
14日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は905円安の50376円。米国株の大幅安を受けて、寄り付きから500円を超える下落。ナスダックの下げの度合いが大きかったことから大型ハイテク株が弱く、開始早々には下げ幅を4桁に広げた。50200円台で売りは一巡して安値は早い時間につけたものの、いったん戻して売り直された後はじり安基調が続いた。全面安とはならず、内需の一角には買いが入った。ただ、主力銘柄の多くが値幅を伴った下げとなる中、後場にも下げ幅を4桁に広げる場面があり、安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆6800億円。業種別では鉱業、繊維、不動産などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。上期決算と併せて自己株取得および消却を発表した東レが後場急騰。半面、ソフトバンクグループが6%を超える下落となり、終値で2万円を下回った。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり617/値下がり939。三菱UFJやソニーGが逆行高。決算を材料に今週強く買われた三井海洋開発や三井金属に資金が向かった。通期見通しの引き上げや株主還元強化を発表したINPEXが大幅上昇。東京建物、メニコン、TOPPANが業績関連のリリースに好反応を示して2桁の上昇率となった。上期決算と併せて自己株取得や累進配当導入を発表したワイエイシイHDが買いを集めてストップ高となった。
一方、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体株が弱く、失望決算を発表したキオクシアは売りが殺到してストップ安。古河電工やフジクラなど電線株も厳しい下げとなった。楽天Gは3Q累計の営業黒字転換が好感されず9%を超える下落。PKSHA、荏原製作所、井関農機が決算を材料に2桁の下落率となった。通期の利益見通しを引き下げたSTGは場中は値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は900円を超える下落。大型グロース株が下げを主導して下に値幅が出た。それでも終値で1000円以上の下落にならなかったことは健闘したと言える。序盤で4桁安となった後にいったん切り返したものの、それで売り出尽くしとはならず再び下を試しにいった。このケースでは、終盤に下げが加速して5万円を割り込むような動きとなっても不思議はなかった。しかし、前場の安値近辺で踏みとどまった結果、週間ではプラスを達成した。チャートの形状は崩れておらず、25日線(49836円、14日時点)より上をキープできるかが目先の焦点となる。大型グロース株はしばらく弱材料に敏感になりそうで、バリュー株やディフェンシブ株などが選好されやすくなるだろう。
【来週の見通し】
しっかりか。国内は決算発表がほぼ一巡し、個別の材料が一気に少なくなる。米国で19日に発表予定のエヌビディアの決算が世界的に注目を集める。日米ともグロース株が足元で調整しているだけに、エヌビディアの決算反応が良ければ素直に買いが入るだろう。エヌビディアの決算反応が悪かった場合には、グロース株は見切り売りに押されると思われる。ただ、後者の場合には、グロース株を見切ってそれ以外の銘柄への資金シフトが加速する公算が大きい。グロースかバリューかで気を揉む場面は増えると思われるが、日本株からは資金が逃げず、週を通しては底堅く推移すると予想する。
【来週の予定】
国内では、7-9月期GDP速報値、10年物価連動国債入札(11/17)、10月訪日外客数(11/18)、10月貿易統計、9月機械受注、20年国債入札(11/19)、10月首都圏新規マンション販売(11/20)、10月全国消費者物価指数(CPI)(11/21)などがある。
企業決算では、KeePer技研(11/17)、東京海上、MS&AD、SOMPOHD(11/19)などが発表を予定している。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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