ドル円、一時147.30円台…中東情勢緊迫化による欧米株価動向に注目
欧米時間のドル/円予想レンジ:147.200-148.900円
東京市場のドル/円は、148円台前半の上値が重い展開。日本株の下落や中国株の上げ幅縮小を背景に一時147.50円台まで反落しました。その後、午後にかけて持ち直したものの148.10円台で再び伸び悩みました。欧州市場に入ると「イスラエル、レバノン南西部にてヒズボラへの局地的な軍事攻撃を開始」と伝わると147.35円前後まで下落する場面もありました。
米金利先物市場は、11月連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp(0.25%ポイント)利下げを9割弱織り込む一方で、1割強は据え置き(利下げ見送り)の織り込みとなっています。そうした中で、今夜から明朝にかけて複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官による講演が予定されています。発言を受けて市場の利下げ観測に変化があるか注目です。他方で、中東情勢が警戒される中で欧米の株価動向にも目配りが必要でしょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、移動平均線に挟まれていることから明確なトレンドが出ておらず、148円を挟んだ値動きとなっています。149円台で上値が重い一方で147円台前半で下げ渋るなど約2円程度のレンジとも見れます。同レンジ内での推移が続くか、レンジ上下限をブレイクして新たな動きが出るか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
10/8(火)
21:30 カナダ8月貿易収支
21:30 米8月貿易収支
25:45 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
26:00 ナーゲル独連銀総裁講演
26:00 米3年債入札(580億ドル)
29:00 コリンズ米ボストン連銀総裁講演
10/9(水)
08:30 ジェファーソンFRB理事講演
09:00 ケントRBA総裁補
10:00☆RBNZ政策金利
※☆は特に注目の材料
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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ドル円 一時14730円台中東情勢緊迫化による欧米株価動向に注目 NY市場の見通し
同氏は、この対立が収束すれば、相場全体とハイテク銘柄は回復すると予想している。この日はハイテク銘柄の下げがきつい。アップルは2.9%、エヌビディアは3.7%それぞれ下落した。ナスダック100指数は1.4%安。一時は2%余り下げたが、午後に下げを縮めた。
スポット価格は一時1.5%高。逃避資産として買われた。
エバコアISIのエコノミスト、スタン・シップリー氏は「きょうの経済指標は10年債利回りやドル、さらに雇用サービス関連株への重しになるだろうが、(4日に発表される)雇用統計の方が影響力は大きい」と分析。その上で、「米国債市場にとっては中東の地政学情勢に関するニュースがより重要だ」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は1.66ドル(2.4%)高の1バレル=69.83ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は1.86ドル(2.6%)高の73.56ドルで引けた。
金スポットはニューヨーク時間午後4時5分現在、0.9%高の1オンス=2658.78ドル。ニューヨーク商品取引所の金先物12月限は30.90ドル(1.2%)高の2690.30ドルで引けた。
シティー・インデックスのアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「停戦の動きが見られなければ、原油価格は今後数日でさらに5ドル上昇する可能性がある」と指摘。その上で「しかし、供給が実際に混乱しない限り、需要に対する懸念とリスクテーク意欲の減退が上値余地を限定する」と予想した。
米国の東海岸とメキシコ湾に面したすべての主要港で港湾労働者がストライキ入りしたことを巡っても、懸念が広がっている。コンテナ貨物の主要港で作業停止が長引けば、それだけ経済的損失も大きくなるためだ。経済的損失は1日当たり38億ドル(約5460億円)から45億ドルに上ると、JPモルガン・チェースは試算している。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時5.5%上昇し、バレル当たり72ドルに迫る場面があった。その後はやや上げ幅を縮小した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%上昇した。
外国為替市場ではドルが主要10通貨のうち、カナダ・ドルを除く全てに対して上昇。イランがイスラエルに大規模なミサイル攻撃を仕掛け、中東情勢が緊迫化した。
TDセキュリティーズのFXストラテジスト、ジャヤティ・バラドワジ氏は「中東情勢の緊迫化に伴う世界的なリスクオフの動きで、ドルは上昇している」と指摘。「この状況を受け、最近まで米利下げの織り込みや中国刺激策のニュースの恩恵を受けてきたリスクに敏感な主要通貨に、一定の下落のリスクが生じている」と分析した。
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