
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利が上昇した場面では152.37円付近まで上げ、低下に転じると151.86円付近まで下押しした。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて1.1626ドルまで下落、低下に転じた局面では1.1669ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米財務相会談に関するヘッドラインに警戒しながら、日米の金融政策待ちで動きづらい展開が予想される。豪ドルは、9月豪消費者物価指数(CPI)に注目。
昨日は、27日に開催された日米財務相会談に関して、米財務省が「ベッセント米財務長官が、健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」との声明を公表した。ドル円は、円安を牽制する内容と受け止められ、一時151.76円まで円高に推移した。
しかし、片山財務相が、「(日銀による利上げを)促すというようなことではなかったのではないかと思う」との認識を示したことで、152円台まで戻した。今後も、日米財務省のHPで日米財務相会談の声明文を検証しながら、米財務省が「外国為替報告書」などで言及しているような円安を抑えるために日銀に利上げを要請しているのか否か、そして「ベッセント・シーリング」の水準を見極めていくことになる。
本日まで開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利であるFF金利誘導目標金利が0.25%引き下げられて3.75-4.00%となることが確実視されている。米連邦準備理事会(FRB)の中立金利の中心値は3.00%、9月米CPIも前年比+3.00%だったことで、市場のターミナルレート(政策金利の最終到達水準)の見通しも3.00%前後となっている。注目ポイントは、先日パウエルFRB議長が言及したバランスシート縮小が停止されるか否かとなる。
また、本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合では、高市政権誕生直後ということで、政策金利0.50%の据え置きが見込まれている。
日本の9月のコアCPIは前年比+2.9%と発表されており、日銀の目標である2%を42カ月連続で上回る結果となっている。昨日、日銀が発表した9月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、物価の高騰がコメを始めとする食料品に偏る中、引き続き2.0%を超える上昇率は3指標の中で「刈込平均値」の前年比+2.1%だけにとどまっていた。
9時30分に発表される9月豪CPIの予想は前年同月比+3.1%、7-9月期豪CPIの予想は前期比+1.1%、前年同期比+3.0%と見込まれている。今年1-3月期は+2.4%、4-6月期は+2.1%へと低下傾向にあった。また、RBAが注目しているトリム平均値も昨年は4.0%で高止まりしていたが+2.9%、+2.7%へと低下した。9月の失業率が4.5%まで上昇したこともあり、インフレ率がさらに低下していた場合は、RBAの利下げ期待が高まることで豪ドルの売り圧力になるため要注目か。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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