本日の東京市場でのドル円は、前日に150円台に乗せた達成感もあり売り優勢となるも、下押しは149.77円までと前日安値149.25円を割り込むことなく底堅く推移した。
この後のNY市場では、米国の長期金利や株価をながめながら、足元での上昇の流れが続くかを見極める展開か。前日の流れを引き継いで米長期金利や米国株が上昇するようならば、ドル円の追い風となる公算である。ただ、昨日はダウ平均やSP500が取引時間中の史上最高値を更新するなど、米主要3指数は高値圏に位置している。週末のポジション調整の動きが出るようならばドル円の重しとなりえる点には留意したい。
経済指標は、米国で9月の住宅着工件数や建設許可件数が発表予定。市場の関心が米国の雇用や米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げ回数に集まる中ではあるが、足元では米景気にも関心が集まりつつある。市場予想(住宅着工件数:135.0万件、建設許可件数:146.0万件)は前月から小幅ながら減少が見込まれている。予想からかい離した結果となればドル円相場への波及もあるか。
そのほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が設けられている。この中で今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つのは、ボスティック総裁とウォラー理事の2名。直近の発言を振り返ると、前者は10日に「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」などと発言。後者は14日に「利下げのペースについてはより慎重に進める必要がある」などと発言している。金融スタンスに変化がないか確認してゆきたい。
想定レンジ上限
・ドル円は17日高値150.32円。超えると日足・一目均衡表の雲の上限151.05円。
想定レンジ下限
・ドル円は17日安値149.25円。割ると日足・一目均衡表の転換線148.84円。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY為替見通しドル円 株
一方で、NZの景気はRBNZの想定以上に減速しています。7-9月期のGDPは前期比マイナス0.3%と、RBNZが23年11月の金融政策報告の中で示した見通し(プラス0.3%)に反してNZ経済はマイナス成長に陥りました。
10/7の8円50銭から取引を開始し、8円54銭へ上昇したものの、10/8の日経平均株価や香港ハンセン指数の大幅安を受けた円買いとともに8円42銭へ下落した流れを受けて10/9の東京市場で8円40銭へ下落。ただ、日足・転換線(8円37銭)を下値支持線として下げ止まり、中国政府が10/12に財政支援策について会見を行うとの報道を好感。さらに10/10-11の米CPIやミシガン大発表の期待インフレ率が市場予想を上回ったことを受けたドル円の149円台への上昇に加え、NYダウが史上最高値を更新したことを好感し南ア全株指数が10/9の84,677Ptsを目先の安値として10/11には86,149Ptsへ続伸したことも好感され7/23以来の8円58銭へ上昇し8円57銭で取引を終えました。日足・転換線(8円39銭)を下値支持線として7/23の8円60銭を上回り、7/15以来の8円80銭まで一段高となるか、あるいは転換線を下抜け、雲の上限(8円28銭)に向けて反落するか注目されます。そのため、10/15発表の9月企業マインド指数や8/16発表の8月小売売上高、さらに南ア最大の貿易相手国である中国が10/18に発表する7-9月期GDP、9月小売売上高や鉱工業生産に対する反応が注目されます。また、9/30の週には連立政権の安定を背景に大手米系証券が「向こう半年以内に南アの信用格付けが投資適格級に上がるとの見通し」を発表したことに対する期待感とともに海外からの投資資金流入が加速するとの思惑もあるだけにドル円が150円台を回復すればランド円の上昇を支援することになるだけに、ドル円の動向と合わせて注目されます。
<24年の米ドル/カナダドルの見通し> FRBとBOCはいずれも24年に利下げを行うとみられることから、金融政策の方向性は同じと考えられます。また、市場の予想通りに利下げが行われるとすれば、FRBとBOCの政策金利の差も現状から大きな変化はなさそうです。金融政策面からみれば、米ドル/カナダドルは明確な方向感が出にくいかもしれません。1.30~1.40カナダドル(22年9月以降続くレンジ)の動きが24年も継続しそうです。
<24年の豪ドル/NZドルの見通し> RBAとRBNZのいずれも、24年には利下げに転じる可能性があります。金融政策面からみれば、豪ドル/NZドルには明確な方向感が出にくいと考えられ、1.05~1.11NZドル(22年11月から続くレンジ)の動きが想定されます。
BOCの次の一手は利下げになると市場は予想しており、市場の関心は利下げ開始のタイミングとそのペースへと向いています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、BOCは24年4月に利下げを開始し、24年末までに合計1.25%の利下げが行われるとの見方があります(23年12月20日時点)。
本日は、「経済と物価が見通しに沿って進めば利上げに動く方針」という日銀の基本スタンスを軸に、安達日銀審議委員の見解を見極めることになる。
市場では、RBAの利上げサイクルはすでに終了し、次の一手は利下げとの見方が強まっています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、24年6月に利下げが開始されて、24年末までに合計0.50%利下げが行われるとの見方が有力です(23年12月20日時点)。
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