人間洗濯機が復活へ 開発者の思い

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人間洗濯機が復活へ 開発者の思い
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人間洗濯機が復活へ 開発者の思い

転機は21年。サイエンスのシャワーヘッドのテレビCMを見て、「自分が考えている人間洗濯機の改良に応用できるのでは」と直感。サイエンスに電話を入れた。

─万博に展示する人間洗濯機を話せる範囲で。

18年にミラブルを発売したときはすでに人間洗濯機の開発に入っていた。だから、かなり前から弊社の場合は万博に賭けていた。そしていよいよ来年、大阪ヘルスケアパビリオンでお披露目する。

現在は、万博に向けた開発日程などを助言する立場だ。実際の開発は、孫のような年齢の若手技術者たちが担う。

20年ほど前に勤め先を退職してからも、山谷さんは人間洗濯機への思いを断ち切れず、「どこかの企業に持ち込もう」と考え、企画書を練り続けていた。

今回の人間洗濯機の特徴は?

最初はコンセントを差して使う美顔器のようなスタイルを考えたが、それでは生活に溶け込まないと思い直した。僕らが毎日の習慣でネクタイを締めるように、日々の習慣に溶け込ませる必要があるからだ。そうでないと面倒になって使わなくなる。 そこで思いついたのが毎日浴びるシャワーだった。小さなシャワーヘッドの中で超微細な気泡を発生させるのは本当に困難だったが、開発者らの努力もあって2年がかりで完成させた。 当時のシャワーヘッドといえば、壊れたら交換する程度の認識しかなく、シャワーヘッドに価値を求めて交換する文化は全くなかった。市販のシャワーヘッドが2、3千円で買える時代なのに、ミラブルの販売価格は4万円弱。それでも5年で150万個を超える大ヒットとなった。

流線形のカプセルの中にモデルが入ると、ジェットバスのように泡が噴射して全身を洗う――。70年万博のサンヨー館で展示された「ウルトラソニックバス」(通称・人間洗濯機)は、新時代の暮らしを予感させる技術の一つだった。

山谷さんは「僕の時の人間洗濯機は体を洗うだけだったが、今回は体のコンディションをセンサーで判断する先進的な部分が加わっている。日本の技術力を世界にみてもらいたい」と期待を寄せる。

人間洗濯機開発の中で生まれた、肌状態に合わせた水流の発生という技術を、今回のシャワーヘッドに搭載。万博に先駆けて発売するに至った。

【シリウスの入浴介護用品「スイトルボディ」】 ◆シリウスの社長・亀井氏が満を持して世に送り出したのが入浴介護用の「スイトルボディ」です。 この「スイトルボディ」の試作品を、ある特別養護老人ホームで使ってもらったところ、次のような結果が出ました。 ≪老人ホーム≫ 週2回、通常入浴介助2人の手で30分かけて実施。その際、水を1,000リットル使用。 ≪スイトルボディ≫ 1人洗うのに、水温42℃の水を1リットルしか使わず、しかもわずか10分で終了。 寝たきりのおじいさんに試してもらったのですが、お湯がほとんど漏れず、寝ながらにして身体を洗うことができました。 ◆実は、この「スイトルボディ」はある物が原点になっていました。 1970年の大阪万博でサンヨーが出展した「人間洗濯機」のプラモデルです。亀井氏が6歳の時、この「人間洗濯機」を見て、「この洗濯機に入って、体を洗ってみたい!」と思ったそうです。50年以上も昔、今の時代を見越していたのです。 「昔なのに近未来的。それを甦らせている」と亀井社長は言っています。サンヨーは消滅しましたが、そのモノづくりの精神は亀井社長にしっかりと受け継がれているのです。

会社に足を運び、サイエンスの青山恭明会長(63)が、70年万博で人間洗濯機を見た少年の一人だと知った。「当時の開発のコンセプトや、万博展示のノウハウを教えてほしい」と協力を求められ、技術顧問に就任した。

ミライ人間洗濯機は体を洗うだけではない。背中に触れるセンサーでストレスや疲労度を計測。心身の状態に合わせた映像を流し、リフレッシュできる空間を追求する。万博では来場客にも体験してもらう方向で一般公募する予定だ。

思い切って電話すると、サイエンスは、大阪・関西万博で大阪府などが出展する大阪ヘルスケアパビリオンに参加し、「ミライ人間洗濯機」を展示する準備を進めている最中だった。

そして数年前、あるテレビのCMを目にした。大阪の企業「サイエンス」が開発したシャワーヘッド「ミラブル」だ。小さな泡が汚れを浮かせて落とす仕組みで、自身が考えた「超音波」とは理論が違うが、「これで人間洗濯機が実現できる」と衝撃を受けた。

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