じわり上昇する金(ゴールド)「米政府閉鎖の副作用」で、この先どうなる!?(XAU/USD 市況と分析)2025/11/27

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じわり上昇する金(ゴールド)「米政府閉鎖の副作用」で、この先どうなる!?(XAU/USD 市況と分析)2025/11/27
 

金(ゴールド)CFD(外為どっとコムの取引口座「CFDネクスト」の銘柄名:金スポット)について、直近の振り返りと今後の予想をまとめました。

※最新の金(ゴールド)レポートはコチラ

金スポット市場レポート:政府閉鎖解消後の「指標ラッシュ」と利下げ見通し、金の行方

米連邦政府機関の一部閉鎖の解消とその影響

米国政府閉鎖は11月12日に終了しました。43日間という過去最長の閉鎖期間となり、トランプ大統領がつなぎ予算に署名したことで、2026年1月30日まで予算執行が可能になりました。

政府閉鎖は米経済に約110億ドル(約1.7兆円)規模の損失を残したとされています。閉鎖期間中は米雇用統計など重要な経済指標の発表が見送られ、FRBの政策判断に大きな支障をきたしました。

「米指標ラッシュ」の状況

政府機関の再開後、延期されていた経済指標が一気に発表される「指標ラッシュ」が発生しています。

9月の米雇用統計は11月20日に発表されました。米労働統計局は政府閉鎖が始まる前にデータ収集を完了していたため、再開後早期に発表となりました。

9月雇用統計の結果:

  • 非農業部門雇用者数は市場予想を上回る伸び
  • 8月分は減少へと下方修正
  • 失業率は約4年ぶりの高水準となる4.4%に上昇

また、10月分の米雇用統計については発表中止が決定され、12月16日発表予定の11月分に組み込まれることになりました。これにより、12月9~10日のFOMC会合前に10月雇用データを確認できないという異例の状況が生じています。

FRBの金融政策と利下げ見通し

12月の利下げを巡ってはFRB内部で意見対立が鮮明化しています。タカ派は根強いインフレを懸念し、ハト派は低迷する労働市場を重視しており、パウエルFRB議長の8年近い在任期間中、目立たなかった内部対立が表面化しています。

パウエルFRB議長は10月FOMC以降、公の場で発言していません。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が近いうちに再び利下げを行う余地があると表明した一方、ムサレム総裁、コリンズ総裁など複数の当局者は利下げに慎重な姿勢を示しています。12月利下げ確率について、市場は80%近くで予想していますが(出所:FedWatchツール)、引き続き注視したいところです。

金(ゴールド)価格への影響と見通し

現状の価格水準

金スポットは10月に4,400ドル付近の史上最高値を記録した後、現在は4,144ドル近辺で推移しています。

金価格を支える構造的要因

金価格の見通しにおいて最も注目すべきは、中央銀行による継続的な金購入です。公的部門による金購入は異例の規模に達しており、現物市場の需給を逼迫させることで価格の下支え要因となっています。

FRBの利下げ継続、ドル安傾向、中央銀行による金購入の増加を背景に、市場ではさらなる上昇が予想されています。

今後の見通しに関する考察

短期的視点(12月FOMCまで)

現在の市場は以下の要因が交錯する難しい局面にあります。

  • 雇用データの空白リスク:10月雇用統計が欠損したことで、12月FOMCは不完全な情報での判断を迫られます。この不確実性は金にとって支援材料となり得ます。
  • FRB内の分裂:パウエル議長の沈黙と内部対立は、金融政策の不透明感を高めています。市場の織り込みが安定しない状況は、安全資産である金への逃避需要を喚起しやすい環境です。
  • 米9月雇用統計の評価:予想を上回る雇用者増加は利下げ観測を後退させる要因ですが、失業率の上昇や過去分の下方修正は労働市場の脆弱性を示唆しており、判断が分かれます。

中期的視点

以下のシナリオが考えられます:

  • メインシナリオ(4,000~4,300ドルのレンジ):12月に0.25%の利下げが実施され、2026年に向けて緩やかな利下げ継続期待が維持される場合、金は現在の水準を維持しつつ、地政学リスクや経済指標次第で上値を試す展開が想定されます。
  • 強気シナリオ(4,300ドル超):米労働市場の悪化が加速し、FRBがより積極的な利下げに転じる場合、あるいは地政学リスクの高まりがある場合、金は上値を追う可能性があります。
  • 弱気シナリオ(4,000ドル割れ):米インフレ指標が再加速し、FRBがタカ派姿勢を強める場合、あるいは米中関係の改善などリスクオン環境が強まる場合、金価格へ調整圧力が強まる可能性があります。

ファンダメンタルズからの結論

米政府機関の一部閉鎖の解消は経済活動の正常化という点ではプラスですが、米指標ラッシュによる市場のボラティリティ上昇と、米10月雇用統計の欠損によるFRBの政策判断の困難化という副作用をもたらしています。

パウエル議長の沈黙とFRB内部の意見対立は、金融政策の不透明感を高めており、これは「安全資産」としての金にとって中期的な支援材料となり得ます。

中長期的には、中央銀行の構造的な金購入需要と、インフレヘッジ需要が引き続き価格を支える構図が続くと考えられます。

金スポット スプレッド大幅縮小のお知らせ

金スポット スプレッド大幅縮小

11月4日(火曜)より『CFDネクスト』にて「金スポット」の現在の提示スプレッドを大幅に縮小いたします。非常に注目度の高い「金スポット」のお取引をぜひこの機会にお試しください。

