ローソンは10月31日 クマ対策に関する基本方針を発表した
ローソンは10月31日、クマ対策に関する基本方針を発表した。従業員や利用客が安心して店舗を利用できる環境を整えるため、マニュアル整備や一部店舗へのクマ撃退スプレーの配布などを実施する。
ローソンはまた、専門家と連携しながら、従業員が携帯するクマよけアイテムについても検討を進めている。鈴やホイッスル、防犯アラームなどの活用を想定しており、導入方法や安全教育の在り方が今後の焦点となる。実際の運用では、配布されたスプレーをどのように保管・使用するか、従業員が迅速に判断できる環境整備が課題となるだろう。
ローソンが示したクマ対策の基本方針は、店舗運営の安全を確保しつつ地域社会に貢献する姿勢を打ち出したものだ。クマ撃退スプレーの配布、清掃強化、出没時の休業判断など、現場で実行可能な具体策が並ぶ。政府が公表した被害拡大という現実に対し、企業が自らの立場でどう行動するかを示した今回の発表は、今後の防災・危機管理における新しい方向性を示唆している。
ローソンの広報担当者は「クマが出そうな地域に店舗がある場合もある。従業員が安心して働けるように、クマ対策に関する基本方針を策定した」とコメントした。
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ローソンが示した対策は「備える」と「寄せつけない」と「出没時の行動」の三層で成り立つ。まず備えとして、クマ撃退用スプレーを出没が確認される地域の約100店舗に配布する。店舗に保管される備品は、使う人・場所・タイミングが明確であって初めて安全に意味を持つ。したがって、保管場所の固定、鍵の管理、開店前後・深夜帯などリスクが高い時間帯の確認手順を紙と口頭の両方で共有することが肝になる。次に寄せつけない。食品の匂いが集まりやすいゴミ置き場や裏手の清掃頻度を上げ、密閉・動線変更で匂いの発散を抑える。人の動きが少ない時間帯ほど匂いの管理は重要で、回収車の前後で点検を挟むなど、生活リズムに合わせた細かい運用が効く。最後に出没時の行動。自治体の指示に従い、営業時間の短縮や休業を決める判断基準をあらかじめ明文化しておく。例えば、自治体からの注意情報→一時的な出入口制限→時短または休業→再開確認という順番を、店内掲示・グループチャット・無線など複数手段で同時に流す。従業員の安全確保は最優先で、退避・通報・来客誘導の役割分担を定めておくと迷いが少ない。従業員のクマよけ鈴やホイッスルの携帯は検討段階にある。携帯品は便利だが万能ではないため、導入の可否と運用時間帯(出入り時・裏手作業時など)を具体に詰めることが望ましい。いずれも、発表に沿った範囲での運用であり、未公表の仕様や詳細は推測せず記載を控える。
一方、政府によると2025年度のクマによる死者は10月30日時点で12人と、統計開始以来最多を更新している。ローソンの発表は、企業単独の対応にとどまらず、地域社会の安全対策に向けた企業の責任を示す象徴的な取り組みとなった。


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