主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月24日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(水)の為替相場
(1):政局リスクを背景とした円売り
(2):ECBメンバーで利下げの意見割れる
(3):米中古住宅販売は14年ぶりの低水準
(4):日銀総裁「まだ時間がかかる」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:東京市場における口先介入の可能性が低い/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(水)の為替相場
期間:23日(水)午前6時10分~24日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):政局リスクを背景とした円売り
ドル/円が152円台へと上伸。日本株が下げ幅を拡大したにもかかわらずクロス円も上昇するなど、円売りが活発化した。27日の総選挙で与党が過半数議席を割り込む可能性があるとの政局リスクを背景に円が売られた模様。一部には、仮に自公両党で過半数割れとなれば野党の閣外協力による不安定な政権基盤となることから、日銀との意思疎通に苦慮する可能性があり、日銀が正常化に動きづらくなるとの見方が出ていた。
(2):ECBメンバーで利下げの意見割れる
オランダ中銀のクノット総裁は、欧州中銀(ECB)の今後の利下げについて「景気見通しが著しく悪化しない限り、標準的な25bp(0.25%ポイント)を上回る規模の利下げは検討しないだろう」と述べて大幅利下げに否定的な見解を示した。続いて、オーストリア中銀のホルツマン総裁も「現在の経済環境は12月会合での50bp利下げを正当化しない」との見解を示した。一方、ポルトガル中銀のセンテノ総裁は「我々が注視してきたデータが示すトレンドを見る必要がある」とした上で「50bp(の大幅利下げ)は確実に選択肢になり得る」と発言した。他方、フランス中銀のビルロワドガロー総裁やドイツ連銀のナーゲル総裁は、12月の利下げ幅についてはあらゆる選択肢にオープンだとした上で、いずれも「データ次第」の姿勢を強調した。
(3):米中古住宅販売は14年ぶりの低水準
米9月中古住宅販売件数は年率換算384万件と、市場予想(388万件)を下回り、2010年10月以来の低水準となった。高金利や在庫不足などが重しとなった。
(4):日銀総裁「まだ時間がかかる」
G20財務相・中銀総裁会議に出席中の加藤財務相は「G20は世界的な金融情勢を協議すると思う」と述べたが、一時153円台に下落した円相場については「コメントしない」とした。その後、日銀の植田総裁はパネルディスカッションを行い、インフレ目標を持続的に達成するには「まだ時間がかかる」と述べ、利上げに慎重に取り組む姿勢をあらためて示唆した。
23日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:東京市場における口先介入の可能性が低い
昨日のドル/円は続伸。週末に控えた衆院選での与党過半数割れの可能性を意識した円売りが持ち込まれたほか、米大統領選でトランプ氏優勢との見方から米長期金利が上昇したことによるドル買いもあり、一時7月31日以来となる153円台へ上昇した。終値は前日比約1.1%高の152.76円前後だった。
日本の政局を巡る不透明感から円売りの圧力は強く、本日もドル/円は上値をうかがう展開が続きそうだ。10月に入り10円近く円安が進行しているが、ワシントンで開催されているG20財務相・中央銀行総裁会合に三村財務官、加藤財務相、植田日銀総裁が出席していることから東京市場における口先介入の可能性が低いと市場は見ているようだ。なお、本日はNY時間に米新規失業保険申請件数が発表される。米国の労働市場の堅調さを示す結果となれば、155円に向けて上値余地が広がりそうだ。
注目の経済指標:米新規失業保険申請件数
注目のイベント:クリーブランド連銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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