陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 201.19(7/24高値)
前日終値 197.40
サポート1 196.29(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
・テクニカル面からは 押し目では買いが検討される
◇スロー・ストキャスティクスとは相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する分析手法。「Slow%K」と「Slow%D」の2本のシグナルからなるテクニカル指標で、図はSlow%DをSlow%Kが上方向に抜けており、売られ過ぎからの反転局面と見てとることができます。
ポンドの変動要因としては英国の金融政策、経済指標、政治的要因、ポンドクロス取引が主な要因として挙げられています。◆金融政策 米国は政策金利に関し新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大による急激な経済環境悪化に対応した金融緩和を2021年3月に停止。政策を転換し利上げに踏み切り2022年12月には4.25%まで政策金利を引き上げており、更に2023年2月と3月に利上げを予定していて、少なくとも0.50%の利上げが行われると考えられています。 英国も新型コロナウイルスの影響から2020年3月に政策金利を0.5%引き下げ、更に3月19日、政策金利を0.15%引き下げ過去最低の0.1%にしましたが高まるインフレ圧力に対抗するため、2021年12月に米国に先駆けて0.25%に利上げをしており、その後も段階的に利上げをした結果、2022年12月には3.50%となっています。 英国はインフレを抑えるために今後も金融引き締めを継続する旨を明言しており、米国同様2月3月の利上げが視野に入っています。◆経済指標 2020年の英国経済は新型コロナウイルス感染拡大防止のためロックダウンを行った影響もあり景気鈍化が鮮明となりました。 2019年に+1.7%であった実質GDP成長率は2020年は-9.3%と先進国平均‐4.4%を大きく下回る数字となりましたが、ワクチン接種率の高さのおかげで、世界に先駆けてコロナ後遺症から立ち直って景気を回復させ、2021年は7.4%、2022年は3.6%と先進国平均を上回りました。しかしBOEは2023年、2024年はマイナス成長を予想しており家計部門の可処分所得減少、エネルギー価格の急騰もあって英国景気は深刻な下押し局面となると考えられています。◆政治的要因 2020年12月末が移行期間の終了であり秩序なき離脱は英国にとって経済的に見て大きな打撃となると考えられてきましたが、実際に離脱したあとでは当初の混乱はあったにせよ考えられていた経済的困難がさほど大きくはなく、ブレグジット後を悲観した過度なポンド売りで2020年3月には1.14台前半まで売られたポンド米ドルはその後買い戻しが強まり堅調な推移となっており2021年6月には1.4250まで大きく反発しています。 その後新型コロナ変異種による感染再拡大が英経済に及ぼす影響もあって、徐々にポンド売りが強まりました。 更にジョンソン首相が7月に政権や党幹部の不祥事、自身のコロナ禍でのパーティの責任を取る形で辞任を表明しました。2022年9月6日にリズ・トラス氏が首相に就任し、選挙公約である『減税・国民保険料などの引き下げ』を9月23日に発表しましたが、財源は国債発行が柱であったため、財政悪化懸念でポンドが暴落、9月26日には1.1250レベルから一気に1.04183まで急落する展開となりました。大型減税の財源が国債増発であったことに市場が反発した形で、10月5日に一旦は1.14947まで戻したポンド米ドルでしたが再び1.100を割り込む動きとなり、結局トラス首相は与党内での信頼も失い就任わずか45日で10月20日に首相辞任表明を余儀なくされましたが、これを境にポンド米ドルは戻る展開となって、12月14日には1.24461まで戻しています。 後継首相であるスナク氏は金融業界出身で財務相も務めた経験もあり、財源の裏付けのない減税案を批判し財政立て直しを図るべきと明言して首相になった経緯から、今後の景気後退にどう対処するのか、増税をせずにいかに英国経済を深刻な落ち込みから回避させるのか難しい舵取りを担うこととなります。