来週の為替予想(米ドル/円)「150円目指すには新たな材料が必要か」ハロンズ FX 2024/9/21

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来週の為替予想(米ドル/円)「150円目指すには新たな材料が必要か」ハロンズ FX 2024/9/21
 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

執筆日時 2024年9月20日 17時25分

150円目指すには新たな材料が必要か

ドル/円年初来安値更新

米FOMCでの大幅利下げ期待から、米ドル/円は週初に139.576円まで下落したものの、その後は緩やかに戻りを試しました。注目された米FOMCでは0.5%利下げが実施されたことが明らかとなると、米ドル/円は140.431円まで瞬間的に下げたものの、パウエルFRB議長による米国のリセッションが差し迫っていない旨の発言が投資家に安堵感を与えたため、米ドル/円は143.948円までの戻りを試しました。その後、141.737円まで下げる場面はあったものの、日銀の年内追加利上げ期待が剥落したため、米ドル/円が143.70円レベルまで切り返すなど、荒い値動きとなりました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX実践解説、ドル円が急騰、FOMC通過で相場はどう変わるか(2024年9月19日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

米PCEは材料視されず

米FOMCでは、金利見通しであるドットチャートの中央値は6月時点より低下し、24年末は4.375%、25年末は3.125~3.375%へ引き下げられました。0.25%利下げを1回とすれば、年内あと2回の利下げ、来年は5・6回の利下げが示唆された格好です。米国の金利先安観は、この後も米ドル/円の上値は抑制されやすいと考えます。株式市場は今回のFRBの行動にある程度満足しているため、株高を通じた円売りバイアスが米ドル/円を下支えする可能性はあるものの、米大統領選挙の行方次第では株価が崩れる展開も考えられ、日銀の追加利上げ期待が後退したとはいえ、米ドル/円が本格的に反発するかはまだ見通しづらい状況に感じます。150円回復には米失業率の大幅低下などの米成長再加速や、日銀の金融政策の方向転換など新たな材料が必要と思われます。

来週は、インフレに対する警戒心は後退する中で、27日に米金融当局が政策運営で着目する個人消費支出(PCE)価格指数が発表されます。CPIでのインフレ加速を受けて同指標への警戒はあるものの、集計する際の各項目の重みが違うことから、PCE価格指数はCPIのようなサプライズは起きにくいとの見方が優勢です。しかも、FOMCにおいて、この先の金融政策についてある程度、方向付けがなされたこともあり、PCE統計への反応は限定されそうですが、一応、注意しておきたいです。

200日線を下回る状態は継続(テクニカル分析)

米ドル/円は直近の下降レジスタンスライン付近へ戻し下落ペースは緩んでおり、もう少し戻りを試す可能性は意識されます。しかし、強弱判断の200日線を下回る状態が続いているため、方向性はまだ下向きのままのように感じられます。21日線の上側で定着出来れば反発の勢いも増しそうですが、それでもボリンジャーバンド+1σレベル(145.336円、19日時点)付近が戻り高値としては良いところではないでしょうか。下方向は16日安値の139.576円が支持線として機能するかどうかに着目したいと考えています。

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足チャート

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:139.000-145.000

9/23 週のイベント:

スケジュール

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

一言コメント

日本政府観光局によれば、8月の訪日外国人数は、推計値で前年同月比36.0%増の293万3000人だったそうです。円安さまさまと言ったところでしょうか。ただ、東アジアや欧州などで学校の夏季休暇が終わり、訪日客は減少気味だそうな。そう言われれば、子供連れの外国人の姿が減ったように感じます。

 
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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 来週の為替予想(米ドル/円)「150円目指すには新たな材料が必要か」ハロンズ FX 2024/9/21

来週の為替予想 米ドル 円

図表4は、AIが予測した各シナリオにおけるドル円レートの推移と、各シナリオの発生確率を示している。AIの分析によると、最も発生確率が高いのは「現状維持シナリオ」で40%となっている。これは、短期的には急激な変化よりも緩やかな推移が予想されることを示唆している。次いで高い確率が割り当てられているのは「日米金融政策収束シナリオ」で30%である。この二つのシナリオで全体の70%を占めており、AIは比較的安定した市場環境が継続する可能性が高いと予測していると解釈できる。一方、「グローバル経済混乱シナリオ」には20%の確率が割り当てられており、世界経済の不確実性も無視できない水準で存在していることを示唆している。

