【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日銀金融政策決定会合への警戒感から上値が重い展開か

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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日銀金融政策決定会合への警戒感から上値が重い展開か

18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げが決定されたことで140.45円まで下落後、パウエルFRB議長が0.5ポイントの利下げはFOMCが今後継続するペースだと想定すべきではないと釘を刺したことで142.71円まで買い戻された。ユーロドルは1.1189ドルまで上昇後、1.1097ドルまで反落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、FOMCの利下げ幅0.50%を巡る「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」の後、本日からの日銀金融政策決定会合への警戒感から上値が重い展開が予想される。

 ドル円は、FOMC声明を受けて140.45円まで下落後、142.71円まで反発したが、142円台後半の相場水準は、12日にウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が0.50%の利下げの可能性を示唆した水準である。16日には139.58円まで下落したものの、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」の相場格言通りに「往って来い」になっている。

 本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合では、来週27日の自民党総裁選挙の投開票を控えて、現状維持が見込まれている。

 しかし、植田日銀総裁は、記者会見で前回同様のタカ派的な見解を表明すると思われるため、ドル円の上値は限定的だと思われる。

 植田日銀総裁は7月31日の記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.50%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示した。

 4月展望リポートで日銀は、中立金利導出の前提となる日本の自然利子率について「マイナス1.0~プラス0.5%」の範囲と示した。もし、このレンジの下限「マイナス1%」に物価目標2.0%を足すと、日本の中立金利の下限は1%になる。日銀が8月に公表した自然利子率の各種手法に基づいた推計の結果からは、名目の中立金利が少なくとも1%程度と試算されている。

 FOMCのドット・プロット(金利予測分布図)が示唆する米国の中立金利水準は、2.875%程度になっている。

 ドル円は、日米金利差の縮小観測を背景に、161.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーが完成し、上昇トレンドの起点である127.23円(2023年1月16日の安値)に向けたドル安・円高トレンドが想定される。

 リスクシナリオとしては、米国の次期政権がハリス民主党陣営もトランプ共和党陣営も、拡張的な財政政策を標榜していること、すなわち、米国金利上昇の可能性があることになる。

 

 10時30分に発表される8月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)では、失業率が高止まりしていた場合、来週の豪準備銀行(RBA)理事会への影響を見極めることになる。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日銀金融政策決定会合への警戒感から上値が重い展開か

市場概況 東京為替見通しドル円 日銀金融政策決定会合への警戒感から上値が重い展開か

16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続落。終値は140.62円と前営業日NY終値(140.85円)と比べて23銭程度のドル安水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げに踏み切るとの観測を背景に、日本時間夕刻には一時139.58円と昨年7月28日以来約1年2カ月ぶりの安値を付けた。

ユーロドルは3日続伸。終値は1.0904ドルと前営業日NY終値(1.0848ドル)と比べて0.0056ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)が今週6日にも利下げを決めるとの観測が相場の重しとなり、欧州市場では一時1.0828ドルまで値を下げた。

本日の東京外国為替市場のドル円は、5月米ISM製造業景況指数などの悪化を受けて米10年債利回りが低下していることで上値が重い展開が予想される。

メキシコペソは軟調だった。メキシコ大統領選では初の女性となるシェインバウム氏が勝利を収めたが、為替市場ではペソロングを手仕舞う動きが優勢となった。原油先物価格の急落を受けて、産油国通貨とされるペソに売りが出た面もあった。対円では8.80円、対ドルでは17.7476ペソといずれも4月19日以来の安値を付けた。メキシコ株式市場では代表的な株式指数であるボルサ指数は6%を超す急落となった。

東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、実需のドル買いが観測されたことも押し上げ要因となった。午後に入り、上昇が一服すると、日経平均株価が大幅下落となったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、米長期金利の上昇とともに、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。上昇一服後は上値の重い動きとなり、その後下振れする場面もあったものの、終盤にかけて米金利が上昇したこともあり、再び堅調な動きとなった。米株式市場では、FRBの利下げ開始時期の後ずれ観測が後退したことが引き続き材料視され、ダウ平均は序盤から堅調な動きとなった。一方、一部の半導体関連株が売られたことが影響し、ナスダックは序盤から上値の重い動きが続いた。ダウ平均は、下落して始まったものの、その後は堅調な動きが続き、終盤には一時前日比210ドル高まで上昇した。ただ、引けにかけてやや上げ幅を縮小し、172.13ドル高(+0.44%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、29.80ポイント安(-0.18%)で終了した。

ただ、欧米市場では買い戻しが優勢に。9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回り、米景気の底堅さが示されるとドルを買い戻す動きが活発化。1時前には140.91円付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値140.93円が目先戻りの目処として意識されると買い戻しは一服した。米10年債利回りが再び低下に転じたことも相場の重し。

本邦通貨当局による円買い介入以降の反発が外堀の157円台で留まっているのは、日銀の金融政策正常化への警戒感や骨太の方針でのレパトリ減税への警戒感によるものだと思われ、当面は上値が重い展開を想定せざるを得ないのかもしれない。

日本銀行では、2007年1月4日以降、外国為替市況を毎営業日の営業時間終了後にホームページ上で公表しております。本統計は、外国為替市場参加者からの情報を基に作成しており、訂正が入る可能性がある旨ご留意ください。

今月の米国の重要イベントは、昨日発表された5月ISM製造業景況指数や7日に発表される同月雇用統計を受けた11-12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)となっている。経済指標の改善や悪化に関わらず、FOMCでは金融政策の維持が見込まれており、注目ポイントはドット・プロット(金利予測分布図)での利下げ回数が3回のままなのか、それとも1-2回へ減るのかとなる。

(1)東京市場では、前日の海外時間にFRB高官が「金利を長期間現在の水準で維持する方針」との見解を示したことが改めて材料視されて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも後押し材料となった。その後、衆院財務金融委員会での鈴木財務相や植田日銀総裁の発言が慎重と受け止められたことで、連休中に為替介入に踏み切ったと見られている157円台近辺までは新たな動きはないとの思惑から円売りが続き、ドル/円は序盤の154.55から155.26まで上昇した。(2)午後に入り上昇が一服すると、日経平均株価が前日比675円安まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、その後は米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、欧州時間から米長期金利の上昇が続いたことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の155.49から155.68まで上昇したものの、上昇一服後は上値の重い動きとなった。その後、155.36まで下振れする場面もあったが、終盤にかけて米金利が上昇したこともあり、ドル/円は155.66まで再び上昇した。

3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は156.08円と前営業日NY終値(157.31円)と比べて1円23銭程度のドル安水準だった。5月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の49.6を下回ったほか、4月米建設支出が前月比0.1%減と予想の0.2%増に反して減少すると米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.38%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.95円と日通し安値を更新した。米株式市場でダウ平均が一時430ドル超下落したことも相場の重し。

日本の注目イベントは、追加利上げや国債買い入れオペの減額、撤廃が警戒されている13-14日の日銀金融政策決定会合。また、レパトリ減税が警戒されている今月末の経済財政運営と改革の基本方針(「骨太の方針」)も注視されており、ドル円の上値を抑える要因となっている。

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