から90年代の20年近くにわたって続いた金価格の下落でしたが、2000年代に入ると下落トレンドが上昇トレンドへと転化します。
国内の店頭小売価格が初めて1万円台に乗せた23年当時は、ロシアによるウクライナ侵略や、米欧の中央銀行の政策金利の引き上げで景気減速への懸念が広がっていた。国内価格の上昇は、外国為替市場の円安進行で円建ての金価格が押し上げられている側面もある。
また、2007年のサブプライムローン問題も金価格上昇の要因となりました。このときまでに金価格は、3000円台を突破しています。
2025年9月9日、国内の金価格の指標である田中貴金属工業の小売価格が、史上初めて1グラムあたり19,000円の大台を突破した。これは、数年前から金融市場で囁かれていた「1オンス=4,000ドル」という予測が、円安と相まって現実のものとなった瞬間だ。もはや「素材コストの高騰」というレベルではない。金が宝飾品の素材という枠を超え、通貨や安全資産としての性格を強める構造変化に、宝飾業界は否応なく直面している。我々はこの現実をどう受け止め、ビジネスモデルをどう変革すべきか。岐路は目前に迫っている。
さらに衝撃的だったのは、ゴールドマン・サックスが金を「最も確信度の高い買い推奨」と位置づけ、提示したシナリオである。同行は、時の大統領がFRBの独立性を脅かすような事態となれば、金は5,000ドル/oz(約24,100円/g)に達する可能性があると警告した。これは、金価格が単なる需給や金利で動くのではなく、国家や中央銀行への「信認」そのものを問う指標となり得ることを示唆していた。金がコモディティから、グローバルな基軸通貨「ドル」と対峙するほどの「無国籍通貨」へと回帰する可能性を、市場が織り込み始めた瞬間であった。
金が投資対象として認められるようになったのは1987年です。主な理由は、金の輸出が自由化。ジュエリーとして利用されるだけではなく、投資対象として認知されるようになりました。結果、世界中で相場価格が高騰したのです。また、1979年に起こったイラン革命、第二次石油危機、アフガニスタン侵攻といった世界情勢に影響を及ぼすようなことは、金の相場にも影響します。 1980年に過去2番目に高値をつけた金価格でしたが、その後は20年以上下落の一途をたどります。 そして、1998年にはついに1g865円という史上最低価格を記録しました。現在でもこの記録を下回る下落は起きていません。 この長期にわたる下落トレンドは、1983年にOPECが実施した原油価格の大幅な値下げから始まったとされています。基本的に金価格は原油価格と比例の関係です。 また、80年代後半は日本が高度成長期に突入した時代でもあり、平均株価は大きく上昇して一時期は4万円近くにも達しています。 株価と金の相場は基本的に逆相関のため、金相場は大きく下落することになりました。 そして、1991年にバブルがはじけても金の価格は下がり続け1000円台に突入。1998年には先にもあげた1g865円という史上最低価格を記録してしまいました。
また、2008年にはリーマンショックによって金価格は一時期値下がりましたが、3年もたたぬ間に再び金価格は上昇傾向へ。2012年にはアメリカも景気回復の兆しをみせています。
楽天証券経済研究所の吉田哲氏は「地政学リスクの高まりなど、金価格を押し上げる状況は短期的には変化が見込めない。年内に2万2000円程度まで上昇する可能性もある」と指摘する。
金価格が歴史的な領域に達した今、我々は「金のジュエリーを売る」という発想から、「金という価値を、ジュエリーという形を通じて顧客にどう届けるか」という視点への転換を迫られている。この構造変化を脅威と捉えるか、あるいは新たな価値創造の好機と捉えるかが試されている。
国内の金価格は、国際価格に為替相場などを加味して決まる。金価格は8月下旬から世界的に上昇傾向が強まっており、国際価格の指標となるニューヨーク市場の先物価格(中心限月)は23日、初めて1トロイ・オンスあたり3800ドル(約31グラムあたり約57万円)に達した。
しかしながら、この史上最高値のわずか4か月後の5月には、3,000円以上の下落となる3,645円を記録しています。 きっかけは米と旧ソ連との緊張緩和です。これまでの対立状態が緩和されたことでドルに対する信頼が戻り、今度は金ではなくドルが大量に購入され、金価格は急激に下落していきました。 この下落は当初、一時的なものにすぎないと考えられていましたが、結果的には実に20年以上続くことになりました。 このように、きっかけがあれば金の相場が下落する可能性はいつでもあるということです。


コメント