今晩は決算発表に注目。昨日は業績警告を発表したオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが急落したことを受けて半導体株が軒並み安となったほか、通期見通しを引き下げたユナイテッドヘルスが大幅安となったことも重しとなり主要3指数がそろって3日ぶりに反落。ダウ平均が0.75%安、S&P500が0.76%安となり、ナスダック総合は1.01%下落した。ただ、下巻ではダウ平均が0.97%高、S&P500が0.92%高、ナスダック総合が0.70%高とそろってプラス圏を維持した。
今晩の取引では、昨日大幅安となった半導体などのハイテク株を中心に反発が期待されるが、発表が本格化した第3四半期決算がポイントとなりそうだ。ラス・ベガス・サンズ、プロロジス、モルガン・スタンレー、アボット・ラボラトリーズ、USバンコープ、シチズンズ・フィナンシャルなどS&P500採用の14銘柄が発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。
今晩の経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、9月輸入物価など。企業決算は寄り前にラス・ベガス・サンズ、プロロジス、モルガン・スタンレー、アボット・ラボラトリーズ、シチズンズ・フィナンシャル、引け後にクラウン・キャッスル、CSX などが発表予定。(執筆:10月16日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通しモルガンスタンレー プロロジスなどの決算発表に注目
来週の米国株は、企業決算への期待感先行で、主要3指数はそろって史上最高値更新の強い動きを示す可能性がある。中東情勢の緊迫化や、大型ハリケーン上陸に伴う経済への影響などは引き続き重しとなっており、先行き警戒感を示すVIX指数は20ポイント台で推移している。ただ、中国当局による景気刺激策に対する期待感や、ソフトランディングに伴う楽観的な企業決算見通しの高まりなどが相場の下支えとなろう。来週決算発表を迎えるシティグループやバンカメ、ゴールドマン・サックス(GS)は、JPモルガンなどの好決算を受けて、株価は今週末の時点で既に上昇している。来週は、GSのほか、ユナイテッドヘルス、プロクター&ギャンブル、トラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン5社のNYダウ構成銘柄の決算発表を控えていることから、NYダウの動向に注目したい。
本記事では、米大手ヘルスケア企業であるユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の2024年1-3月期の決算を振り返り、7月16日に控える2024年4-6月期決算の見どころを解説します。同社の株価は、年初来から約6.5%下落と低調に推移していますが、アナリストからの「強い買い」評価を維持しており、長期的な成長見通しを期待されています。事業は、医療保険を提供する「ユナイテッドヘルスケア」部門と、医療関連サービスを提供する「オプタム」部門の2つに分かれています。前期の振り返り:予想を上回る収益と、懸念払拭で株価上昇4月16日に発表された2024年1-3月期決算では、売上高・EPSともに市場予想を上回る結果となりました。また、アナリストから懸念されていた子会社へのサイバー攻撃による影響が限られ、24年12月期通期の業績見通しを据え置いたことから、株価は5%上昇となりました。売上高:$998.0億(予想:$992.6億)EPS:$6.91(予想:$6.62) セグメント別では、ユナイテッドヘルスケア部門が2,100万人の顧客数の増加から、売上高は前年同期比7%増の754億ドルとなりました。オプタム部門は、患者サポートを行う「オプタムヘルス」と薬局サービス「オプタムRx」の成長が牽引し、売上高が前年同期比13%増の610億ドルとなりました。アンドリュー・ウィッティ最高経営責任者(CEO)は「昨年開始した長期的な視点と慎重な複数年アプローチが功を奏し、持続可能で競争力のある立場に立つことができたと考えています」と声明で述べています。子会社のチェンジ・ヘルスケア社に対するサイバー攻撃に関しては、影響を受けたプロバイダーに60億ドルの前払い金と貸付金を支払ったことが発表されました。チェンジ・ヘルスケア社は2022年10月に買収を完了したばかりで、不正侵入を許した原因として、システムのアップグレード途中だった点が挙げられています。4-6月期の注目点:オプタム部門の成長性は2024年4-6月期のユナイテッドヘルス・グループの「売上高予想は$987.7億、EPS予想は$6.71」、平均目標株価は$576.7です。アナリスト予想は1ヶ月ほど更新がなく、業績と予想の差分が決算発表後の株価変動に反映されやすいと想定されます。また、一部のアナリストは、サイバー攻撃の混乱からメディカルケアの利用状況が不透明になっていることを指摘しており、基本的な利用動向が第2四半期の決算内容から明らかになることを期待しています。在宅医療サービスの成長に期待かユナイテッドヘルス・グループは、2023年の投資家向け説明会にて今後数年間にわたり在宅介護サービスへの投資と拡大を進めることを強調しつつ、在宅医療が将来戦略の中核となる可能性を示しています。同社は、2023年2月に在宅医療事業のLHCグループを54億ドルで買収し、オプタム部門に統合しました。同じく在宅医療プロバイダーである「アメディシス」についても買収計画が明らかになっており、買収は2024年下半期に完了する予定です。また、引き続きMAの機会を探求し、資本配分を株式買い戻しと配当のバランスを取りながら運用する姿勢を示しています。同社は連続増配年数15年を記録し、10%を超える高い増配率も継続しています。
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