午前の為替予想は… 雇用と小売次第で150円乗せも
作成日時 :2024年10月17日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
ドル円予想レンジ
148.800-150.500円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は再び150.00円をうかがう展開。英9月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したため英中銀(BOE)の追加利下げ期待が高まった上に、欧州中銀(ECB)が翌17日に追加利下げを実施することが確実視される中で、対欧州通貨を中心に全般的にドル買いが強まった。また、前日に下落した米国株が反発したことも円売り・ドル買いを支える一因となり、一時149.81円前後まで上昇。終値は前日比0.3%円安・ドル高の149.63円前後だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策策定の軸足が物価から雇用に移る中、本日は米新規失業保険申請件数が発表される。当該週はフロリダ州をハリケーン「ミルトン」が直撃したため、その影響で新規失業保険申請件数が高止まりすると市場は予想している。また本日は米9月小売売上高も発表される。米国の国内総生産(GDP)の約7割を個人消費が占めていることから、米国の景気動向を見極めるうえでも注目したい。ドル/円はこれらの経済指標の結果次第では再び150円台を試す動きとなりそうだ。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 雇用と小売次第で150円乗せも 2024
4月25日の金融政策決定会合で、円安阻止に向けた政府の日本銀行の連携への期待を、日本銀行自らが崩してしまった。日本銀行が再び政府との強い連携をアピールし、また、円安けん制の口先介入を行えば、政府の為替介入策と合わせて、最悪ケースでも1ドル165円前後で円安ドル高の流れを食い止めることができるのではないか、と現状では考えておきたい。
もとより、先般の日米金融政策会合で、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策判断はデータ次第という基本姿勢と、日銀の極めて慎重な緩和修正の舵取りが、それぞれ確認されており、市場では日米金利差の高止まりは当面続くとの見方が強い状況です。また、主要先進国・地域で金融緩和の動きがみられるなか(図表1)、米政策金利の相対的な水準の高さが顕著となっており、これらがドル高・円安を進行させる一因になっていると考えます。
実際、3日のFX市場では円がドルに対して買われたものの、ポンドや豪ドル、ユーロは買われなかった。これらの国・地域の中央銀行は利下げに着手したり、今後の利下げが見込まる局面に入っており、日銀が利上げを示唆している円はより買われやすい状況にあるようだ。
●ドル円は心理的節目の160円に接近、日米金利差の高止まりは当面続くとの見方などが背景に。●市場は160円を介入警戒水準として意識、ただ介入で重要なのは特定水準ではなくボラティリティ。●相場安定で160円台乗せなら介入の必要性は低下、トレンド転換は日米金融当局の動き待ち。
ドル円相場(USD/JPY)は4日午前の東京市場で一時、144.87円をつけた。3日午前には147.20円をつける場面もあったが、2.33円の円高が進んだ形だ。ドル円相場は8月5日に141.66円の円高を記録した後、7月小売売上高などで経済の堅調さが確認された15日には149円まで円安に振れたが、その後は改めて円高圧力が強まっている。
ただ、為替介入実施の判断基準については、為替レートの変動率(ボラティリティ)がより重要であり、160円というような特定の為替レート水準では必ずしもないと考えます。参考までに、ドル円の予想ボラティリティをみると、ドル売り・円買い介入が実施されたとみられる4月29日には、期間1週間、1カ月とも大きく上昇しましたが、現時点では、そのような動きはみられません(図表2)。
ドル円は6月24日、一時1ドル=159円92銭水準をつけ、心理的節目の160円に接近しました。背景には、前週末6月21日に発表された6月米購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り、米利下げ観測が後退したことがあると思われます。同日のニューヨーク外国為替市場ではPMI発表後にドル買い・円売りが優勢となり、週明けもこの流れが続いたと推測されます。
4月の非農業雇用者数は前月比+17万5,000人と、事前予想の+24万人増加の半分程度となった。増加幅は、1-3月期の月間平均+26万9,000人から大きく低下している。また、労働参加率は62.7%で前月比横ばいとなった。25-54歳の年齢層では83.5%に小幅上昇し、約20年ぶり高水準に並んでいる。労働参加率の上昇は、労働供給の増加を通じて賃金上昇圧力を抑える方向に働く。