9/6の米8月雇用統計が強弱混在する結果となり、それまで下落傾向となっていたドルが反発したことを受けたドル円の上昇にサポートされたほか、9/10発表の南ア7月製造業生産が前年比+1.7%と6月(-5.5%)からプラスに転じ、市場予想を上回ったことから8円05銭へ上昇。ただ、9/11に中川日銀審議委員によるタカ派寄りの発言に加え、日経平均株価が7日続落したことを受けたドル円の140円台後半への下落とともに7円85銭へ下落したものの、その後の米8月消費者物価指数を受けてドル円が9/12にかけて143円台を回復したことやFRBの0.50%利下げ観測が再燃したことから対ドルでの上昇とともに8円00銭を回復。しかし、9/13にドル円が140円29銭まで下落したことに伴い7円90銭へ下落し7円93銭で取引を終えました。日足・転換線や基準線(8円05銭/8円08銭)が上値抵抗線として意識される中、今週の日米金融政策決定会合を受けて両国の金融政策の方向性の違いが明確になり、ドル円が140円割れを試すことになれば200週移動平均線(7円75銭)を試す可能性があるかもしれません。一方、FOMCで年内の1.0%利下げが否定され、日銀の追加利上げに慎重な見通しが示され、ドル円が反発に転じれば転換線や基準線を回復するとも思われます。また、今週9/18発表の南ア8月消費者物価指数を受けて0.25%の利下げが見込まれる9/19の政策委員会に続き11月の追加利下げ観測につながるか注目されます。南ア中銀の利下げが南ア経済の下支えにつながるとの前向きな見方につながるか、さらに南ア最大の貿易相手国である中国が家計支援のための景気対策を打ち出す可能性があるとの見方もあるだけに7円台後半で下げ止まる底堅さを確認できるか注目されます。

9/9の95円71銭を高値に豪最大の貿易相手国である中国の景気減速懸念が上値抑制につながる中、9/11にかけて日経平均株価が7日続落したことや米8月消費者物価指数を受けてFRBの0.25%の利下げ観測が高まったことを受けた対ドルでの下落とともに8/6以来の93円60銭へ下落。その後、9/12にドル円が143円台を回復したことに伴い95円67銭へ反発。ただ、ここでも96円00銭を回復できないまま、9/17-18のFOMCで0.50%の利下げの可能性が再燃したことを受けた日米金利差縮小の思惑に伴うドル円の140円29銭までの下落とともに94円17銭へ反落し94円41銭で取引を終えました。現在4.35%の豪中銀の政策金利について、金利先物市場は年内の利下げ再開を約8割織り込む中、9/19発表の8月雇用統計や翌週9/25発表の8月消費者物価指数を控え、先週同様96円00銭からの上値の重い値動きが続くことが想定されます。また、9/17-18のFOMCに続く9/19-20の日銀金融政策決定会合がハト派/タカ派と日米金融政策の方向性の違いが一段と鮮明になり、ドル円が140円割れへと円高が加速することになれば8/5の90円16銭、さらに90円00銭割れの可能性も否定できません。一方、9/13に豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行が公表したレポートで、中国政府が家計支援のための景気対策を打ち出す可能性があるとの見方を示しており、こうした動きが明らかになれば豪ドルを一定程度下支えするかもしれません。こうした状況を踏まえ週足・雲の下限(93円40銭)を下抜け90円00銭を試すのか、上限(97円20銭)を回復するか注目されます。

ポンドドルは9/9の1.3143ドルを高値に?英中銀がFRBやECBに比べ緩やかな利下げ局面に入る可能性を想定したポンド買いが一巡したとの見方 ?来年の最低賃金について政府委員会が市場観測の10%を下回る6%の引き上げ勧告に留まったこと ?9/11の米8月消費者物価指数を受けてFRBの0.25%利下げ観測が確実視されたことを受け1.3002ドルへ下落。ただ、FOMCでの0.50%の利下げ観測が再燃する中、9/13発表の米8月輸入物価指数が下振れたことを受けた米長期金利の低下とともに1.3158ドルへ反発し1.3124ドルで取引を終えました。一方、ポンド円は、9/9の188円12銭を高値にドル円が昨年12月以来の140円71銭へ下落した9/11に183円73銭へ下落したものの、その後のドル円の143円台前半を回復したことを好感し186円74銭へ反発。しかし、9/13にはドル円が140円29銭まで下落したことに伴い184円38銭へ反落し184円82銭で取引を終えました。ポンドドルは9/17のドイツZEW景況感指数や米8月小売売上高に続く9/18の英8月消費者物価指数の反応に加え、9/17-18のFOMCや9/19の英中銀政策委員会を受けて日足・転換線(1.3120ドル)を上抜けるか、基準線(1.2996ドル)を下抜けるか注目されます。英中銀がFRBやECBに比べ緩やかな利下げ路線を継続するとの見方が再燃するか注目。転換線を上抜ければ9/6の1.3238ドル、基準線を下抜ければ8/19の1.2890ドルを目指して下落を加速させる可能性があります。また、ポンド円は日米英の金融政策会合を受けてドル円が心理的節目とされる140円00銭を割り込み円高が加速する展開となれば180円割れを試す可能性がある一方、FOMCで年内の1.0%利下げが否定され、日銀の追加利上げに慎重な見通しが示され、ドル円が転換線や基準線(143円75銭/144円80銭)を回復する想定外の結果となれば転換線や基準線(188円54銭/188円60銭)を回復する可能性もあるかもしれません。

