- <第184回>2024年10月26日
- 問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
- 問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
- 問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
- 問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
- 問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
- 問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
- 問7:10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)で勝利してほしい政党はどこですか
- 問8:10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)の結果と翌28日の円相場の反応として最も可能性が高いと思う組み合わせはどれですか
- 衆議選 現与党が過半数獲得 円安に動く
<第184回>2024年10月26日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2024年10月18日(金)13:00~2024年10月22日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は482件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が52.3%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は21.6%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△30.7%ポイントと前月の▼4.5%ポイントからマイナスから大きくプラスに転じた。
調査期間前後の米ドル/円相場は、8月1日以来となる150円台へ上昇する展開となった。米大統領選挙でトランプ氏が勝利すればインフレが再燃するとの思惑などから米長期金利が上昇する中、ドル買いが優勢となった。心理的節目の150円を上抜けたこともあり個人投資家はドル高・円安基調が再び強まると見ているのだろう。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が138.40円となり、高値の平均値は152.43円、安値の平均値は145.65円であった。高値の中央値は152.00円、安値の中央値は146.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から7.5円程度切り上がったのに対して高値・安値の予想中央値は6~6.5円程度、米ドル高・円安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、29.5%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は32.8%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼3.3%ポイントとなり、前月の▼0.8%ポイントに続いて小幅なマイナスとなった。
調査期間前後のユーロ/円相場は、円売り主導で163円台へ持ち直す展開。ただ、欧州景気が冴えない中、欧州中銀(ECB)が12月理事会で大幅利下げを決定するとの思惑がくすぶっていることから個人投資家は円高・ユーロ安に振れやすいと見ているようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が174.30円、最安値が145.60円となり、高値の平均値は164.47円、安値の平均値は157.76円であった。高値の中央値は164.00円、安値の中央値は158.00円であった。前月調査時(最終日)から実勢レートが3.5円程度切り上がったのに合わせて、高値と安値の予想中央値は2~3円程度、ユーロ高・円安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、39.4%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は21.0%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△18.4%ポイントとなり、前月の△2.6%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、101円台へ上昇する展開となった。豪9月雇用統計の結果を受けて豪中銀(RBA)による年内利下げ観測が後退していることなどから豪ドル高・円安基調が進みやすいと見る個人投資家が増えたと考えられる。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が110.00円、最安値が90.00円となり、高値の平均値は102.30円、安値の平均値は93.77円であった。高値の中央値は102.00円、安値の中央値は98.00円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートは3円程度切り上がったのに合わせて、中央値は3~4円程度、豪ドル高・円安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、35.7%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は25.5%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△10.2%ポイントとなり、前月の△5.5%ポイントからプラス幅がやや拡大した。