10/7の101円42銭を高値にFRBの大幅利下げ観測の後退や中東情勢を巡る地政学リスクを意識したドル高を背景に対ドルでの下落基調が対円での上値抑制につながり、10/8には日経平均株価や香港ハンセン指数の大幅安を受けた円買いに押され99円09銭へ反落。ただ、10/9には10/12に中国政府が財政政策強化について会見を行うとの報道が好感されたほか、米CPIが市場予想を上回ったことに加え、アトランタ連銀総裁の11月FOMCで利下げを見送りの可能性に言及したこと、10/11のミシガン大期待インフレ率が市場予想を上回ったことを受けたドル円の堅調地合いとともに100円78銭へ上昇し100円66銭で取引を終えました。日足・雲の上限や200日移動平均線(99円73銭/100円19銭)を下値支持線として10/7や7/30の高値(101円42銭/101円77銭)を上回り一段高となるか、ドル円が150円回復を目指して円安が加速するか注目されます。10/12に中国政府が地方政府の債務枠を大幅に引き上げる意向を表明したことが週明け以降の上海株の上昇を牽引する可能性があるだけにリスク選好の流れを継続するか注目されます。また、現在4.35%の豪政策金利について、金利先物市場が年内の利下げを織り込む確率は36%程度となる中、10/17に発表される豪9月雇用統計を受けて年内利下げ観測が高まるか、来年2月以降との見通しに変化が見られるか注目されます。そのほか、10/14発表の中国9月貿易収支や10/18発表の中国7-9月期GDP、9月小売売上高や鉱工業生産に対する反応と合わせてく注目されます。
10/7の8円50銭から取引を開始し、8円54銭へ上昇したものの、10/8の日経平均株価や香港ハンセン指数の大幅安を受けた円買いとともに8円42銭へ下落した流れを受けて10/9の東京市場で8円40銭へ下落。ただ、日足・転換線(8円37銭)を下値支持線として下げ止まり、中国政府が10/12に財政支援策について会見を行うとの報道を好感。さらに10/10-11の米CPIやミシガン大発表の期待インフレ率が市場予想を上回ったことを受けたドル円の149円台への上昇に加え、NYダウが史上最高値を更新したことを好感し南ア全株指数が10/9の84,677Ptsを目先の安値として10/11には86,149Ptsへ続伸したことも好感され7/23以来の8円58銭へ上昇し8円57銭で取引を終えました。日足・転換線(8円39銭)を下値支持線として7/23の8円60銭を上回り、7/15以来の8円80銭まで一段高となるか、あるいは転換線を下抜け、雲の上限(8円28銭)に向けて反落するか注目されます。そのため、10/15発表の9月企業マインド指数や8/16発表の8月小売売上高、さらに南ア最大の貿易相手国である中国が10/18に発表する7-9月期GDP、9月小売売上高や鉱工業生産に対する反応が注目されます。また、9/30の週には連立政権の安定を背景に大手米系証券が「向こう半年以内に南アの信用格付けが投資適格級に上がるとの見通し」を発表したことに対する期待感とともに海外からの投資資金流入が加速するとの思惑もあるだけにドル円が150円台を回復すればランド円の上昇を支援することになるだけに、ドル円の動向と合わせて注目されます。
こうした中、金融市場ではFRBの利下げ見通しが深まった。CMEグループのデータによると、FRBによる9月17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.5%になることについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間4日午前11時現在で41.0%。前日午前の31.0%から高まっている。米国の金利の先安観がドル円相場での円高につながったといえそうだ。
4月29日にドル円レートは一時160円に達したが、同日と5月2日に日本政府は2回の為替介入を実施したと推察されるが、この間、円安は相応に修正されたのである。
現時点では、日本銀行は最短で9月に追加利上げを行うことが予想される。他方で、FRBは同じく9月に利下げを行うことが現時点では予想されている。日米が逆方向に金融政策を修正するとの観測が強まれば、為替市場ではドル高円安の動きは収まる、あるいは反転することが予想される。
今後のドル円レートの方向や日本政府による為替介入の可能性を探る観点から注目を集めていた4月分米雇用統計が、米国時間の5月3日に発表された。
一方、ドル円相場での円高の背景には、日銀の利上げ見通しが続いていることの影響も大きい。日銀の植田和男総裁は3日の経済財政諮問会議で、日本経済が日銀の見通し通りに推移すれば「引き続き政策金利を上げ、金融緩和の度合いを調整」するとの見方を改めて提示し、日銀が利上げを進めていく可能性を示唆した。日米の長期金利差は3日終値段階で2.923%ポイントまで縮まっている。
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