依然としてドルの上値は重い展開が続いている中、16日(月)は東京市場が祝日のため休場であったこともあり、150円、145円の節目を下抜けして来たドル円は、ついに140円台も抜いて来ました。139円58銭まで売られ、2023年7月以来となるドル安水準を記録しました。今年7月に記録した161円95円の高値からわずか2カ月半で、実に22円以上(13.8%)のドル安が進んだことになります。かなりのスピードでドルが売られたことが分かります。一時は25bpで固まりつつあった今週19日のFOMC会合での利下げ幅が、急速に50bpへと利下げ観測が修正されたことでドル売りが活発になりました。

さらに、AIに対して「想定外の複数のシナリオを前提に、2024年9月末、12月末、2024年3月末のドル円価格を予測してください。またその根拠も教えてください」と指示をした。AIは前提条件として「これらは通常では考えにくい状況ですが、金融市場に大きな影響を与える可能性のあるシナリオです」としたうえで、日本の急激な金融政策転換、米国経済の急激な悪化、地政学的ショック、技術革新による経済構造の激変の4つのシナリオを挙げ、2024年9月末、12月末、2025年3月末の価格予測と根拠を示した(図表3)。これらのシナリオは確かに「想定外」の要素を含んでおり、市場に大きな影響を与える可能性がある事象を適切に捉えている。特に、技術革新による経済構造の激変というシナリオは、近年のAI技術の急速な発展を考慮すると非常に興味深い。ただし、これらの想定外シナリオにおける価格予測は、その性質上非常に不確実性が高いため、具体的な数値よりも、各シナリオが市場にもたらす可能性のある影響の方向性や大きさに注目すべきである。

ユーロドルは9/9の1.1091ドルを高値に追加利下げが見込まれる9/12のECB理事会を控え上値が重く、9/10にドイツ自動車大手フォルクスワーゲンの工場閉鎖に続き、業績見通しを下方修正したこと、さらに9/11発表の米8月CPIでエネルギーを除くインフレの高止まりを受けて1.1002ドルへ下落。ただ、9/12のECB理事会では「会合毎にデータを精査し、特定の金利の道筋を予め確約しない」とのスタンスが維持され、10月の連続利下げの可能性が後退したとして反発。また、9/13には9/17-18のFOMCでの0.50%利下げ観測も否定できないとして1.1102ドルへ上昇し1.1076ドルで取引を終えました。こうした中、ユーロ円は9/9の158円73銭を高値にドル円が140円71銭へ下落した9/11に8/5以来の155円46銭へ下落したものの、対ドルでの1.10ドル台前半から後半での底堅い値動きにサポートされた一方、ドル円の軟調地合いが続いたことや日経平均株価が9/12の上昇を除いて冴えない動きが続いたこともあり9/13には155円62銭へ下落し155円99銭で取引を終えました。今週は、?日米金融政策会合の行方や英中銀政策委員会の結果に対する反応 ?9/16のデギンドスECB副総裁から9/20のラガルドECB総裁まで連日で複数のECB幹部による発言 ?9/16のユーロ圏4-6月期労働コスト指数や9/17のドイツZEW景況感指数に注目。これらを受けてECBの10月追加利下げ観測が再燃する可能性もあり、日足・転換線(1.1078ドル)が上値抵抗線として意識される展開となれば9/11の1.1002ドルを下回り8/15の1.0950ドルを目指して下落基調が再燃するか注目されます。また、ユーロ円も日米金融政策の方向性の違いからドル円が140円割れとなれば8/5の154円42銭を下回り昨年12/9の153円23銭や昨年7/28の151円42銭を試すことになるか注意が必要です。ただ、FOMCが想定ほどハト派色の強い内容とならず、ドル円も140円割れを回避することになれば週足・雲の上限(160円48銭)の回復を目指して反発に転じる可能性もあるだけにドル円の動向と合わせて注目されます。

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