◆ポンドクロス取引 クロス取引の値動きで一番影響が大きいと思われるのはユーロポンドの値動きです。 2018年後半は0.9100近辺の抵抗線と0.8600のサポートで推移していましたが2019年になってユーロ圏の経済が極端に悪化し0.8600を割り込み0.84669まで下落する展開となりました。 しかし0.8400までは下がらずメイ首相の辞任表明やBrexit党の大躍進から「合意なき離脱」の可能性が高まっておりポンド売りが鮮明となって2019年8月には0.93251まで大きく買い戻しが 進みました。2019年夏以降、欧州景気の低迷が鮮明となって欧州中銀は量的金融緩和を再開、更にマイナス金利も深掘りするに及び、政策金利を下げない英国との差が浮き彫りとなって ユーロポンドは下落して2019年12月と2020年2月に0.8280近辺の安値を付けてチャートの形がダブルボトムとなりました。 0.8600を超えてからテクニカル的な買い戻しが強まったこと、更に英国が2020年3月に2回政策金利を引き下げたことでポンド売りが強まり0.95051高値まで大きく買い戻しが入っています。 その後、欧州景気の悪化を背景に0.86700まで再び売られたあと、2020年12月末の移行期間終了を前にポンド売りが強まって2020年9月には0.92924まで上昇する場面もありました。ところがいざ離脱してみると英国経済に思っていたほど悪影響が出なかったこと、欧州景気の回復の足取りが重たく英経済と比較しポンドの英上げ思惑と欧州金利横ばいないしはテーパリング着手の遅れを考えるとユーロ売りポンド買いの流れが強まり2022年3月には0.82026と 0.8280近辺のダブルボトムを割り込んで安値を付けています。一旦0.87217まで戻した後、ジョンソン首相が辞任を表明、これでポンドの買戻しとなってユーロポンドは下落。0.83388まで下がったあと、2022年9月には後継内閣であるトラス政権の公約実施を嫌気、財政悪化懸念で激しくポンド売りが進みました。対ドルで37年ぶりの安値を付け、ユーロポンドは0.92326まで跳ね上がっています。 しかし市場から激しくノーを突き付けられたトラス首相がわずか45日で退陣。これをきっかけにポンドが買い戻されて12月1日には0.85474まで下落しました。12月15日にECBが政策金利を0.50%引き上げ、声明で「一段の金利上昇を見込む」「金利は安定したペースで大幅に上昇する必要がある」と表明。これでユーロポンドは0.8600近辺から大きく上昇、1月13日には0.88973までタッチしています。
◇フィボナッチ・リトレースメントとは「フィボナッチ比率」をトレードにあてこんだテクニカル手法です。「23.6%・38.2%・61.8%・76.4%」という比率を、フィボナッチ比率、または黄金比率と呼びます。多くの投資家がフィボナッチ比率で求められた価格帯を意識する為、相場に影響を与えると考えられています。チャートの高値・安値の間をフィボナッチ比率で区切られたラインを引くことで、サポートライン・レジスタンスラインを判断します。
・まだ移行期間にあることで、本当の意味でポンド相場のトレンドは発生しない可能性。・引き続きブレグジット絡みのニュースで、荒れた動きが継続。・英中銀に利下げの余地は少なく、2020年利下げは一回程度。あっても2回が限界とみられ、金利面だけでは、ポンド安は続かない。・テクニカル面からは、押し目では買いが検討される。・もし、EUの協調に心配して「秩序無き離脱」のリスクが高まった場合やスコットランドの英国からの独立の思惑が高まった場合、ポンド相場の買いは得策とならない。
◇サイコロジカルとは「心理的な」という意味です。サイコロジカルラインというテクニカル指標もありますが、ここでは「心理的に意識されやすい価格帯」という意味で用います。キリの良い数字の価格は、時にサポートやレジスタンスとして機能することがあります。投資家の多くはその数字を強く意識する為、その価格帯付近では取引が活発になる傾向があり、明確にその価格を抜けた場合は、次の節目へと意識が移る過程で、値が大きく動く場合があります。
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