
本日のロンドン為替市場では、ユーロドルは足もとでの堅調地合いが続く中、経済イベントや要人発言を確認しつつ、NY市場を待つ展開が見込まれる。
経済イベントは、仏・独・ユーロ圏で11月サービス部門購買担当者景気指数の発表が予定されているが、今回は改定値。市場予想(50.8、52.7、53.1)から大きく乖離しない限り市場への影響は限られるかもしれない。また、10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)は前年比で3カ月連続マイナスが見込まれている。こちらも気に留めておきたい。
要人発言では、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。理事会内でも影響力が強い同氏は10月に「インフレ率が目標を下回る懸念が強まれば、追加緩和の正当性が高まる」との見解を示していた。先月27日に公表されたECB理事会議事要旨(10/29-30分)では一部委員からは利下げサイクルが終了したとの見方が明らかとなった。ECBの年内利下げ観測が後退しているなか、専務理事の政策スタンスに変化がないか確認しておきたい。
テクニカル面では、昨日終了時点で7連騰と堅調な動きとなる中、本日は1.1667ドルにある日足一目均衡表・雲の下限が射程に入ってきた。先月中旬と今月1日の上伸はいずれも雲の下限に阻まれており、突破できれば雲の上限1.1731ドルが視野に入りそうだ。
もっともNY時間に入ると、11月ADP全米雇用報告やラガルドECB総裁の議会証言、11月米ISM非製造業指数と注目材料が目白押しとなっている。これらを見極めたいとして手控えムードが広がる事も考えられる。
他方、トルコでは11月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前年比31.60%と、4年ぶりの低い伸びが見込まれている。ディスインフレのペースが鈍ってきている中、結果に注目したい。もし予想を下回る伸びとなった場合、11日のトルコ中銀理事会(現時点で、市場では1.00%の利下げが見込まれている)での大幅利下げ観測が強まるかも気にかけておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の雲の上限1.1731ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:11月26日安値1.1547ドル
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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