■縮小開始日時
 2025年11月4日(火曜)~2025年11月28日(金曜)
 提示時間帯:18時~翌3時

■対象銘柄およびスプレッド
 金スポット:0.20→0.15(25%縮小) 
 2025年10月配信実績

『CFDネクスト』の提示スプレッドは固定化されたものではありません。市場の流動性が低い時間帯、主要経済指標の発表前後、ならびに天災地変または金融・経済関連の重大事件など予期せぬ突発的事象の発生時には、スプレッドが変動する可能性がございます。またスプレッド縮小の時期は告知なく終了する場合があります。

金スポット 日足チャート分析(2025年11月27日時点)

金スポット日足チャート

  • 現状: 8月中旬からの強い上昇トレンドがいったん10月上旬にピーク(約4,381)をつけ、その後10月下旬にかけて急落調整しました。しかし、10月末に底(約3,886)を打ってからは、「調整終了からの再上昇フェーズ」に入っています。
  • 直近: ローソク足は陽線と陰線が入り混じっていますが、安値を切り上げながら推移しており、買い意欲の回復が見て取れます。

単純移動平均線(SMA 10)の分析

  • 位置関係: 現在、価格(ローソク足)は移動平均線の上に位置しています。これは短期的には「強気(買い優勢)」のシグナルです。
  • 傾き: 10月の下落局面で下向きだったラインが、横ばいに転じています。
  • サポート機能: 直近のローソク足を見ると、移動平均線が下値支持線(サポートライン)として機能しており、ここで反発している動きが見られます。

RSI(9)の分析

  • 水準: RSIの値は現在65付近です。50%ラインを明確に上抜けており、上昇のモメンタム(勢い)が強い状態です。
  • 過熱感: 70にはまだ到達していません。これは、「買われているが、まだ過熱しすぎてはいない(=まだ上昇余地がある)」ことを示唆しています。
  • 形状: 10月末に売られすぎゾーン(30)で底を打ち、そこから綺麗な右肩上がりを描いています。

総合的なテクニカル分析・見通し

【判定:短期的には「買い」目線 / 上昇トレンド回帰の試み】

チャート形状は「押し目買いからの反転」の形をしています。

  • ポジティブ要素:

    • 価格がSMA(10)を上抜けて維持している。
    • RSIが50を超えて上昇しており、勢いがある。
    • 直近の安値(10月末)を割り込まずに切り返している。
  • 今後のポイント:

    • ターゲット: まずは直近の高値である4,250エリア、そこを超えれば前回の最高値(4,381付近)が視野に入ります。
    • 注意点: 再びSMA(10)を明確に下抜けた場合は、トレンド転換の警戒が必要です。

【結論】今のチャートからは、「下落調整を終えて、再び高値を目指して上昇を開始している最中」と読み取れます。トレンドに逆らわず、押し目(少し下がったところ)があれば買いが検討しやすい局面です。

 

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金(ゴールド)の上昇・下落変動要因

上昇要因

インフレの期待:物価上昇の予測が強まると、金を価値保存手段として買う動きが強まる。
経済的不安定性:経済危機や金融市場の不安定時には、安全資産としての金への需要が高まる。
実質金利の低下:金利がインフレ率を下回ると、金への投資が魅力的になる。
通貨価値の低下:特に米ドルが弱まると、金価格は上昇する傾向がある。
地政学的緊張:紛争や政治的不安が高まると、リスク回避のため金への投資が増える。
中央銀行による購入:中央銀行が金を買い増すと、供給が減り価格が上昇する。

下落要因

インフレ率の安定または減少:物価上昇の懸念が和らぐと、金への投資需要が減少する。
経済的安定:経済が安定し、リスク資産への投資が増えると、金への需要が減る。
実質金利の上昇:金利がインフレ率を上回ると、金に対する魅力が減少する。
通貨価値の強化:特に米ドルが強まると、金価格は下落する傾向がある。
地政学的緊張の緩和:地政学的リスクが減少すると、金へのリスク回避需要が落ちる。
中央銀行による売却:中央銀行が金を市場に売り出すと、供給が増え価格が下がる。

 
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル じわり上昇する金(ゴールド)「米政府閉鎖の副作用」で、この先どうなる!?(XAU/USD 市況と分析)2025/11/27

じわり上昇する金 ゴールド 米政府閉鎖の副作用

このためドルは売り圧力にさらされ、収益を生まない資産である金を下支えしています。一方、米政府閉鎖が正式に終了し、市場のリスク選好が回復したことで、この楽観ムードが金の安全資産としての買いをある程度抑制しています。

現在の状況から見ると、金はマクロ経済とテクニカル面の両方で好材料に恵まれています。FRBの利下げ期待と米国の財政リスク上昇がドル相場を弱めることで、金の中期的な上昇トレンドがさらに固まりつつあります。ただし、米政府の活動再開とリスク選好の回復に伴い、短期的には金価格が変動的な調整局面に入る可能性があります。

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