調査期間前後のポンド/円相場は、2カ月半ぶりに196円台半ばへ強含んだ。市場は英中銀(BOE)による11月会合での25bp(0.25%ポイント)利下げを織り込んでいるが、日英の金利差は大きく縮まらないとの見方が根強い。そのため個人投資家はポンド高・円安が続くと見ているようだ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が210.00円、最安値が178.00円となり、高値の平均値は196.99円、安値の平均値は189.35円であった。高値の中央値は197.00円、安値の中央値は190.00円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが5円程度切り上がったのに対して高値の予想中央値は前回から3.5~6円程度、英ポンド高・円安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が50.6%で最も多かった。次いで「円」が23.4%、以下「トルコリラ(9.3%)」、「豪ドル(4.6%)」、「メキシコペソ(3.5%)」、「英ポンド(3.1%)」、「南アランド(2.3%)」と続いた。
「米ドル」は3カ月ぶりに首位を奪回。回答割合は前回の30.4%から大幅に上昇した。一方、2位の「円」は前回の37.7%からやや低下した。問1で米ドル高・円安見通しが強まったのと整合的な結果であろう。
自由記述形式で「米ドル」と答えた理由を尋ねたところ、「アメリカ景気が強い」、「アメリカの経済が好調」など、経済面を指摘する声が多かった。そのほか、「トランプ氏が勝ちそう」、「どちらが勝ってもハネムーン期間はドルが上昇」など、米大統領選をドル高要因とする意見も目立った。また、「FRBの利下げ観測後退」や「日米金利差拡大」など金利面でのドルの優位性を指摘する声もあった。さらに「世界中が紛争状態にあるので最も需要があると思う」との指摘も出ていた。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が42.9%と最も多かった。次いで「米ドル」が19.5%、さらに「ユーロ(12.4%)」、「中国人民元(5.4%)」、「メキシコペソ(4.6%)」、「トルコリラ(4.6%)」、「英ポンド(3.9%)」、と続いた。
こちらでも「円」が首位に返り咲き、「米ドル」は3カ月ぶりに2位へ順位を下げた。やはり、問1の回答結果と整合的だ。
「円」と回答した理由を自由記述形式で尋ねたところ、「金利が低い」、「利上げ先送り」、「日銀や政府が金融緩和を続ける姿勢だから」との意見が多かった。そのほか、「貿易赤字、実質金利マイナス」が円安要因との指摘もあった。また、「景気が良くなるとは思えない」との声や「与党過半数割れで政局不安定」との声が出ていた。「円が強くなる理由が見当たらない」との指摘もあった。
問7:10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)で勝利してほしい政党はどこですか
今回の特別質問として10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)で勝利してほしい政党はどこですか」と尋ねたところ、「特になし」が29.7%で最も多かった。次いで「自由民主党」が28.2%、「立憲民主党」が15.6%と続き、以下「その他の党(8.7%)」、「国民民主党(7.3%)」、「日本維新の会(6.8%)」、「共産党(2.5%)」、「公明党(1.2%)」の順になった。
なお、「その他の党」の中では「れいわ新撰組」、「参政党」、「日本保守党」の名前が挙がっていた。今回、「特になし」と答えたいわゆる無党派層が、どの党に投票するかが選挙の勝敗を決める可能性が高いことがあらためて窺える結果となった。
問8:10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)の結果と翌28日の円相場の反応として最も可能性が高いと思う組み合わせはどれですか
続いて「10月27日に投開票される衆議院選挙(総選挙)の結果と翌28日の円相場の反応として最も可能性が高いと思う組み合わせは次のうちどれですか(ひとつだけ)」と尋ねたところ、最も多かったのは「現与党が過半数獲得で円安」で26.3%、僅差で「現与党が過半数獲得で円相場に影響なし」の24.7%が続き、以下「現与党が過半数割れで円安(16.0%)」、「現与党が過半数割れで円高(12.9%)」、「現与党が過半数獲得で円高(12.7%)」、「現与党が過半数割れで円相場に影響なし(7.5%)」の順になった。
選挙結果については自民・公明の与党が過半数を維持するとの見方が多かった一方で、選挙結果が円相場に与える影響に関してはやや見方が割れた。特に、与党が過半数を割り込んだ場合については、「円安」、「円高」、「影響なし」のそれぞれの見方が10%ポイント差の中に収まった。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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衆議選 現与党が過半数獲得 円安に動く
翻って日本では与党の自由民主党が9月12日告示、27日投開票で総裁選挙を実施。決選投票を経て、石破茂新総裁が誕生した。石破氏は9月30日に「10月27日に総選挙を行いたいと考えている」として、衆議院選挙の意向を表明した。
選挙結果については自民・公明の与党が過半数を維持するとの見方が多かった一方で、選挙結果が円相場に与える影響に関してはやや見方が割れた。特に、与党が過半数を割り込んだ場合については、「円安」、「円高」、「影響なし」のそれぞれの見方が10%ポイント差の中に収まった。
石破茂新政権の誕生と早々の解散総選挙、そして11月の米国の大統領選挙。日米選挙で為替市場参加者はどう動くのだろうか。その結果を踏まえた「円高」「円安」シナリオを考えてみた。
自公連立政権が過半数を割り込んだ場合には「円安」が38...
両党とも現時点では自公との連立に慎重姿勢を示しているが、維新は消費税率の引き下げや日銀法改正、国民民主も賃上げや減税などを主張しており、もし連立参画となれば、景気刺激的な政策が押し出される機会が増えて「円安圧力がかかりやすくなる」(みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏)見通しにもなり得るためだ。
なお、自民党は今回、247議席から大きく議席を減らし、衆議院定数465の過半数にあたる233議席に届かない可能性が複数の報道で指摘されており、一部で50議席程度減る見通しが報じられています。与党の議席数が「安定多数」の244議席を下回った場合、自民党の議席数が焦点になります。自民党が大幅に議席数を減らし、石破首相の求心力低下と政権安定への懸念が強まれば、日経平均はいったん下落の動きも予想されます。
しかし「政局混乱は日銀の金融引き締めを遅らせることになり、政策もポピュリズム色の強いばらまきが加速しかねない。結果的には円安へ振れるのではないか」と分析している。
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