11日の日経平均は3日続伸。終値は224円高の39605円。米国株安はネガティブ視されず、寄り付きは200円を超える上昇。いったん急速に値を消したが、前日終値に接近したところでマイナス圏入りを回避して切り返すと、再び上げ幅を3桁に広げた。決算が好感されたファーストリテイリングが大きく上昇し、全体をけん引。指数は39600円台で買いが一巡し、後場に入ると三連休を前に動意が乏しくなったが、200円を超える上昇で取引を終えた。ファーストリテイリングの日経平均に対する貢献度が大きく、TOPIXやグロース250指数は下落した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では銀行、小売、保険などが上昇した一方、不動産、陸運、金属製品などが下落した。本日の相場の主役となったファーストリテイリングが6.1%高。1銘柄で日経平均を約277円押し上げており、売買代金は全市場でトップとなった。半面、通期の利益見通しを引き下げたオーエスジーが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり503/値下がり1086と、日経平均は上昇したが値下がり銘柄は多かった。米9月消費者物価指数が市場予想を上回り、米国の長期金利が高止まりしたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。主力どころではアドバンテスト、フジクラ、川崎重工に強い動きが見られた。決算と併せて自己株取得を発表したSHIFTが、商いを伴って7%近い上昇。本決算を材料にコシダカHDがストップ高まで買い進まれた。
一方、通期の利益見通しを引き下げたセブン&アイが下落。レーザーテック、信越化学、メルカリなどグロース系の銘柄の一角が軟調となった。米長期金利の高止まりが嫌気されて、三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み安。上期が計画未達となったトレジャーファクトリーや下方修正を発表した松竹が急落した。
本日、グロース市場に新規上場したオルツは、公開価格を上回る初値をつけ、終値も初値を上回った。
日経平均は3日続伸。ファストリさまさまの上昇ではあったが、三連休前に警戒ムードが高まらなかったことはポジティブ。値下がり銘柄は多くTOPIXは下げているだけに、ファストリが逆の動きをしていた場合、節目の39000円を割り込んでいた可能性もあった。終値は39605円で、40000円の大台も射程圏内に入ってきた。自民党総裁選の結果を消化した9月30日に日経平均は1910円下げたが、その前営業日9月27日の終値は39829円で、これを超えてくれば、株式市場は石破新政権に期待しているとの見方が強まる。三連休明けの15日は、衆議院議員選挙の公示日。「選挙は買い」のアノマリーが見られるかどうか、来週以降の動向が大きく注目される。
【来週の見通し】
一進一退か。月曜が祝日で立ち合いは4日。火曜15日までで2月決算企業の業績発表が概ね一巡し、3月決算企業の業績発表を前に多くの銘柄が手がけづらくなる。16日にASML(オランダ)、17日にディスコ、TSMC(台湾)が決算発表を予定しており、この近辺ではグローバルで半導体株の振れ幅が大きくなる可能性がある。また、欧米の長期金利動向を見る上では、17日のECB理事会および米9月小売売上高が注目される。米国では一足先に決算発表が出始めるだけに、各種材料に一喜一憂することになるだろう。ただ、決算待ちの状況下では、商いの盛り上がりが期待しづらい。日経平均もここからもう一段上昇して40000円に接近するようなら、いったんはやれやれ売りが上値を抑えると思われる。上への期待も下への警戒もそれほど高まらず、指数は方向感に欠ける動きが続くと予想する。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 株式明日の戦略3日続伸で週間では大幅上昇 来週は方向感が出づらいか
8日09:34 豪準備銀行(RBA)議事要旨 「前回会合以降に受け取った情報はまちまち、総合すると今回の会合時点での経済見通しの評価は大きく変わっていない」 「基調的なインフレ率は依然として高すぎ、四半期ベースでは前年比でほとんど低下していない」 「現在の金利水準がインフレと労働市場へのリスクを最もバランスよく保っているという評価を変えるほど、前回の会合から変化はなかった」 「将来の金融環境が現在よりも制限的でなくなる可能性がある」 「現在の金融状況がインフレを目標に戻すには不十分な制約であることが判明した場合、金融政策を引き締める必要がある可能性もある」 「インフレ率を目標に戻すことは引き続き理事会の最優先事項であり、理事会はその成果を達成するために必要なことを行う」
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