
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<ドル円相場の動向>
・先週は149円前半まで下落したが、木曜日には152円台まで上昇
・背景:自民党と維新による連立政権の可能性が高まり、高市首相誕生への期待から円売りが強まった
・10月21日に高市首相が正式に誕生し、152円台で推移
・誕生時は20銭程度のレンジで乱高下し、予想と異なりあまり動かなかった
・その数分後、日銀関係者から「今月の金融政策決定会合で急いで利上げする必要はない」という記事が出て、再び上昇
・高市首相が記者会見で「日銀との共同声明(アコード)を直ちに見直す必要はない」と発言し、緩和的方向性が継続する見方からドル円が上昇を継続
<FOMC(10月28-29日)>
・0.25%利下げがほぼ確実視(織り込み度ほぼ100%)
・12月も追加利下げほぼ100%織り込み
・パウエル議長の記者会見から利下げペースを探る
・「雇用の伸びが急激に鈍化している」という発言があるか
・バランスシート縮小を数カ月以内に終了する可能性への言及
・CPIが予想以上に加速していた場合、インフレ警戒からタカ派的発言の可能性
<日銀金融政策決定会合(10月29-30日)>
・0.5%程度で現状維持の可能性が高い
・10月利上げ織り込み度:約10%(月曜の3割弱から後退)
・12月利上げ織り込み度:約50%(半々の状況)
・植田総裁の記者会見で12月利上げか1月利上げかの時期を探る
・CPIが伸び加速していた場合「経済物価見通しの確度が高まっている」という発言があると円買い?
・高市首相の「共同声明を見直す考えはない」発言に対する植田総裁の見解
・サプライズ利上げを避けるため、利上げする場合は事前にリーク記事が出る可能性
<テクニカル分析>
・10月高値153.27円を突破できるかが焦点
・突破した場合、下降トレンドライン(154円付近)がターゲット
・さらに突破したら155-156円への上昇の可能性
・移動平均線がサポートになるか
・下値は限定的との見方
<結論>
・ドル円は152円台で推移し、基本的に円売り・ドル買い方向。高市首相誕生による積極財政・金融緩和志向との見方。
・来週はFOMCと日銀会合が最大のイベント。パウエルFRB議長や植田日銀総裁による今後の金融政策に関する見解に注目
・日銀会合前の日米首脳会談にも警戒
お知らせ
「UsUP(ユーズアップ)リスト」では、FXトレードの考え方などをお伝えしています。無料でダウンロードすることができます。FX口座ログイン後に「マイページ」に入っていただき、会員限定コンテンツ集からダウンロードが可能です。ぜひご活用ください。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
利下げに慎重な姿勢を示す場合は ドル円の上振れを警戒したい
24日の金融政策決定会合で日銀は政策金利を0.50%へ引き上げた。政策金利が0.5%となるのは17年ぶり。対米ドルで一時円高優勢となり、154.80台まで下落する局面が見られた。しかし50日線でサポートされると一転して円安優勢の展開に。欧米時間に156円台へ反発した。主要なクロス円も上昇して終えた。24日の動きは円安圧力の強さをかえって浮き彫りにした。 今週のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で大きく動くことが予想される。焦点はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見となろう。利下げに慎重な姿勢を示す場合は、ドル円の上振れを警戒したい。週間の予想レンジは154.00-158.20。
日米利回り格差と高い相関関係にあるドル円(USD/JPY))も155.00-158.00を中心としたレンジ相場の状況にある。パウエルFRB議長の会見が日米利回り格差の膠着状態を打破すれば、ドル円にも新たな動きが出てくるだろう。
本日のドル円は147円50銭~149円30銭程度を予想します。
日銀が追加の利上げを決定し政策金利が17年ぶりに0.5%へ引き上げられても、24日の外為市場は円安優勢の展開となった。パウエルFRB議長が追加の利下げについて慎重な姿勢を示す可能性があることも考えるならば、今週はドル円の上振れを警戒したい。特にパウエル会見時ではその可能性を意識したい。




コメント