
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<テクニカル分析>
・ドル円はウェッジ上限をブレイクして上昇の勢いが加速すると157.80円台の高値をつけた
・週足:下降トレンドラインを明確に突破
・チャートポイント:158.00円、158.86円、160.00円、161.94円
<為替介入の可能性>
・片山財務相は為替介入について「当然考えられる」とし市場をけん制
・過去、介入前には政府から「断固たる対応」「スタンバイ」「いつでもやる用意がある」などの発言あり
・口先介入のレベル感から為替介入との距離感を探る
・昨年、神田前財務官が「わずか2週間で4%といった大きな変動が見られるのは違和感」と発言
・来週、160付近へ上昇すると2週間で4%との円安となるため警戒が必要
<FOMC(12月10日)>
・12月利下げ観測が後退
・米10月雇用統計の発表なし、米11月雇用統計は12月16日とFOMC後
・米10月・11月CPIもFOMCまでに確認できるか不透明
・最新データが確認できない中で金融政策変更は難しいとの見方も
<日銀会合(12月19日)>
・12月利上げ観測が後退
・高市政権が円安を許容しているのでは?との見方も
<来週の重要イベント>
25日:米9月生産者物価指数、米9月小売売上高、米11月消費者信頼感指数
26日:米新規失業保険申請件数、米9月耐久財受注、米10月PCEデフレーター
27日:野口日銀審議委員講演
28日:11月東京都区部消費者物価指数
<結論>
・ドル円は上昇トレンド継続の可能性
・強い口先介入が出た場合は、為替介入が警戒されて上値が重くなる可能性も
・日米金融政策変更の織り込み後退がドル円の下値を支えている
・強い上昇トレンドであるため調整の下げが深くなることも考えれるため注意
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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【そもそも解説】円安止まらず1ドル=155円に なぜ?影響は?
だが、これでは終わらなかった。午後1時ごろ、159円台半ばだった円相場は、今度はするすると円高ドル安に振れていった。それから1時間ほどの間に、155円台前半まで円高ドル安が進んだ。
【そもそも解説】円安止まらず1ドル=155円に なぜ?影響は?
26日にはNZ準備銀行(RBNZ)が政策金利を発表します。NZのCPIはRBNZの目標レンジ(1~3%)の上限となる前年比+3.0%(7-9月期)での推移となっています。一方で、4-6月期の国内総生産は前期比-0.9%と予想を大幅に下回るマイナス成長となり、失業率は2016年10-12月期以来となる5.3%まで悪化しています。そのため、RBNZは経済活動の弱さがインフレ低下につながることや、低金利が経済成長の回復を支えるとの予測から追加の利下げを示唆しています。OISでは25bpの利下げを完全に織り込んでいます。利下げ幅が市場予想通り25bpに留まるようであれば、市場の注目は今後の利下げペースについて声明等で言及があるかどうかとなります。現時点でOISでは来年1回の追加利下げを60%弱しか織り込んでいません。追加利下げを示唆する声明内容となれば、NZドルは売りで反応することになりそうです。
29日午前10時半過ぎ、穏やかだった外国為替市場が急変した。それまで158円台半ばで推移していた対ドル円相場が、一気に160円台前半まで円安に振れた。この日の東京市場は、大型連休の祝日で休場。海外市場では通常通り取引されるものの、ドルと円を交換する取引量は少ない。その分、一つの取引が全体の値動きに与える影響が高まる。投機筋に円売りを仕掛けられやすい環境にあった。
一部通信社が日本政府関係者の話として報じたところによると、「政府・日銀はドル円が160円に達する前に介入する可能性があると発言した」という。
今週の豪ドル/円は100.92円前後、ニュージーランド(NZ)ドル/円は87.70円前後で週初を迎えました。高市政権の財政拡張を巡る懸念や、日銀の追加利上げ時期の後ずれ観測による円売りが週を通して優勢となったため、クロス円は底堅い動きとなりました。豪ドル/円は102.49円前後、NZドル/円88.86円前後まで上値を伸ばしましたが、米国株式市場が調整含みの動きとなったことで、資源国通貨である豪ドル、NZドルの下押し圧力がかかりました。その結果、週初からの上昇率は米ドル/円などと比べると小幅にとどまりました(執筆時)。
豪準備銀行(RBA)が重視する最新の四半期消費者物価指数(CPI、7-9月期)は前年比+3.2%まで上昇しました。さらにRBAは基調インフレ率が2026年後半まで3%を超えると予測しています。そのため、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では来年1回の利下げ(25bp=0.25%ポイント)織り込みが60%未満となっています。来週26日の豪10月CPIが2%台まで低下していたとしても、四半期CPIがRBAのインフレ目標(2~3%)を超えている現状では、RBAの追加利下げ期待が急激に高まるには材料不足でしょう。来週も豪ドル/円は、今週同様に円と株価の動向を睨んだ動きとなりそうです。




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